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2012年3月26日 (月)

ローカライゼーション事情

 わりと好きな国際ネタ。

 筆者はGameSpotエディター、カナダ生まれだが「合衆国以外の二つの国籍(パスポート)を有する人物」という。基本、アメリカ人は国際ネタ無関心だからさもありなんですが。

http://www.gamespot.com/features/the-trials-and-tribulations-of-localization-6365993/

 内容からゲスすると、トルコのお話が多いのでそちらにも造詣の詳しい人かもしれない。

 記事はヴィデオゲーム史におけるローカライゼーションの話題ですが、日本語と英語のふたつがドメインだった時代(ファミコンが中興の祖だった時代)からはじまり、それ以前の英語ドメインの時代は触れられていない。

  かつては二つの言語だけがあった。日本語と英語。「クロノクロス」ほどの古典的名作であっても、欧州で英語を用いない人たち(訳:まあ、厳密には日本語を用いない人たちも含まれるがその数推して知るべし・・・)が触れることはできなかった。

 昨今では、同一タイトルが北米(注)、欧州、日本の間でタイムラグなしにリリースされることが多くなってきた。

(注)北米。ってなんだよそれ、カナダとアメリカ合衆国ではなぜいけないのか?とずっと思っていたが。
 世界の地域を言い表すこういうお手軽な呼び方、この後も出てくる中南米、中近東、もっというとアジア。こういう言い方は誤解を招き、まるで区別が実在するかのように考えるとステロタイプ発想を助長するのでよくないんだが、意味が通じなくなるのでしゃあないね。筆者には地域によって決め付ける発想は決してないはずだし、私もありません。
 知らない人がいるとあれなんで言っておきますが、英語のnear east、middle east、far east。近東、中東、極東。欧州から見た視点です。

(訳:筆者も"digging into untapped markets that are eager to spend money."と触れているように、ゲーム市場の成長率の地域差とそれに伴う占有率が以前とは圧倒的に違ってきたことが多言語化の一つの理由です。
 売上高金額換算で日本の場合は成長率一桁を下回り、全世界占有率でももはや十パーセントに満たない。中南米、東欧などが極端に成長してきており、やがて占有率も無視できない規模になるのはずっと前から予見されていた。この記事によれば、後述のとおり次の注目市場は中近東であるそうだ。もちろん、この場合の話題はコンソール・PCゲーム市場に限っている)

 今では、EFIGS (English、French、Italian、German、Spanish)が選択できるのが普通である。ただ「プリペル」の言語にHungarianがあるのにGreekがないとか、使用言語の決定プロセスはまだ曖昧なまま。 ブラジル人たちがフェイスブックでBioWareゲームが欲しいという声を高めれば、次回はPortugueseが加わるかもしれない。  

 この分野ではSonyがさきがけであり、自社ブランドゲームでは15もの言語をカヴァーしていた。欧州でPS3が圧倒的に人気なのもそれが一因である。MSもまけじと、Kinectで六つの言語をサポートし、文化的に大きく差異のあるゼスチャー(ボディ・ランゲッジ)もとりこんだ。

 トルコ(ターキー)、イランを含むアラブ諸国が次の注目市場と考えるのは当然である。だがSony、Epic Games、Ubisoftなど一部を除いて動きはまだ遅い。PSN、XLIVE、Steamとも偽アドレスを用いなければアクセスできないのもある。

 トルコ人は欧州とアジアの架け橋という面白い立場にある。フェイスブックのユーザー数は世界第三位だ(訳:はじめて知った)。
 半島国製(訳:下らない連中の検索にひっかからないよう、このブログでは常にこう表記します。どこかわからない人は読まなくてよし)オンライン・ゲームは(本国でこけた後)、アメリカでリリースされたが、言語は英語しかなかったのにもかかわらず、(アメリカ人ではなく)トルコ人がプレイヤーの太宗を占める事態となり、やがてトルコ本国で一時発禁となった。発禁解除になってからもゲーマーは増え続け、ついに開発者サイドのトルコ語ローカライゼーションを招くことになり、他のゲームのローカライゼーションにも足がかりをつけた。

 トルコ人はクレジット・カードを用いずにF2Pゲームから収益を上げる画期的な手段も発見している。トルコ人兄弟が作ったCrytekでは二作目にトルコ語サポートがあるし、将来の全てのゲームもそうするつもりだ。この6千万人の人口を擁する国が、これからも重要な地位を占めると考えるのが妥当だろう。

 各社ともローカライゼーションを効果的・効率的に行えるように開発ツールを用意しているが業界標準化はされていない。欧米企業が先行して、スクエニなとの日本企業が後塵を拝している。Ubisoftが10言語を同時リリースしているのに対し、スクエニのFFXIII-2は北米で日本から一ヶ月遅れ、欧州でそれ以上遅れた。

 Crytekの場合多言語対応とすることで、開発プロセス自体の変更を余儀なくされた。DVDの容量制限まで問題となった。その学習プロセスは痛みを伴うものだったが、次回作ではより良く実装されるだろう。

