フォト
無料ブログはココログ

« 「超越」と「自由」 | トップページ | 【Skyrim】Skyrimをさらによくする10の方法。 »

2012年1月24日 (火)

ダルビッシュ問題、クロダ問題

 さっきの記事は前振りにしようとしたが、あまりに関連しないので別にした。

 あー、お前ついに読者が激減したから、あれか、ヴィデオ・ゲームの話はやめて、耳目を引きそうな話題にシフトしたか。
 ちげえよ、だったらずーっと前から読者の方の数なんて変わってねえよ。

 トリンドル問題とあまりに似た話題だったので、面白かったから書いてみるだけです。
 しかも心配なさるな、ちゃんとRPGに関係ある(ところもある)。

 gooニュースだが、元は産経新聞のコラムを読んで驚いた。有料購読者です。ネットにほぼ全部載っているのもブログ上都合がいい。だったら有料で購読する意味がない? 月3000円弱の「お布施」だよ。

 http://news.goo.ne.jp/article/sankei/sports/snk20120124110.html

 日本人大リーガーの、特に内野手が「ダメ」という評価が定着しつつあるのは聴いていた。さすがにベースボールの第二のメッカともいえる中南米出身選手と伍すのは辛いよなと納得していたが、今度は投手にも三年目の壁があってダメだそうだ。

 読んでいただければわかるが、ボストンの野球アナリストが調べたところ、日本人投手では黒田投手(ドジャーズ)以外、皆その罠におちているという。日本人野手では外野手のイチローと松井秀喜だけが例外であり、だから投手に限らないそうだ。

 記者がいうようにそれって「あと出しジャンケン」の結果論じゃん、ということもできるし、だいたいサンプリングが悪すぎる。「そもそも大リーガー全員に三年目の壁がある」という仮説との有意差検定とかちゃんとやってんのかぼけ、と思うが、原文を読んでいない私に突っ込む資格はないし、ボストンの野球オタクの記事とか原文であんまし読む気もしない。ごめん。

 でも面白かったのは、日本人大リーガーのさきがけ(正しくは中興の祖)、野茂投手にも同じく三年目の壁があったそうで、防御率が急激に落ちて(えーと、増えて)ドジャーズから放出された後の彼のことを、ときたま好シーズンを送った「ジャーニーマン」(journeyman)であると呼んでいること。産経の記者の翻訳は「さすらいの仕事師」。悪くないけど、それって超訳過ぎない? ほんとかしら?

 journeymanは、もちろんSkyrimにも登場するし、洋物RPGには当たり前のように登場する主にクラフティングに係わる単語なので、だからこそわかったつもりになっていて、マジメに調べないかもしれない(私は少なくともそうだ)。

 敢えてマジメにしらべてみた。アルク。

 journeyman 

 徒弟制度で年季奉公を終え、給金をもらって働けるようになった職人。年季奉公とは別の職場に移ることが多い。

 そうだよな。RPGではまさにその意味だ。丁稚(でっち)明け。ようやく職人芸のなんたるかがわかった若い職人のことだ。

 そこから転じたのだろうが、別の意味として「熟達の職人」。「さすらいの仕事師」とはこちらのイメージを言っているのだろう。

 merriam-websterでは。

1. a worker who has learned a trade and works for another person usually by the day

2. an experienced reliable worker, athlete, or performer especially as distinguished from one who is brilliant or colorful

1の意味は、丁稚明けの職人でいいっすね。
2の意味がとてもわかりやすい。頼りになる熟練者ではあるが、天才的でもなければ華々しくもない。そして用例として、ご丁寧に"a journeyman outfielder "(ジャーニーマンの外野手)とまである。

 ボストンの野球アナリストが野茂についてジャーニーマンと言う場合は後半を強調しているのでしょう。

 「さすらいの仕事師」をどう感じるかだが、日本人は「仕事人」というと、良い意味にとっちゃう。「家政婦のなんとか」に通じる。「いぶし銀」なんか見たこともないくせに「いぶし銀の名人芸」とか呼んじゃう。見たら判るけど、こ汚いよ。不人気すぎてもう宝飾品としても出回らない。

 私なりに解釈すると、「そこそこ使える」、「足しにはなる」、「誰かが抜けた穴埋めはできる」くらいの意味。大リーグでは、brilliant か colorfulでなければお金は儲からないんだろうな。それはアメリカ人の感じ方の根底にもあるんだろう。一般ファンには、内野安打で安打を稼ぐイチローよりも、一発逆転のホームラン・バッターのほうが、とうしてももてはやされる。

 ベースボールはなぜ日本でこれまで定着したかわからないくらい「個人芸」のスポーツだ。
 映画「アンタッチャブル」(The Untouchables、1987)でデ・ニーロが演じたアル・カポネに言わせれば、ベースボールに大事なのはもちろん"teamwork"だが、"indivisual achievement"の側面にも触れている。(適当なこと抜かしてると思われると癪なんで、ちゃんとimdbの引用を記事最後に)

 一方、アメフトの場合は、数多くのプレイのアサイメントが記載されたプレイブックに従う必要があるので、チームプレイの側面がずっと強い。個人芸オンリーの極端な例外としてプレース・キッカーはいるけど。
 プロの(NFLの)クォーターバックの場合、チーム・カラーに即した選手が長くエースをつとめる場合が多く、逆にいうと長くチームを支えるクォーターバックがいるチームが一般に強い。モンタナしかり、エルウェイしかり、ファーヴしかり、ワーナーしかり。
 こういう選手たちのことを、フランチャイズ・クォーターバック(franchise quarterbacks)と呼ぶ。日本語では・・・。なんつうんだろ? 「フランチャイズ」なんて訳せないよ。「生え抜き」である必要はないんだが、日本のプロ野球の「ミスター・(チーム名)」なんてのが近いか。

