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2012年3月25日 (日)

【DA2】勝利の懐疑主義?

 私自身はサイファイ(SF)おたくでした。ファンタジーは実際読んだことがあるものは少ない(し、サイファイも書く作者が書いたものが多い)。 

 そしてウォー・ゲーマー(ボードゲーマー)あがりですから、ミリタリーSFも嫌いではない。SFという中では非常にニッチなジャンルですけど。
 ちなみにミリタリーSFとスペオペ(スペースオペラ)は違います。排他の関係でもないけど、どちらかがどちらかを包含しているわけでもない。

 Mass Effectはスペースオペラと見ることもできるが形式的にミリタリーSF。シェパードは軍人だし! 特殊任務、地上戦・艦隊戦、外交・政治などなど軍事に密接に関係するテーマが中心となる。

 スター・トレックはスペースオペラと呼ばれることはまずないけど、形式的にミリタリーSF。既知・未知関わらず異世界との交流・探索(exploration)が中心ですが、かつて海軍の巡洋艦(クルーザー)つうのは、まさにそれがお仕事だったのだ。ただし「奴隷召集」と「資源略奪」はさすがに物語には登場しなくなった。実際にはやってたけどねー。

 スターウォーズはスペースオペラの代名詞になったが、ミリタリーSFとは呼ばれない。 

 Mass Effect一作目には探索のニュアンスも色濃くありましたが、やはりミリタリーSFの味わいが強かった。随分チャレンジングなことやるよなと思ったが、今思えばヴィデオ・ゲームに向いていたんでしょう。

 なのにもかかわらず、Dragon AgeとMass Effectを比較したとき、私のコミットメント具合は前者のほうにかなり寄っている。数量化はなかなかできませんけど、プレイ時間とか周回から考えて二対一くらいかな。もちろん、それ以外のタイトルに比べればこのふたつのシリーズへのコミットメント具合は指数関数的にでかいけどね。 

 今回のME3のエンディング騒ぎを無邪気に喜んでいる自分を見ていると、やっぱデタッチメントしてる、一歩引いて引き気味で話題を楽しんでいるなあと思う。後ノリ・グルーヴ系。フィール・ソー・グーッド!(笑)

 対してDragon Age 2のデザイナー・ライターが受けたヘイトの嵐とか、最近のエキスパンション開発中止のニュースに向き合っている自分を見ていると、(ヘイターどもに対する)どすぐろい憎悪と怨念がまず前面にある。前ノリ・ジャスト系ヘビメタのノリ。キル・ゼム・オール!

 不思議なものです。ジャンルとしては完璧にSF/ミリタリー系を志向しているのに、作品としては「ド」がつくくらいのファンタジーのほうにコミットしているわけですから。

 前置きが長い。

 Dragon Age 2に関する一切の開発をやめたニュースには触れましたが、補足すると、プロデューサーのダラー氏は、「開発中止されたエキスパンション・パックの『エグザルテド・マーチ』に取り込むことを考えていたコンテンツの一部は、次回作に持ち込むこともある」と語っていた。エキスパンション・パックの物語が、予想通りオーレイ・チャントリーがメイジの叛乱を鎮圧する軍勢を出す話であったのなら、当然DA3(とは明言されていない)にも引き継がれる部分はあるでしょう。

 そして、ダラー氏からは「次回作の開発にあたっては、フォーラムでファンのアイデアや意見を求める場を最初から用意する」という話も出ていました。

 実際、Originsの開発開始前には、そういう場があったようだ。

 その「開発中止発表」のスレッド自体が長大なものとなったので一旦閉鎖された。ダラー氏は一週間くらいかけて内容を精査し、それから課題別にファンの意見を聴く場を用意するみたいなことを言っていた。

 すでに散発的に登場しているファン独自の「意見収集」スレッドにBioWareのスタッフや、リード・ライターのゲイダー氏が登場することもある。 

 DA2の騒動からまだくすぶっている残り火としては、「声優つき主人公」、「会話選択肢のパラフレイズ」のふたつが大きい。

 前者は、説明不要でしょう。Origins、あるいはSkyrimのように無言の主人公に戻せという要望である。The Witcherのようにゲラルトの物語ならわかるが、DAは「マイセルフ」の物語だ。マイセルフ(つまりプレイヤー自身)がしゃべらないなら主人公(アヴァター)も無言でいろという説。この根拠に意味がないわけじゃない。

 後者は、プレイヤーが選択した主人公の会話の短文(パラフレイズ)と、実際に主人公がしゃべる台詞がぜんぜん違う、しゃべるまで予想困難であるという批判。実際に主人公がしゃべる台詞を選ばせろというもの。
 Originsはその形式に近かった。パラフレイズ形式はMass EffectからDragon Ageに持ち込まれた形式である。Skyrimもパラフレイズ制だ。 

