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2012年2月 3日 (金)

【KoAR】サルヴァトーレ氏インタヴュー

 Kingdoms of Amalur: Reckoningの開発スタジオ、38 Studiosの「エグゼクティヴ・クリエーター・オヴ・ワールズ」、つまりリード・ライターである、R.A.サルヴァトーレ氏。日本ではやはりダークエルフ(ドラウ)のドリスト(通称ドリッズド)の物語で有名でしょうか。

 Kingdoms of Amalur: Reckoningは何年間かMMORPGとして開発されてきたが、途中からシングルプレイヤーRPGに変更され、2月7日(北米現地)発売。

 GameSpotにインタヴュー記事があったので、軽く。(面白いので軽くなくなりましたが・・・)

http://www.gamespot.com/features/creating-the-world-of-amalur-an-interview-with-ra-salvatore-6349389/ 

 ちょっと信じられなかったのは、サルちゃん、ゲーム開発に携わったのは今回が「初」なんですね。DnD関係をはじめ、スター・ウォーズ、その他オリジナル作品群、グラフィックノヴェルなどの原作、数多くのファンタジー関係の著作があるので、てっきり昔どこかでやっていたのかと思っていた。

 イニシャルのカルチャー・ショックが面白い。ゲーム開発に携わることに非常に不安を感じていたサルちゃんは、BethesdaでMorrowindやOblivionのリード・デザイナーを続けてきたケン・ロルストン氏(訳:KoARではリード・クリエイティヴ・ヴィジョナリーを担当。いや何してる役職かは私に聴かないで)と初対面する。50分間話をする間に、サルちゃんはロルストン氏の頭がどのくらいおかしいのかを把握しようと努力したのだが、最後にはそれが狂気ではなくて、彼の「人生へのとてつもない愛」、「今まで見たこともないようなレベルの好奇心」であったことに気がついたという。
 そこで不安が消し飛んだ。

 小説家としては、作品は最初から最後まで自分のものだ。だがこれだけの規模のゲーム開発のリード・ライターとして、部下のライターたちに仕事を任せるときは違う。「愛をシェア」しなければならない。(訳:どうやらサルちゃんのキーワードは、"LOVE"であるらしい)
 だが実は本能はこう叫んでいた。「違う、これは自分のものだ! お前たちなんかに渡すもんか!」 実際には自分のものではないし、目的は人々の興味をひきつけるものを創り出すことだ。

 全く新しい世界を創出するのはサルちゃんの得意とするところだが、インタラクティヴな物語の創出は難儀だったようだ。小説の場合、「英雄」を作り出すのは作家自身だ。だがゲームでは「英雄」はプレイヤーたちだ。つまりゲームのストーリーは、やがてそれ自身で勝手に回っていくように、豊潤かつ複雑であるように創り出さなければならない一方で、プレイヤーたちをストーリーに没入させるだけ柔軟でなくてはならない。

 次がこのインタヴューの主題ですが、Amalurという世界を創造するにあたり、サルちゃんはライターたちと一緒に、過去様々な時代の人類の神話、民話伝承をひもとき、文化的行動様式(文化行為、cultural behaviour)のパターンを探ったという。世界創造と破壊に関する色々な神話の物語の変遷を眺めながら、異なる世界観や風習を選り抜き、まるでパズルのピースを揃えるように並べ替えていった。

 どうして、ある文化は栄え、他の文化は滅びたのか? どうしてこちらの社会では続いたことが、あちらの社会では消えたのか? ライター・チームのメンバーにその解釈を宿題として与え、例えばこういう神話の物語が本当のことだったら、どのような世界になっていただろうかと想像するようにしむけた。本当のエルフやドワーフはどのように行動しただろう? そうやって遡って考えていき、発見した物語を解きほぐし、また再度紡ぎ直した。

 サルちゃんは、これこそが世界創造の秘密であると信じている。全ての文化はあるパターンを踏襲する。政治的、宗教的、経済的であれ、ある種のシンメトリー(symmetry 、調和)が、人類全てのそれぞれの間の、また世界との係わり合いを規定する。人間が「説明できない謎」(the inexplicable)にひきつけられるのは、このシンメトリーのせいだ。サルちゃんがビッグ・フットに興味を注いでいるのもそのせいだ。(訳:サルちゃんはネス湖のあれとか、UFOとか、ケネディー暗殺などの謎が大好きだそうだ)

「人々が陰謀説をこよなく愛する理由も、人間の脳みそが、色々なものを一緒にしてより大きな何かを創り出すようにできているからだ。どうしてそんな発想が浮かぶのかは誰にもわからないが、皆、それが真実であることを信じたいんだよ」