 「フランチャイズ・クォーターバック」が街(フランチャイズ)の保安官であるとしたら、一方で「雇われガンマン」、「流れ者」クォーターバックが活躍する例も稀にある。悲しいくらい稀だ。
 こちらにはだからレッテルが貼られていない。その選手のキャラによって、maverick(マーヴェリック、根無し草、一匹オオカミ)とか、desperado(デスペラード、ならず者、無頼)などと呼ばれるが、ぜんぜんいい意味じゃない。まるで西部劇のバッド・ガイ扱いだ。
 だが、少なくとも彼らがjourneyman なとど呼ばれることはない。なぜなら、天才的才能も華もないのに、雇われガンマンとしてプロのチームをスーパーボールまで率いていくのは、まず無理だからだ。

 もちろん、ベースボールにもアメフトにもケガがつきものだ。登録選手票(ロースター、ロスター、roster)には必ず予備選手を確保する。ロースター維持は日本と違ってアメリカではGM(ジェネラル・マネージャー)の仕事なのは、最近では日本でも皆知っているはずだ。
 NFLの場合、控え、セカンド・クォーターバックがjourneymanの感じである。あちらでは「保険」(an insurance policy)などと呼ばれることもある。まさにエースが負傷した場合の「保険」だ。

 この控えが実力をつけてきて、エースとスターターの座を争うようになると、これはクォーターバック・コントラヴァーシー(a quarterback controversy)、クォーターバック問題といって、アメリカでは大統領選挙の次に重要なイシューだ(むしろ自分の街のチームのクォーターバック問題のほうがずっと重要と考えるアメリカ人もいる。トラスト・ミー!)。

 大リーグもNFLも日本と違って、サラリー・キャップ制にうるさいので、Skyrimに例えて、メンツを全部"Legendary"とか"Epic"で集めて「おれつえー」をやることは許されない。(サラリーレベルが)"Legendary"とか"Epic"な選手をひとり雇ったら、その分、"Fine"、"Superior"、"Exquisite"、あるいは"Flawless"なレベルの選手もまんべんなく雇わないと、そもそもチーム編成ができない。

 なお、ベースボールの場合、日本のどこぞのように"Legendary"とか"Epic"な選手だけかき集めても勝てないことは、すでに歴史が証明してしまった。なのに歴史に抗ってまた同じことをやろうとしているなんてのは、もう話題にもしたくないですね。

 おっと、本題を完全に忘れていた。それだけJourneymanの話題が面白かったのだ。

 黒田投手だけが成功した理由は、ドジャーズの幹部に言わせると「幼い子供を英語の学校に入学させるなど、家族ぐるみでアメリカに溶け込もうとした」からだそうだ。アナリストはそれを引いて日本選手の成功のカギは野球技術だけではなく、生活、文化すべてが日本と違う新しい環境への適応の努力ではないかと指摘している。

 一読すると、ほんまかいなー。精神論かよ!と感じるだろう。ここでうなづいてたら、思考停止の危険があるから注意したほうがいい。

 と言い切れない説もある。日本に来たガイジン選手について詳しく触れた著書のあるホワイティング氏によれば「日本のこと(文化とかなんでも)を理解しようとしたガイジン選手ほど、結果的に長続きし、日本での稼ぎが良い」。

 サントリー(か、キリンだったっけ)のTVCFで、今は亡き原田芳雄さん(合掌)がマーヴェリックな日本人プロ投手を演じており、チームのロッカールームで「貴様、和を尊べ!」と(英語でかな?)怒ってるガイジン選手と殴り合いになるというシーンがあった。そのガイジン選手に対して原田投手は(日本語で)「ニホンゴ、ワッカリマッセーン!」と言い返すんだが。

 ホワイティング氏の著書を下敷きにしていて「このCFの作者は、ほんとうめえなあ」と感激したものだ。YouTubeにも残ってるかもね。探してみて。あたしゃだめだ。今見たら色んな意味で涙目になっちゃう。

 そして誰もまだ答えてくれていない個人的な謎がある。

 どうして、日本にやってきたガイジン選手は、その後多くが大リーグの監督になり、かつ、(少なくとも)リーグ優勝の経験が多いのか? 
 いや、ほんとに統計的有意差があるかどうかはしらないけど、とっても多い気がするんだよね。ホワイティング氏でも誰でもいいから説明してくれねえかな。

**********

A man becomes preeminent, he's expected to have enthusiasms. Enthusiasms, enthusiasms... What are mine? What draws my admiration? What is that which gives me joy? Baseball! A man stands alone at the plate. This is the time for what? For individual achievement. There he stands alone. But in the field, what? Part of a team. Teamwork... Looks, throws, catches, hustles. Part of one big team. Bats himself the live-long day, Babe Ruth, Ty Cobb, and so on. If his team don't field... what is he? You follow me? No one. Sunny day, the stands are full of fans. What does he have to say? I'm goin' out there for myself. But... I get nowhere unless the team wins.

« 「超越」と「自由」 | トップページ | 【Skyrim】Skyrimをさらによくする10の方法。 »

ゲーム」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1586985/43856504

この記事へのトラックバック一覧です: ダルビッシュ問題、クロダ問題:

« 「超越」と「自由」 | トップページ | 【Skyrim】Skyrimをさらによくする10の方法。 »

2016年7月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31