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2012年1月26日 (木)

【Skyrim】悪の報いを受けることがない?

 また「ぼくの考えたさいきょーのだいあくにん」とかいう中ニ病ネタじゃねえだろうな、とシカトしようかと思ったが、最初の文章が目にはいって興味が湧いた。

 http://pc.ign.com/articles/121/1217140p1.html

 IGNの記事。Skyrim Failsとかいう、いかにも耳目を引きそうな表題だが、わりかし真っ当なことを述べているようだ。GameSpotだけ読んで、こちらを読まないのもどうかと思うので、ちょっとなぞってみよう。Kotakuのくだらない記事まで読まされたしな。

 素晴らしい作品だが、まだまだカンペキには程遠い。ま、そう書かないとゲーム批評にはならないわけだから。Uncharted 3に10点満点を与えていながら、Skyrimには9.5点しかあげなかったと批判されているIGNのアリバイ証明と考えてもいいかもしれない。

 他のRPGやアクションなども含めたゲームから学ぶべきところは多々ある。ここでは四つ。悪行の報い(consequences)の欠如、判りにくいレべりング、しょぼいコンバット、そして感情移入(emotional pull)のやはり欠如。

 気になったのが(そして多分この中で面白いのは)、一番最初の「悪の報い」問題なので、そこは丁寧に。あとはさらっと流します。

**********

 悪の報いを受けることがない。

 Skyrimで悪のキャラクターを演じても、罪の意識を感じることは難しい(訳:ほんまに?)。他のゲームにおけるメチャクチャな殺戮劇(wanton murder)や一般的な恐怖体験の後では、プレイヤーが鏡で自分の顔を覗き込むことができないくらいの良心の呵責に苛まれることは避けられない。ところがSkyrimでは、山野でうかれたバカ騒ぎをやらかしても、立ち向かってくるモフモフのウサギを残らず蹴りまくっても、まったくなにも感じない。

 無辜のアルゴニアン(訳:トカゲさんか)の皮を剥いでハンドバックにしようが、盲目の男(a blind man)から、えーっと、闇雲に(blind)カツアゲしようが、罪の意識は生まれない。Skyrimにはプレイヤーのやらかした悪行に対する報いがどうしようもないくらい、決定的に欠けているからだ。

 もちろん、そこらじゅう血の海にする気満々でプレイすれば、バウンティ・システムによって、衛兵たちが阻止しようと介入してくる。だが賄賂や罰金はあまりにも安く済み、手かせ足かせから逃れて立ち去るのは、口笛まじりなくらい容易い。

 他のあまりに多くのゲームで導入されている、強制的な善悪メーターを取り除いていること自体は、正しい一歩ではあるが、その代わりがなにもないのだ。プレイヤーがRPGの主人公として、じっくりと紆余曲折を繰り返すことができるようにするため、Skyrimは静的で、因果応報の存在しない、しかも「プレイヤーを中心にして回っている」世界を創出したのだ。だからこそ、プレイヤーが、いみじくも声帯を有するどんな存在(訳:つまりクモとかムカデを除く全てってことかな?)に出会ったときであれ、お定まりのワンフレーズをわめき散らしながら飛び掛る前に、ちょっとは躊躇してみるという行動をとらせることはないのだ。

 この種のやり方は、例えば、細々としたことまで全て気にかけて書かれた一本道のスクリプトがプレイを支配するModern Warfareにおいてはうまくいくだろう。だがオープン・ワールドのSkyrimでそうか? あまりうまくはいかない。しかも、これでもまだ話は入り口に過ぎない。

 例えば、君がダーク・ブラザーフッドのリーダーになったとしよう。君の両手にはすでに、農家が林立している街ひとつ分の壁を全部赤く塗り替え、さらにたくさんの消防車を用意することができるくらい、十分な量の血糊がべったり着いているはずだ。だが、そんな君ですら、比較的正しい道を進んでいるはずのコンパニオン(訳:同胞団でしたっけ?)にあっさり乗り換えることも、あるいは究極の権力を手に入れる立場に就くことも、まるでコウモリのように瞬き一つしないでできるのだ。

