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2012年2月22日 (水)

でぃすトピア(戦術的撤退)

 いただいたコメントにこう返してみて、はたと気がついた。

「facebookやGoogleの暴露社会あるいは対極で故ジョブズの位牌持ちたちが実現しそうな管理社会(両者完全に一緒ですが)のディストピア・・・・」

 「両者完全に一緒ですが」は間違いないんだが、なんでだっけ?

 まず意を決して書いてみたが、いつまでたっても着地点が見えないので、とりあえず一回撤退。戦術的撤退。
 「飛び降りてみなきゃ、自分が飛べるかどうかなんてわかりゃせんからの!」(京田さんの声で) 

 まあ、書きたいことはこうでした。

 facebook、Google              MS、故ジョブズ(の位牌持ち)、Sonyなどなど

 暴露主義、暴露社会             管理主義、管理社会

 多文化主義(multiculturalism)       原理主義(fundamentalism)

 そして正義論で言えば

 リヴァタリアン(リヴェラリアン?)     コミュニタリアン?(ここが自信ないところ)

 ※言っとくけど、ジョブズは仏教徒だったので、「位牌持ち」はあってるからね。

 DA2、Star Wars、New Vegasで言えば

 メイジ、共和制、NCR            チャントリー教会、帝国、シーザー  

 まだ生煮えなんで、違うだろ!というご意見あるだろうが、こう対置してみる。ここまでは誰でもできる。

 「どっちもディストピアである」と言わないといけないんですよね。これは言えなくもないね。でもその上で「どっちも完全に一緒」まで言えないといけない。
 さらに言えば、話題にしたくないと言っていた(だから死ぬほど話題にしたい)あの話題が絡んでくる。それは、たぶん「正義と愛」の話。これはまた軸が違う。

 その上で、「Valve/Steamはどちらでもない」と言えればいい。どちらでもないけど、実は他すべてと一緒なんだろうけどなあ。
 
 あなたが言ってることはおかしくない? 全てディストピアに行くって話になるよ?

 そうなんですよね・・・。でも不可避(イネヴィタブル)だとは言っていない。そうなのかどうかわからない。「ディストピアでよし」という発想をいただいて気がついたんですが、言ってしまえば、ディストピアがレス・ワース(less worse)な状況、レッサー・イーヴィル(lesser evil)である状況が前提なんですよね。何か。

 真のディザスターです。これを大澤真幸氏はある定義をされた「破局」と呼んでいる。カタストロフィーのことかな。

 手掛かりはあるんですが、まとまらねえなあ。

 ディザスターというと、どうしてもまず3.11を想起するでしょう。大澤氏の受け売りですが、実はかつては、こうした「破局」、とても人間の手に負えない類のディザスターを目の当たりにしたときですら、人間の尊厳や、あるいは不屈、勇気、犠牲などの美徳が目撃されると考えられていた。そして確かに現に目撃された。

 いや、むしろ日常どんなに不屈とか勇気とか言っても(せいぜいサッカー、ベースボール、フィギュアスケートの世界の話で)あまり意味はないが、そういう絶望的なときにこそ、本当の意味の尊厳が目撃されるという考えが根底にあった。

 裏返せば、そういう人間の尊厳が最後まで間違いなく保たれるはずだ、という期待があった。人間は自然状態ではどーしようもないが、そこからやがて叡智を築いていくはずだという期待があった。

 皆が皆絶望時の士気チャックに失敗するわけではない。ごく少数だけでも必ず立ち上がって不屈の精神を見せ、尊厳を保つ者が現れるはずだ。

 そうした期待すらが崩壊する事態が、本当の「破局」であるのだそうだ。
 人類の尊厳が期待できない事態。預言者は皆偽りであり、救世主は不在だ。

 心配しなくても、たかがヴィデオ・ゲームごときで人類は破局を迎えない。そんなことは言っていない。

 ただしヴィデオ・ゲームが、映画や文学と同様に、ことさらアポカリプス、ハルマゲドン、ディザスター、カタストロフィーを描いてきたのは事実。まるでゲーム企画の現場が「とりあえず設定はポスト・アポカリプスね。あとはねー、うーん・・・」みたいになってんじゃねえかと疑うくらいにそうだ。
 そして、そのことですら、上の「絶望時の尊厳」説を強烈に裏打ちしているのです。だから私の勝手格付けでも「テーマは人類滅亡の回避以下のものは認めない!」となっている。もちろんしゃれで。