 ゲイダーさんの回答は予想されたとおりだ。前者については「変更しない。主人公には声優がつく」。エピックなシーンで周りのコンパニオンが口々に騒いでいるのに無言の主人公がそれを傍観しているだけという、Originsで散見されたような奇妙な光景は認められないという理由。

 後者についても「変更しない」。第一に長文を掲載できないGUIの制約がある。またDA2のように声優がつく(演者が実際にしゃべる)場合とOriginsのように声優がない(プレイヤーがテキストを読む)場合のライティングはまったく異なるものである。声優がつく場合、パラフレイズ方式のほうが望ましいという理由もある。 

 このふたつが、いわゆる「RPGオールドスクール派」の少数だが根強い要求であることはずっと変わっていない。そして「Originsでそうだったから」という薄弱な根拠に立脚している部分も否定できない。
 BioWareはずっと「変更しない」といい続けている。

 私自身はこの点についてはどうでもいいし、そろそろ「ど素人黙ってろ。数すくねえくせに、いつまでもうるせえな」と怒りを覚え始めている。キル・ゼ(略)。

 そんな形式なんて飾りです。むしろ、「何を選ばせてくれんじゃい」と「何か選んだら、その結果とてつもなくひどい目にあうでもいいから、その影響本当にあるんかい?」が重要。そこはBioWareだってDA2の不出来を重々反省している。

 DA2でいえば冒頭フレメスに即されてウェズリーへの対処を決める場面。
 「うへ、こんなの選ばせんのかよ・・・」という点ではロープレさせてもらってるなあ、と感じた。残念ながら選んだ結果の影響があまりないけど。 

 ただ、こういうことを繰り返しているので、予想された反応が一部ファンから出始めている。こちらのOPの意見は私自身大変共感できるものだ。

http://social.bioware.com/forum/1/topic/315/index/10453846

 まとめると「開発者がOPの意見を聴くというのはいいことだが、実際に何かが変わるなんてことはないのではないか? DA2のときだって、意見を聞くといいながら開発サイドは自己の正当性を弁護し守るだけで、なにも変えようとしなかった。今だって開発者は同じ行動パターンをとって過去作の内容を弁護・防衛しているだろう。またDA2のように失望させられるだけではないか。もし驚くほどできがよかったら撤回するけど」

 BioWare共同開発者ムジナ博士の「ファンの意見を謙虚に聞く」という態度を貫く方針。理想を追求するのはいいけど、結局できてないわけだから、私からしたら軽率としかいえない。そして「謙虚」は実は「傲慢」の裏返しで、いつでも容易に転化することはどこかに書きました。

 為政者が一番手を焼くのは「無抵抗主義」でしょう? アンサンなんとか。あれなんか実は「傲慢」の最たるもんだという見方だってあるんですよ。相手が手を出せないことを知ってるわけだから。そしてガンジーは結局ノーベル平和賞をもらえなかった。賞がもらえないからどうなどと言っているのではなく、わけわからん連中を含め賞を乱発している、直接無関係なはずの選考委員会がどうしてもあげたくない理由があったわけだ。日本では教わらないけどな。 

 ME3のエンディングDLCは、どのようなものでも決してファンの理解を得られないことが出る前からわかる。無理なことを約束しちゃいけない。またそのDLCが「正しくて」、「これ以外にない」と弁護(言い訳)が必要になる事態が続くだけだ。私はMEディレクターのケーシーの心身に影響がないかとても心配である。ほんとなら長期休暇でもとってたんだぜ?

 ムジカ博士が言うのとは裏腹に、実際の行動では開発チームを誇りに思っていないことを示しているし、かけがえがないとも思っていないといわれても反論できない。 

 DAリード・デザイナーのレイドロウ氏も「すべては変更の俎上にあがる」とか言うけど、何年かけて開発するつもりか。EAの収益考えたら最長でも2年くらいだろう。最初からすべては変えられないよ。 

 むしろゲイダーさんは「そこはできませんし、やりません」と明言しているわけで、私としてはずっと真摯な態度だと思う。 

 そして、私だってもっともだと頷けるし心配もしているOPの指摘へのゲイダーさんのコメント。

"どっちに転んでもウィン・ウィンになる懐疑主義だね。君が正しければ(次回作も思わしくなかったら)君は予言者だ。君が間違っていたら(次回作が驚くほどよかったら)君は間違いを喜んで受け入れるだろうね(ウインク)。 

 懐疑主義はいかなるものでも、不当とはいえない。我々を単純に信用していない者だっている。不快を感じてるんだから当然だろ? ゆえに実際に何かをお見せできるまで、ファンとのインタラクションはスコープに制限を受けると言っているわけだから。そのときまで、我々に「本当に信用できるのか?」と言われたって、なんの意味もない。今言えるのはDA2に関することだけであり、それは苛立たしいね。 

