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2012年1月20日 (金)

【Skyrim】くどい話(2)

 The Elder Scrolls V: Skyrimの手なりプレイスルーではございません、今回は。 

 東京は雪模様。
 スカイリムで見飽きたし(笑)。

 今回の「くどい話」は、サイラスがエルダー・スクロールについて書いたものではなく、「私の」くどい話だ。

 でもエルダー・スクロール関係だ。それから祝日本語版化でDragon Age 2も絡めちゃう。えーと、あとFFXIII-2もついでにいっとこ。

 入り口はいくつかありそうだが、丁度雪がらみなんで、ウェルズのSF小説「タイムマシン」から入ってみよう。

 ガイ・ピアース主演の映画"The Time Machine"(2002)をご覧になった方は大雑把な筋はおわかりになっているはずだが、実は(監督はウェルズのひ孫にあたるせいもあって)プロットは原作とかなり異なる。なにしろ舞台がいきなりロンドンからニュー・ヨーク・シティに置き換わっているし。
 1960年の最初の映画のほうは原作の筋を踏襲していたかどうか(おそらくそうだろうが)忘れてしまった。

 なので、ここでは小説(1895年)をリファーします。

 タイムマシンを発明した主人公(時間旅行者)は80万年後の未来へ旅立つ。おそらく最も有名なのはそこのくだりだろう。人類はまったく異なる二つの種族に分かれており、そこでは明らかに(優雅だが退廃的な)上流階級と(野蛮で暴力的な)労働者階級の分断という比喩が用いられている(詳しくは読んでみてください)。

 だが、私が(もちろん最初に日本語翻訳版で読んだとき)鮮明に覚えているのは、その野蛮な種族に一度は奪われたタイムマシンを奪還した主人公が、さらに未来へと旅をするごく短いくだりだ(この記事末尾に原文を掲載)。最終的に時間旅行者は30百万年の未来に到着する。そこでは地球の自転は緩やかとなり、太陽はおぼろげに霞み、闇と極寒が支配する土地では地球最後の生命が息絶えようとしている。

 一般的な解釈としては、ウェルズが生きた時代に対する「社会批判」の部分しか取り上げていない場合が多いので陳腐で物足りない。もちろん社会主義に傾倒していたと言われる作者にとって、(今日の格差・貧困問題にも通じる)階級問題は重要なテーマではあっただろうが、ではなぜ、さらに未来への旅を書き加えているのか。
 本質的には、人類社会滅亡、あるいは地球破滅への、真の闇への恐怖だったんではないだろうか。
 わざわざ原文を長々と掲載したのも、その中にある次の一文こそ、核心ではないかと思われたからだ。

"A horror of this great darkness came on me. "

 ようやくエルダー・スクロールの物語に触れることができる。

 エルダー・スクロールとは何か。The Elder Scrollsシリーズと呼ばれながら、実際に登場するのは、(スクロール自体はあまり重要ではない)Oblivionに続いてSkyrimが二回目のようだ。

20120107_00097
 エルダー・スクロールとは、この時の流れとは別の時からやってきたもの。この世界に決して存在しないもの、そして同時に常に存在するもの。創造のカケラ。

 だが、過去と未来の事柄が全て書き記されているという代物、ドラゴンに本当に理解できるわけでもないのです。

 別の時、とはこのタムリエルが存在する宇宙の創造者の時間。エルダー・スクロールはその創造者らが造り上げたという説もある。

 さて、「創造のカケラ」は本当は"fragments of creation"と複数形だ。The Elder Scrollsは複数存在する扱いなのだが、実は「全部でいくつなのか」は決してわからない。敢えて数え始めればその場所も数も変わるという。

 だがこのセリフは、Dragon Age 2のある登場人物の発言を想起させる。そう、フレメスそのお方である。

Screenshot20110327202622105
 こちらでは、自らのことを"a fragment cast adrifted from the whole"と言っていますね。「全体から遊離してただ流れに身を任せる欠片」だ。