 かつてのカタストロフィーものの物語は、最終的には仄かな灯りであれ、そうした人類の尊厳がまだ残っている希望を醸し出して終わる。T2ですら、そう。ロメロのゾンビものですら、取敢えず脱出すれば勝ち、みたいな。復活の日なんて、そもそも復活がテーマだ。

 これが変わってきた。

 映画「バイオ・ハザード」"Resident Evil"(2002-2012)シリーズがこの先どう終わるか、終わるつもりかどうかもわからないが、あれもiteration(反復繰り返し)の世界に彷徨いこんだ物語だ。それぞれのエピソードは少しづつ違うが、ぶっちゃけ全部同じ。ゲーム由来という出自だけの問題ではないと思う。
  
 あまりご覧になった方がいないかもしれないし、デヴィッド・ボウイの実の息子というレッテルのほうが有名かもしれないダンカン・ジョーンズ監督の「月に囚われた男」"Moon"(2009)、最近上映された「8ミニッツ」"Source Code"(2011)もまたともに、iterationをモチーフにした、サイファイの、そしてディザスターに関するかなりできのよい物語だ。お暇ならDVD/BDででもどうぞ。

 「タイム」"In Time"(2012)という映画を私はまだ観ていないが、サイファイ的には「うへっ」というくらいド陳腐なテーマを、もしかしてiterationで味付けしてくれてるのではないかと期待している。それなら話は別だが、あちらの評判はそこそこ・・・。
 ただし監督は「ガタカ」"Gataka"(1997)の監督であることはともかく、「トゥルーマン・ショー」"The Truman Show"(1998)の脚本もやられてるそうだから、観てみようと思う。

 押井さんが名を馳せた映画「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(1984)がiterationの嚆矢であるという説はあまりに語られすぎてもはや陳腐化している。(iteration以外のなにものでもない)ヴィデオゲームの世界がそろそろ認知されはじめたという時代性も感じられます。

 iterationの物語は結果まで行き着かない。結末が語られない物語が語られる。なぜか。

 まず断っておかなければならないのは、ラノベ、コミック、アニメ、洋ドラもほとんどがiterationの物語であること。特に「日常」を描いているものは全部そうと言ってもいい。それらは商売上の理由もあるし、ディザスターとは対極にある「日常」の場合がほとんどだから除外しよう。上の押井さんの作品を除かない理由はわかりますよね。

 ひとつ考えられるのは偶有性、「もしかしたら結果は違ってたかも」という可能性を封殺されてしまうことへの恐れがあるから? 
 だが「終わり」への渇望もまた否定できないはずだ。物語が「どのように終わるのか」、終わりがわからない欲求不満も強いはず。

 高いビルから飛び降りようとしている自殺志願者。下で取り巻く野次馬たちはまったくの他人であっても「どうなるんだろう」とはらはら、どきどきする。警察官が思いとどまるように説得できるだろうか? 
 だがあまりに長時間警察官の説得が続くと、やがて野次馬はイライラしはじめる。「一体どうなってるんだ」と。「はやく決着をつけろ」と。決着とは何だ?!

 私はもう二度と観ないと心に誓った映画「シンドラーのリスト」"Schindler's List "(1993)でも同じことを、恐怖のマイスター、スピルバーグ監督が絶妙なやり方で見せる。
 たまたま看守の不興を勝った収容所の囚人がその場で銃殺されそうになるが、看守の将校のルガー拳銃がジャムって弾丸が出ない。目の前に囚人を坐らせたまま拳銃を長い間いじくりまわすが直らない。隣の兵士の拳銃を借りて撃とうとするがこれも出ない。
 観客は、最初はらはらどきどきしているが、やがてイライラした感情を抱き始める。以下、上と同じ。

 もしこの映画をご覧になって、このシーンを覚えているなら、(そしてあなたはユダヤ人ではないと思うが)そういう感情を抱いてないと自分で言えるかどうか、自問してみるとよい。スピルバーグがあまりに上手すぎて腹が立つほどだが、ユダヤ人の出自を持つ彼自身、この映画は全編ありえないほど腹を立てながら撮影していたそうである。

 このように、普通の人間は、宙ぶらりんな状態をそんなに長く我慢できるわけではない。

 答えは、その先に待つ結果が、予めすでにわかっているからではないのだろうか?

 どんな結果が待っているか。わかっている結果をなぜ敢えて見ないのか。言うまでもありません。

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