 そうであっても、開発陣がここに実際にフィードバックを探しに(あるいは見に)きているなら、甘言で説得して皆の人気を獲得しようとしてるのか、今我々が考えていることに関して本当に有益だからかのどっちかだね。今のところ一般的なフィードバックが続いている。もちろん昨年もたくさんあった。消化できないほどの量かもしれないが、全部を読むわけにはいかないからご心配なく。

 我々がチェックリスト、ファンが変更を望んでいる洗濯物リストを探し出そうとしていると考えている人がいるとしたら、そこはちょっとひっかかる。だとすれば、そのリストをすべて消化しなければ、我々は実際にはファンの声を明らかに聞いておらず、そもそもフィードバックを集める気も最初からさらさらないことになる。つまり、いやそのチェックリストの視点で考えるのは自由だよ・・・、だが我々がインタラクトする場合に大事なことはファンと「対話」をするということだ。対話に参加するのは、我々にとって有益だ。たとえファンの皆がアモルファス素材のような不定形なものにメンタル的に融合され、自分たちの間ですらなんら合意を形成できないという事態が訪れることがあってもそうだ。でも、だとしたら、君たちも我々と同じことをしていると思うけどね(スマイル)。"

 最初は、「まだそのページ(楽章)まで行ってねえよ!」ということで、ファンがあまりに前のめり、前ノリ過ぎることをさらっと揶揄している。

 大事なことは、「全部なんて聞いてねえよ」とはっきり言ってること。次に「不平不満の声が全部とおるわけではない」ということ。それから「対話が大事」といってること。

 メタ的には、そんな当然のことを繰り返さなければならない事態。

 お前だって十分前のめりだろうって? 

 だから前置きを書いた。

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コメント

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え~、そうなのかぁ。
学生時代、友達と神保町の某店へ買いに行った思い出があります。
ゲームはすぐ挫折しちゃったけどぉ~。
でも、そのへんの玩具屋にないものがいっぱいあって面白い。
サイコロだけでも、いろんな種類や色があったりして。

ゲイダーさんは、さすが上手いこと言いますねぇ。

BioにとってのDA2も、DAワールドを形成する1つのピースなんでしょうね。
詳細はまだであっても、DAワールドの構想や枠組みくらいはあるでしょう。
VanityさんやLaffyさんが紹介してくれる小説やコミック、映画やその他もDAワールドのピースでしょう。
具現化の意味でゲームは重要な部分を占めるにしても、全部が影響しあって、DAの世界が構築され広がっていくはずだったんじゃ…。
それがBioが選んだファンサービスだったかもしれませんし。
一部の狭い視野の人が、その流れを止めてしまった感じなのかなぁ。
ほんと目の前のこと、自分のことしか見えないのね。
「慌てる乞食はもらいが少ない」って、昔はよく言いましたよね…。
エキスパンション・パックの『エグザルテド・マーチ』の処置を残念と思う人の方が多いでしょ、ファンならば。

でも、Bioもそろそろ広報のやり方を見直ししてもいいかもなぁ。

 今でも英語ではキャラクター・メイクのことをロールする、作り直すのをリロールするといいますもんね。テーブルトップでさいころを転がすことがヴィデオゲームになっても引き継がれている。
 残念なことにキャラクター・メイク(ロール)をさせてくれる(初期の能力値をサイコロで決める)CRPGは激減してますが。DAもMEシリーズもSkyrimもThe Witcherも違う。

 TRPGだとキャラやモブ用にダイカストのミニチュアを使うのが華盛りだったし、サイコロも何種類もあってカラフルで、そのほか備品もおしゃれで凝ってましたね。コスプレだって最初はそこからはじまったわけだから(苦笑)。
 実は私はそっち方面はあまりやってないんです。はまったのは今でいうストラテジー・ゲームの分野でした。使うものは契約書みたいなルールブック、六面体サイコロいくつか、たくさんの紙のコマ、地図、鉛筆、電卓!です。今でいう、って今はもうぜんぜん廃れたけど。 
 
 ファンがどうのではなく、BioWareはEAの儲けを確保する大事な大部門になってしまったからでしょうね。ゲイダーさんは「DA2のDLCが売れていないからエキスパンションが開発中止という説は間違い」と明言してましたので、そっちは結構売れてたみたい。ただDAをよく知らない人は悪い評判のせいで買わなくなってしまうことはあると思う。

 DAのfacebookの「いいね!」が100万人ですからね・・・。コア客層の濃さは変わってないと思います。

 言われるとおり、情報の出し方は「へたくそ」の一言につきますね。そこはDiablo IIIのBlizzardなどを見習ってほしい。
 昔はほんとに絶対秘密主義だったんですが、それはDnDやスターウォーズなどライセンスものを作っていたからかなあ。
 
 「ファンの意見を聞きます、聞きます」って連呼している姿は、政治家にしか思えない。意見は十分お聞きしましたのであとは一任してください。核燃料発電再開します、増税します。
 偽善を感じる人は多いと思うな、アメリカ・カナダでもヨーロッパでも。
 
 

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