 もちろん結果はいつも一緒だ。実際にはビッグ・フットじゃなくて、ありえないほどでかいクマであるとか。

「最後には謎解きが行われることもわかっているが、皆ずっと注目し続けるんだよ。人々がそうするのも、自分がファンタジー小説を書き続けるのと理由は同じだ。科学が説明できないことがある、そのことが何かしら心地いいのだ。自分自身は科学信奉者だ。経験・実証主義者だ。だが魔法、ファンタジー、そういったものは非常に根源的(primal)なものだ。不合理なまでに説明不能なこと、皆それがあると気持ちいいんだよ」(訳:サルちゃんは数学専攻であった)

 あとはトールキンからはじまったサルちゃんのファンタジー人生、そしてファンタジーというジャンルの隆盛は主に女性読者のおかげであることなどのお話。

 「80年代後半に自分のサイン会をのぞいたとしたら、そこにいるのは195/200の確率でティーンエージャーの男子。今や、フリート・ウッドマックのコンサート会場のようになっている。母親、父親、祖父母、中年男女、あらゆる年齢の子供たち。ファンタジーは人気を得たね」  

 女性読者層の広がりによって、もう、いつも同じ幽閉された美女(damsel-in-distress)の物語は通用しなくなった。読者はより強い女性像、女主人公を求めるようになった。

「まあ、書き手たちはそれを強要されてきたようなもんだけど、悪いことじゃないよね」

 成長時の苦悩はゲーム産業とも広い範囲で共有している。「主流」の座についたとみなされることにより、両者のアート様式は適応と進化を迫られ、過去に築き上げてきた行動様式を捨て去り、再構築しなくてはならなくなるし、より多様な読者層(demography)の望みに応じられるように尽力しなければならなくなる。サルちゃんのような作家にとって、今後ストーリーを語る場としてヴィデオゲームはますます重要になっていくだろう。

「ゲームにおけるライターの役割は今後ますます高まると思うよ。BioWareのSWTORをご覧よ。物語がゲームの最も重要な部分を占めていることを見せてくれている。あのゲームをプレイした者で、あそこには間違いなくドラマチックな物語の進行があることを否定する者などいないし、いまやテクノロジーのおかげで開発者ができることは以前よりもはるかに広がっているわけだから」

**********

 なお、ケン・ラルストン氏がどのように誤解されているか。このヴィデオが足しになるかも(笑)。

http://www.gamespot.com/kingdoms-of-amalur-reckoning/videos/ken-rolston-techno-funtimes-6349393/

 

 もし英語に自信があるなら・・・。そしてラルストン氏の話に長時間付き合う自信があるなら、こちら。警告はしましたからねっ。

http://www.gamespot.com/news/messaging-a-problem-for-kingdoms-of-amalur-rolston-6348566

 もう最初で笑っちまうぜ。the elevator pitchとは、とっても時間のない重役などの相手がエレヴェーターに乗っている間だけの時間を拝借して、部下がビジネスなどの要点をかいつまんで説明すること。それを最初に要求されたリード・コンバット・デザイナー(クアダラ氏)が「今まで誰も見たこともない優れたコンバット・システムを持ち込んだオープンワールド・アクションRPGです」とほんとに手短かに答えると、いきなりラルストン氏のつっこみ。
「エレヴェーター、みじかっ!」(笑)

司会者「ケン、これはRPGなんですか。それともアクションRPG? そのミックス?」
ロルストン氏「完璧に良い質問だね。そして物事を伝達するのはいつも大問題だ。これはRPGだよ。だってそうじゃなかったら、ぼくは殺されているから!」

 いかん(笑)。これ全部訳したくなりそう。我慢しよう。

**********

 世界創造のお話。こういう力押しのパワープレイこそ、まさに科学信奉者的な発想ではないでしょうか。
 JRPG、この分野でも負けて行くんじゃないかと心配になるねえ。
 FFのあのわけわかんない、それこそサルちゃんが最初ラルストン氏を誤解したように、作者の頭がどれだけおかしいか知りたくなるような世界じゃ勝負にならないんじゃないのか。日本だけでは通用する、ならまだいいんだけど、日本人が意味わかんねえって言ってるんだもの。

 過去私は、元大リーグ投手でMVPも経験した38 Studiosオーナーのカート・シリング氏(38は現役時代の背番号ですね)、DnDライターのサルバトーレ氏、元Bethesdaのデザイナーであったラルストン氏、「スポーン」などで有名なコミック作家のトッド・マクファーレン氏が結集したオールスター・チームを揶揄して「そんなビッグ・ネーム集めて、ほんとにゲーム作れんの? 船頭多くしてなんとかじゃないの?」と書いていた。英語だと"too many cooks in the kitchen"と言うんだって。やっぱGameSpotも危惧はしていたようだ。

 さあて、土下座の準備だ! 発売が待ち遠しい(日本でちゃんとプレイさせてくれるのかな)。

 良質のRPGが遊べるなら、おでこがすりへるまでなんぼでも土下座しますよ。

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