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2012年3月23日 (金)

【ME3】エンディング問題への反応

 BioShockの開発者として知られるKen Levine氏が、Mass Effect 3のコントラヴァーシーに心を痛めている。

http://www.gamespot.com/news/bioshock-creator-saddened-by-mass-effect-3-controversy-6367350

 この問題について、今のところ私が一番共感できる考え方である。

"I think this whole thing is making me a little bit sad because I don't think anyone would get what they wanted if that happened."

 BioWareサイドもファンも誰も得をしない。

 Ken Levine氏曰く、BioWareがエンディングを書き直しても、ファンが実際書いたわけでもないエンディングなので結局納得を得られない。
 私なりに補足すると、開発者たちが別のエンディングを用意するのであれば、それは彼らが「完成のため力を使い果たさなかった、ベストを尽くさなかった」ことになってしまう恐れがある。

 映画監督が、興行的な要請で作品を渋々圧縮し、後にディレクターズ・カットを発表するのとは違う(今では、ディレクターズ・カットまで興行的な要請の産物になっちゃったかもしれないけど)。

 BioWare-Mythic のPaul Barnett氏は、ハリポタの作者ローリングは自著を完全に自分のものとして書くことができたという例をあげ、アートワークの作者は作品に対する完全な自由を享受できるべきだと主張。

"If computer games are art then I fully endorse the author of the artwork to have a statement about what they believe should happen," Barnett said. "Just as J.K. Rowling can end her books and say that is the end of Harry Potter. I don't think she should be forced to make another one."

 私はこの考えには、ちょっと与することができなくなっていることはすでに書きました。ハリポタほどの著名な作品になってしまえば、同じようなコントラバーシーに見舞われる危険は十分にありました。あのエンディングが、「もっぱら期待された範囲、あるいは許容される範囲内であった」だけかもしれない。

 むしろあのシリーズを書くにあたって「具体的な死」を描く衝動に取り付かれていたと告白したはずのローリング氏が、あのようなエンディングで済ませたことがオドロキなのかもしれない。あれは実際にはもう作者の手を離れてしまっていたと考えたらどうか(つまり、あれだけの共感を得てしまった登場人物はもう作者でも殺せなくなった)。 

 それでも、ローリング氏が「やっぱ気が変わったわ」と一旦完成させた作品を今後勝手に書き直す自由はもう奪われているんじゃないか、というだけであり、「ファンの受けが悪かったから書き直す」ってのは確かにどうなんだろうとは思います。

 次はGameSpotのエディターたちがこの問題に色々自由に発言する企画。

http://www.gamespot.com/features/who-wins-when-mass-effect-3s-ending-changes-6367380/

 ME3のレヴュアーでもあったGameSpotのKevin VanOrd氏は、あのベートーヴェンですら、観客の不満を理由の一部として自作Fidelio及びその overturesを創り直した例をあげ、他にも大変数多くの作家(小説家、作曲家、脚本家、映画制作者)たちが創造的ヴィジョンの修正を行なっていると指摘している。

"I'm reminded of Beethoven, who made extensive revisions to Fidelio (and its overtures), in part based on audience disapproval."

"[Still,] Bioware has joined a long line of novelists, composers, playwrights and filmmakers who have adjusted their creative visions. "

 まとめると、開発者や批評家方面は、「アーティストの創造性に対する重大な侵犯」に対して疑いや不安、嫌悪を抱いているような感じです。
 ヴィデオゲームがはたしてアートかどうかというところは、大いに議論を呼ぶべきだと思いますけど。

 BioWareの常套句、「ファンのフィードバックを謙虚に聞く」といういかにも素晴らしい態度だと思われたことが、これだけの危険を孕んでいることに皆気がついた、あるいは気がついていた危険が本当に実現したということなんでしょう。

 99%問題や「正義」の問題、ここでも何度も取り上げた中庸・平均的解決策の欠如が招く二極分化の問題、昨今話題のいろいろな問題に通底するのでしょうが、それを解明するのは、こんなブログの役目ではありません。

 ただムジカ博士がレターの中で何度か繰り返していた「(開発者たちの創造したものの)芸術性とファンのフィードバック(が要請している納得できる結末・説明)の適切なバランス」の実現は無理でしょうね。
 Ken Levine氏は直感的に「そりゃ無理だよ」ということに気がつき、それを語っているのでしょう。

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