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2012年3月15日 (木)

【ME3】ヘイターはヘイトする。

 いっぺんクリアするまで、その手の記事はあまり見ないようにしているのですが、Mass Effect 3も、メタクリティックのゲーマー・スコアでヘイトくらっているいう話。

http://www.gamespot.com/features/why-do-you-hate-mass-effect-3-6365175/

 こんなものをまじめに相手しないといけないところがGameSpotも大したサイトではない証拠。

 この問題、すべて一言で斬り捨てることも可能です。
 消費者(私たちね)に選択の自由などないんです。選択できるのは次の行動だけなんです。

 「買う」(take)/「買わない」(leave) 

 お客様は神様? 「買う」か「買わない」しか意思表示ができないのに神様?

 以前IGNがこの問題を取り上げた記事で紹介したように、世の中は、「大好き」、「いる」(10点)か「大嫌い」、「いらない」(1点または0点)しか意味を持ち得ない社会(それこそが消費社会に他なりません)となっているので、いまや「平均点」なんつうものがそもそも意味がない。それなのに後生大事に(つうかただ単に楽だから)10点満点法なんて用いてるから、こんなことがずっと繰り返される。

 だいたい当初出荷で350万本、今ではそれ以上売れているはずのMass Effect 3のユーザー評価が1000人で決まるわけがない。統計的に正しくサンプリングされてるわけでもないどころか、こんなメタクリテックみたいなところで頑張っているド暇人であるので、基本仕事もなければ頭も悪いダメ人間を選りすぐったサンプルだ。

 メタクリティックで大騒ぎになるというのは、今ではむしろビッグ・パブリッシャーのビッグ・タイトルであることの代名詞になってしまっている。

 「大企業は大企業であるが故に嫌われる」ことについては、GameSpotのケヴィンも触れていますが、上の記事は概ねゲーマーに迎合しているような気がする。やはり商業サイトはゲーマーにも媚を売らないといけない。そうでないとケヴィン自体がヘイトくらって、ド暇な失業者になってしまう。資本主義社会のわびしさを感じさせますなあ。

 なにひとつ面白くはないのですが、Mass Effect 3はなぜヘイトをくらっているかの理由をあげているので見てみよう。 

1.ホモセクシャル
 

 この問題は、あんまり日本人にピンとこないかもしれない。元からタブーじゃないから。
(タブーじゃないからこそ、逆に深刻になる話もあることを理解できないほどバカではない)

 クリスチャニティー社会(とも限らないが)の「伝統的」価値観からしたら、特にME3は、「やり過ぎ」という批判があってもおかしくはないかな、という感じがするくらい丁寧に描いてある。踏み込んできた感じ。

 あちらには、さらに加えて人種問題がある。いくらえらそうに取り繕ったところで、アメリカも(カナダも)人種差別国家であることに変わりない。

 ところがケヴィンが言うように、男性同士の関係はダメだが、女性同士は比較的許容されているなど、ヘイターの「主張」?は相当いい加減な立場に立脚しているようだ。

 これも「大嫌い」/「大好き」の二極分化の世界である。今の世の中、「認める」/「認めない」のどちらかしかない世界になっているのだ。そして多くの場合は「認めない」という声だけが実際に発せられている。

2.DLC販売

 本編と同時にリリースされた"From Ashes"はすでにプレイスルーの記事にしましたが、確かにどーでもいい、しょーもないDLCであった。ザイードDLCのほうが少しはマシだったかな。

 だが問題は、PC版のディスクにすでにそのDLC用のコンテンツが一部含まれていたこと。
 BioWare/EAは、すでに本編と一体的に作られていたものを、わざわざDLCとして切り出したのではないか、という疑惑である。

 冒頭に書いたように「買う」/「買わない」しか選択肢のない消費者には、作り手・送り手から何をされても実はどうしようもない。抵抗するには「買わない」しかないんだからな。

 さらに言えば、このDLCは新品を買ったらもれなくついて来る。よって、本編は買ったけどこのDLCは気に食わないから「いらない」という選択肢自体がない。強制的に「受け取らざるを得ない」。
 たぶん、DLC問題の本質はそこにあるんだと思う。

 そうして、もちろんGameStop(ゲームストップ、こっちはリテール・リセール・レンタルのゲーム販売チェーン)もGameSpot(ゲームスポット、ゲームサイト)の大事な広告主様ですから、BioWare/EAのDLCマーケティングが、リセール(中古)やレンタルつぶしである事実には口をつぐまざるを得ないという、いやらしい大人の事情がある。

**********

 ここの読者の方には常識でしょうが、飛び込みの人がいるかもしれないので簡単に触れておくと、本編同時発売のDLCコンテンツというのは、基本は「新品」を買ったときしか手に入らない。リセール(中古)品やレンタル品のゲームでは遊べないのです。
 