 スクエニやUbisoftなどメジャーな開発者の間でも多言語対応に伴って深刻な見直しを余儀なくされている。ただその艱難辛苦とお互いの失敗から学びあう姿勢からは、単純により良い将来が担保されていると考えるべきだろう。

 ローカライゼーションが開発期間と予算の残余を捻出して行なわれていた20年前とは色々変わった。かつて日本製のスーファミ(Super Nintendo )、メガドラ(Sega Genesis )を遊んだ者たちは、翻訳のせいで内容がいかに異なるものになってしまったかに気がついて驚くだろう。当時のローカライゼーション・翻訳関係者によれば、16ビット時代にはたくさんの名作が作り出されたが、良質な部分が強引に削ぎ落とされたのも事実だという。

 カートリッジの容量制限によって内容を圧縮しなければいけない事態もあった。多くの作品の原作日本語のセリフはROMの容量にあわせできるだけ削ぎ落とされた。物語に本当に大事なインパクトを与えるように開発者が意図していたセリフは、極めて単純な応対であるかのように翻訳されてしまったのだ。

 もちろん、開発企業がローカライゼーションの役割を十分に果たせない者しか雇わなければ、あの悪名高い"All your base are belong to us."のときのような悲喜劇を産んでしまう。(訳:後述します)

 将来的には字幕を出すだけで済む話ではなくなってくる。多言語の翻訳吹き替えが普通になるからだ。
 BlizzardのStarcraft IIの吹き替えはいくつかの言語をサポートしているが、小さなニュースなどを含めテキストはすべてローカライズされる。当初版のツールでサポートしていなかったロシア語や大陸国・台湾語などの言語を対応する手間(翻訳する、ローマ字化する、キャラクターの唇の動きと整合させるなど)は大変な作業であった。

 Blizzardのようなメガ企業だから可能であって、誰でもできるわけではない。そうなると外部にローカライズを専門に言語サポート(音声、画像)を受託する企業が生まれると考えても不思議はない。そうなるのはしばらく先の話とはいえ、もはや一つの言語だけのゲームを生み出して済む時代でもない。世界中の多くの者が英語を用いているとしても、そうでない者たちがゲームの素晴らしい体験をすることはできないというわけじゃないのだから。

**********

 ニ三つっこみたいところがあるが、基調としてアグリーです。あと、「お前の翻訳がダメじゃん」はいいっこなし。超短時間で雑にやったから。気に入らないなら原文を読んでくれ。

 "All your base are belong to us."は、あちらでは有名な「ダメ英語」ネタ。

 もちろん、あえて断る必要もないくらいですが、やらかしたのは間違いなく日本人です。

 こんな短文に文法的誤りがわけわからんくらい多数あり、かつ、元の本当の意味(それはWikiればすぐわかる)がまったく通じていないという、見事な和製英語?

 つうかね、あたしゃこういう類のゲーム翻訳(ヴィデオゲームに限らない)と付き合ってきたわけよ、長い間ずーーーっと。

 いい加減キレると思わない?

 ゲームの送り手が多言語対応するというのは上の例を見なくても、メチャクチャ大変なのは想像がつきますよね。文中CrytekのCrysis(FPSですね)の吹き替えは一言語あたり4、5時間かかると書いてある。RPGであるDragon Age 2日本語版の翻訳シナリオは電話帳五冊分だという・・・。使う声優の数もFPSなどより段違いに多い。Skyrimの原文セリフのワード数はDA2よりさらに多かったそうだ。 

 日本サイドからの発信がダメダメな理由については、「お前ら(日本人)のゲーム全部クソ」という面白い話もあるのだが、それは時間がないので別の機会に。

 ま、これ読めばわかるか。

 http://www.4gamer.net/games/036/G003691/20120312053/

 事実関係は参考になりますが、この筆者の最後のまとめの意見には一切賛同していませんが。日本の場合は政府が関与・介入した時点でその産業の衰退は確定する。エルピーダ・メモリーを見よ。

 だが、「お前らのゲーム全部クソ」と言われるのが事実ではないとして、「もっぱらクソ」と思われてしまう理由のひとつは「洋ゲーに触れさせない、触れていない開発者が作る」という井の中の蛙、「金魚ばち」セオリーもあると思う。ま、ここは議論を呼ぶところなのでまたにしましょうか。これについては「なんで欧米にあわせにゃいかんのか!」というもっともな反論はあるが、実は論点はそこじゃない。もっと重大。

 こちらの興味・心配は直接的にはそこではなくて(だって日本語のゲームは日本語で遊ぶから!)、「これからも洋ゲーをちゃんと日本語に翻訳するんだろうな?」というところにある。これはテクニカリーには決して難しい話ではないはずだ。気合の入った翻訳者が何人かいればいい。

 まるでできてねえなあ、と思ってたけど最近少し希望の灯火は見えてきました。

 日本人は、そういう苦労の産物を誰も買わないから腹立つけど(笑)。

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