 「全体」とはなんのことか、まだ我々にはわかりません。でも奇妙な符合はもうひとつある。

Screenshot20110327202614704
 "Must I be in only one place? "
 「ひとところにしか存在してはいけないのか?」
 
 んー、日本語版の訳がどうなっているのか見ていただきたいが、これ難しいな(笑)。
 つまり"be"がちゃんと訳せてない気がするからだろうけど。

 でも言いたいことは、エルダー・スクロールについてのパーサーナクスの理解(がその部分は正しいとして)と非常によく似ていること。
 "It does not exist, but it has always existed"、「存在はしていないが、これまで常に存在し続けてきた」、うひゃひゃ、これも真剣にやると難しい。

 まとめると、ふたつの類似点がありますね。まずフラグメント、「欠片」であること。それから、ユビキタス、時空を超えて「遍在」しているような話になっていること。厳密にはフレメスは時間までは超えていないのかな。非常に長生きではありそうだけど。

 「遍在」は説明するまでもないですね。ユビキタス(ubiquitous)自体がクリスチャニティーにおける神、あるいはジーザスのありようを意味する。一般には「世界は全知全能の神で満たされている」という遍在論、あるいは「世界そのものが神である」という汎神論。

 ところが、「多神教の神々は、一神教の神々の片鱗に過ぎない」という解釈(それ自体についてはここでは云々しない)までになると、ここで「片鱗」、なんと「欠片」が出てきます!

 本来一神教では、創造神がこの世界に存在するわけがない。創造者が創造物の中にいるなんて、そんなアホな。だから汎神論は無神論と同義だと批判された。
 Dragon Age の神(メイカー)は創造した世界に愛想をつかしてどこかに行っちゃった「不在の神」だ。The Elder Scrollsの神々(ディヴァインズ)は、世界創造の際にそこから「逃げそびれた」、「閉じ込めれてしまった」、「自発的に残った」創造者たち(Aedra)であるという解釈があるそうだ。これはとっても面白い。でもやっぱり創造主は創造物の中には本来いないという発想でしょう。

 この「欠片」って一体なんだろう、ふたつのRPG(の書き手が)もし何か根底に通じる共通意識があるなら、それはクリスチャニティー特有のものであろうか。とても興味をそそられるのです。エルダー・スクロールだけであれば、いかなる意味を持つものか、なんとか説明しようとすればできるんだが・・・。フレメスについて何もはっきりしていないし、まだ生煮えの説なんでやめとこう。

 さて、ウェルズの話と繋がんないな・・・。あ、そうだFFXIII-2。

 あれもまた「未来」についてのお話であった。必然的にタイム・トラベルものでもある。そして色々な時代に登場するパドラなる巫女の娘がいる。それぞれのパドラの人格は別々なので、厳密には「遍在」してはいないようだが、逆に言えば、それぞれがパドラの「片鱗」、「欠片」とみなすことができる。おっと、うまくはまったな。

 ところが、そういう類似点がありながら、FFXIII-2で描かれているあの破滅的な未来は残念なことにひとつも恐ろしくない。またその未来からやってきた人類最後の生き残りという少年は、あくまでそこらのあんちゃんであって、さっぱり切実さが感じられない。

 ここまで来るともはや書き手の筆力、と言い切って思考停止する向きもあるかもしれないが、私は違った見方をしている。

 この2011年に登場した和洋RPGにみられる物語背景の奇妙な符合は、とても偶然の一致とは思えないのだ。つまり、みな否応なしに同じ世界を見せつけられているのだろう。どんだけ「嫌な」世界か、こんなところでもういちいち言わなくていいよね。