 それはまるで(訳:アメコミの正義の軍団)ジャスティス・リーグが、レックス・ルーサー(訳:スーパーマンの大悪党だったかな)のために赤絨毯を敷いてあげるのを眺めているようなもんじゃないか。

 もっと言えば、君はリーダーの立場であるにもかかわらず、突然旅に出て、二度と帰らないことだってできる。そしてもちろん、そのことを誰も気にもしない。ここでも、世界はポーズボタンを押されたように止ったままなのだ。

**********

 なるほどね。
 ポイントは原文でも強調されていますが、「プレイヤーを中心にして回っている世界」に対する批判ですね。

 これは本気で重要なテーマなんだよね・・・。私のブログなんてこのネタだけで食ってる(一銭も儲けてはいない)ようなもの。

 先ほどの記事の表題にも書いたように「この世界はメチャクチャである」という真実を、どれだけゲーム内で実現できるかどうか、最近のRPGの評価はそういうポイントに絞られて来ている傾向があって、そういう意味では「成熟」して来ているのかもしれない。、「プレイヤーを中心にして回っている世界」ってのは「何もかも自分の思い通りにならない、理(ことわり)がどうなっているか想像もつかない、不条理で残酷でメチャクチャな世界」の対極にあるわけです。

 もちろんRPGだって「物語」の一種であるわけだから、GameSpotのケヴィンが言うような記憶に残る名場面、「メモラブル・モーメント」が大事ってのもあります。
 だがオープン・ワールドRPGに流れが傾いて来ているとしたら、それだけではもう、みな物足りなくなってきているのかもしれない。
 まさに上でメンションされているCoD:MWのようなFPSであれ、パズルゲームであるPortal 2であれ、数限りなく出続けるアクションゲームであれ、ましてやスーマリのようなプラットフォーマーであっても「物語」は導入可能だし、もうすでに導入されている。Portal 2のように一部は大成功している。

 Skyrimは、確かに受身で待っている「世界」、あるいは「社会」の中で主人公ドラゴンボーンがどう振舞うか、あくまで一人称の物語。一度流してプレイしてみて、大変残念なことに、ただ一箇所だけ意図的に一人称をはずしちゃってる場面があった(ホワイトランのドラゴンズリーチの大テラスから、ほら、あれするときね。あれは一人称はずさず描写可能なんで、デザイナーの不注意だと思うなあ・・・)。もちろん、出会い頭に熊さんのラリアットなどくらって昇天するシーンは除く。もう死んでるから一人称もへったくれもない。(考え直したらもう一箇所あった。おんまさんにされちゃうところか)
 でもSkyrimの基本はmyselfの物語ですね。

 例えばDragon AgeやMass Effectなどは、予測できそうにもないレベルで途方もなく揺れ動く(だからメチャクチャな)「世界」に投げ出され、その急流に翻弄される主人公(たち)が、その運命にどう立ち向かうか。物語の形は「神の視点の三人称」ですよね。DA2はそもそも枠物語、起きてしまった事柄を振り返る形式であるわけだし。シェパードは何しろいっぺん死んだわけだし(一人称がなりたたん)。FFXIIIのようにわらわら主役を切り替えるのもそっち。FFXIII-2となると、ぐっと(セラの)一人称の物語に寄ってはいる(厳密には言えませんが、The Witcher 2のような限定三人称に近い)んですが、「お姉ちゃんを探す」というテーマからしてもそのほうがだいぶ心地よい、気持ちがいい。

 私なりの立場でいえば、このIGNの批判は言えているし、そこは確かに重要なんだけど、ゲームの仕組み上の不足分を補完するのはプレイヤーじゃないかなー、ってとこですね。
 下世話な商売上の話をすれば、なぜそういう造りにしたかもわかりそう。