 目的はただひとつ。作り手が一番儲かる「新品」販売を伸ばすための、リセール(中古)、レンタルつぶし。

 本編同時発売のDLCがついていない「新品」以外のゲームは「欠陥品」、「パーツ不足」という見方もできるので、ゲーマーはみな「新品」を買うと売り手は踏んでいるわけですね。
 ところがDLCコンテンツがただの「オプション」であると考えれば、リセールでもレンタルでも支障なく遊べてしまうので問題ない。 

**********

 ケヴィンは、PCユーザーの場合はEAのOriginに登録することが必須となった点も問題であるとして、ValveのSteamに媚を売っているが、私からいわせりゃ、邪悪の程度が違うだけで、んなものは一緒。Originが"corporate greed"というなら、なぜSteamはそうでないか、言え。
 ただヘイターが騒いでいる原因であるのは否定できない。

3.BioWareの変節 

 原文では"The Abandonment of BioWare's Prior Creative Direction"、「過去の創造的方向性の放棄」ですが、私が心配しているのは、たぶんこれだけ。

 BioWareで言えば、Dragon Age IIがマス・マーケット向け、コンソール向けに舵をきった(そして、あまり効果が出ていなかった)問題が端緒。

 Mass Effect 3には、ケヴィンが記事を書いているGameSpotのアーチライヴァルであるIGN側の専属DJ、ジェシカ・チョボットが、ジャーナリストのNPCとしてほぼ本人の姿で登場する。
 GameSpot/IGNと関係のない私からしても、「おたく、なにしてんの?」と言いたくなるくらい「いらない」コンテンツであり、ただのマーケティング上の仕掛けに感じてしまうのは間違いない。 

 マルチプレイは私にとって100%「いらない」ものだが、そんなもんを作る労力をDLCにかけたら、あんなしょ-もないものじゃないものが作れたのではないかという期待はもちろんある。
 Skyrimについてはトッド・ハワードが「シングルプレイの開発が手薄になるからマルチプレイ導入は断念した」と述べていたが、ME3のケーシー・ハドソンには、残念ながらそこまでの行動の自由は許されなかったようだ。

 ケヴィンによれば、これらの傾向はBioWareに限る話ではなく、あのWoW、Call of Dutyを含めて、ゲームすべてがhomogenization、均一化・均質化していく事態に見舞われているという。これは同感である。

 この傾向は、私がこの記事の最初から主張している「好き」/「嫌い」の二極分化と合致していないかのように感じられるだろうか。実はまったく同じ問題なのである。
 

 買う側、受け手が「好き」/「嫌い」のどちらかしか選べない、選択の自由がないのに対し、売る側、作り手には「売る」ことしかできない。つまり「売らない」という自由がない。

 売り手は、「好き」/「嫌い」に完全に二極分化した買い手(消費者)の「全員に売りつける」という驚愕すべき命題を解くしかない。答え。「誰からも好かれず、誰からも嫌われず」。WoW、CoD。

 ロックスターのGTA-Vなどがなんら事前情報を出さないのに対して、ME3はさまざまな情報を出しすぎる。この最後の点についてもケヴィンと同意見だ。
 一時期は秘密主義の権化とまでいわれたBioWareが、これでもかというくらい事前情報をぶん投げるようになってしまった。
 DA2などはリード・デザイナーのマイク・レイドロウ氏が必要以上にそれをやった(EAからやるようにいわれた)せいで、必要以上にヘイトをくったと私は信じている。デザイナーがぺらぺらしゃべるとそれは皆「なぜこうしなくちゃならなかったかの言い訳」になる。我々が一番聞きたくないのがそれだ。 

 ただケヴィンが全体を通じて言っていること、「自分はゲーマーのほうを信じる」、「立ち上がれ、叫べインターネットよ」と言っていることについては、まったく賛同しません。

 私は、ゲーマーがどうしても信用できない。

 広い意味で消費者のことが信用できない、かな?

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コメント

 こと嗜好品に関しては、消費者の言うことを聞いちゃ駄目でしょう。まさしく「好きか、嫌いか」でしか無いわけですから。あと嫌いな連中は声がでかい(笑)。満足していたら別にわざわざ声を上げようとは思いません。
 万人に受ける物を狙うか、ニッチな1/100しか買わない(けどゼッタイ買うしDLCも買うしマルチだってやっちゃう)物を狙うか。

 前者を狙うとBioWareのせっかくの良い所、例えばスパイスの利いた会話とか過去からの継続性とか、もちろんロマンスもそうですが、駄目になってしまいそうでちょっとだけ心配です。

 Mass Effect 3のせりふの妙はぜんぜん落ちていないというか、絶好調なんですけどねー。ロマンスもかなーりなメロドラマ。DA2のヴィクトリア朝のノリとも違うんで、それはそれでいいんですが。

 でもME3ではディシジョンを全部ゲーム任せにするセッティングまで用意しちゃったわけですからねー。
 
 ME3は350万本出荷したそうで、まだシナリオ重視のファンがかなりいると考えられるのかもしれないのですが、心配は一緒です。

 
 
  
 

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