 あくまでRPGであるから、物語はこの世の破滅と、その破滅の危機から救う英雄譚であるのは当然だし、どの時代でも同じなのではないか。

 そうかもしれないが、そうではないかもしれない。ひとつひとつ説明すると長くなるのでやめとくが、例えばウルティマなど過去の時代を彩ってきたRPGと、これらの作品は明らかに違う。少なくともThe Elder ScrollsやDragon Ageには、ウェルズが書いたような本当の闇の恐怖と似た、エルダー・スクロールがもたらす狂気、フレメスの諦観、つまりは「どうしようもない、避けられない、永久に理解できない世界」というテーマがあるように感じられるのだ。

 そして残念ながら、また当然ながら、そのような真の恐怖などは、FFXIII-2にはまったく感じられない。 
 書き手個々の話などではなく(FFXIII-2の物語の細部はとてもいいところがあるよ)、日本人、日本文化からは決して出てこない種類の物語ではないか、というのがとりあえずのまとめです。なにしろ「くどい話」だから。

**********

So I travelled, stopping ever and again, in great strides of a thousand years or more, drawn on by the mystery of the earth's fate, watching with a strange fascination the sun grow larger and duller in the westward sky, and the life of the old earth ebb away. At last, more than thirty million years hence, the huge red-hot dome of the sun had come to obscure nearly a tenth part of the darkling heavens. Then I stopped once more, for the crawling multitude of crabs had disappeared, and the red beach, save for its livid green liverworts and lichens, seemed lifeless. And now it was flecked with white. A bitter cold assailed me. Rare white flakes ever and again came eddying down. To the north-eastward, the glare of snow lay under the starlight of the sable sky and I could see an undulating crest of hillocks pinkish white. There were fringes of ice along the sea margin, with drifting masses further out; but the main expanse of that salt ocean, all bloody under the eternal sunset, was still unfrozen.

I looked about me to see if any traces of animal life remained. A certain indefinable apprehension still kept me in the saddle of the machine. But I saw nothing moving, in earth or sky or sea. The green slime on the rocks alone testified that life was not extinct. A shallow sandbank had appeared in the sea and the water had receded from the beach. I fancied I saw some black object flopping about upon this bank, but it became motionless as I looked at it, and I judged that my eye had been deceived, and that the black object was merely a rock. The stars in the sky were intensely bright and seemed to me to twinkle very little.

Suddenly I noticed that the circular westward outline of the sun had changed; that a concavity, a bay, had appeared in the curve. I saw this grow larger. For a minute perhaps I stared aghast at this blackness that was creeping over the day, and then I realized that an eclipse was beginning. Either the moon or the planet Mercury was passing across the sun's disk. Naturally, at first I took it to be the moon, but there is much to incline me to believe that what I really saw was the transit of an inner planet passing very near to the earth.

The darkness grew apace; a cold wind began to blow in freshening gusts from the east, and the showering white flakes in the air increased in number. From the edge of the sea came a ripple and whisper. Beyond these lifeless sounds the world was silent. Silent? It would be hard to convey the stillness of it. All the sounds of man, the bleating of sheep, the cries of birds, the hum of insects, the stir that makes the background of our lives - all that was over. As the darkness thickened, the eddying flakes grew more abundant, dancing before my eyes; and the cold of the air more intense. At last, one by one, swiftly, one after the other, the white peaks of the distant hills vanished into blackness. The breeze rose to a moaning wind. I saw the black central shadow of the eclipse sweeping towards me. In another moment the pale stars alone were visible. All else was rayless obscurity. The sky was absolutely black.

A horror of this great darkness came on me. The cold, that smote to my marrow, and the pain I felt in breathing, overcame me. I shivered, and a deadly nausea seized me. Then like a red-hot bow in the sky appeared the edge of the sun. I got off the machine to recover myself. I felt giddy and incapable of facing the return journey. As I stood sick and confused I saw again the moving thing upon the shoal - there was no mistake now that it was a moving thing - against the red water of the sea. It was a round thing, the size of a football perhaps, or, it may be, bigger, and tentacles trailed down from it; it seemed black against the weltering blood-red water, and it was hopping fitfully about. Then I felt I was fainting. But a terrible dread of lying helpless in that remote and awful twilight sustained me while I clambered upon the saddle.

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