 New Vegasでは、戦争状態にある二つの陣営のどちらにつくか、あるいはつかないか、最後は決定しないといけない。その二つ以外にサード・パーティーも存在するし、どこにもつかない自由もあるとはいえ、少なくともエンディングを迎えたいなら(「どこにもつかない」も含め)どれかひとつ決断はしないといけない。
 
 すると見逃したほうを見たいと思ったら、もう一辺プレイをやり直さないといけない。決断直前のセーヴ・ファイルから分岐させるという荒業でもいいですが、少なくとも手間はかかるし、私が「荒業」と感じるように、RPGでそれはちょっと・・・、と感じる人は多そう。

 New VegasもSkyrimも優に100時間かかるゲーム、メイン・ストーリーだけでもふつうにやれば20から30時間ですか。何周もやり直す人なんて、もう世の中にはあまりいないんですね。一度もメイン・ストーリーをクリアしないで中座する人だって大勢いるようだし。

 Skyrimの造りは、そこを配慮してると解釈しています。コア・ゲーマー諸氏が物足りないというのはわかる。得意な魔法がキャンドルライトのアーチメイジ(私のことだ)、スニーク能力ほぼゼロのギルド・マスター、世界の平和を願うブラザーフッドの総帥。やっぱ、ちょっとねえ・・・。全部ラノベ・ネタとして成立するもんね。
 お菓子のスウィートロール(Sweetroll)を見ると、盗まずにはいられないローグ(笑)。夢はスカイリム全土のスウィートロールを集めること!(その場で食べなさいよ・・・)

 さらにウェアウルフになってもなんの副作用もない、ヴァンパイアリズムはただの伝染病で治そうと思ったらすぐ治っちゃうし、カニバリズムはバレなきゃOKか。
 MorrowindでもOblivionでもそんなビョーキになったら涙目でしたよ。何をやっていてもとりあえず全部投げ出して、そこからいきなり治癒探しのクエストがはじまっちゃう。少なくとも私はそうだった。

 一度きりのプレイスルーでも大事な場面はほとんど見逃すことがないように造っているのでしょう。全部がそうではあまりに甘すぎるからか、シヴィル・ウォーの両陣営と、そしてブレイズとグレイベアーズの間には排他が成立する。でも、それすら手掛けなくたっていいわけですね。

 そういう匙加減がだいぶカジュアル側に寄ってきているので不満、ということでしょうか。システムが悪いわけでもなく、Radiant A.I.でやろうと思ったら、シビアな因果応報システムできますよね。できるのにしなかったわけですから理由がある。私の予想は上に書いたとおり。

 「直後に鏡で自分の顔を覗き込めなくなるような」プレイ体験がどれかは、プレイヤー自身の感じ方による。ゲームが「善悪の基準を押しつけない」のが正しい方向であるのはうなづけますが、そこはプレイヤーが補完すればいいでしょう。できるから全部やる、じゃただのお子ちゃまだし。できるけど敢えてやらない自由だってあるんだから。
 私はやっぱ主人公まで変えてしまって(鏡で見ても表情すらわからない)カジートくらいでやらないと悪行三昧は無理だ。
 
 もし、(現実寄りの)強烈な因果応報、懲罰システムを組むんだったら、街の人を理由なく何人も殺したら、もうそれで終わりでしょう。あとはブラザーフッドに入るしかない。そんなゲーム、きっともう売れないんでしょう。
 ウルティマのロード・ブリティッシュに逆らったら残りの一生牢屋で過ごしました、で笑って済ませていたのは古き善き時代。うろ覚えだが、Curse of the Azure BondsなるDnD準拠のゲームでは、冒険スタートの瞬間から、主人公(パーティー全員)にはいきなりきつい呪いがかかってる! 全編これ、解呪探しの旅なり!
 今はこういうの出してもきっと受けない。面倒になったんですよ。
 自由こそ、一番面倒なんだよなあ。

Curse_of_the_azure_bonds_coverart
 あ、やだ、なつかしー。そうそう、このパッケのねーちゃんに惚れて手を出したんだろうな。おかげで手ひどい目に会いました・・・。

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