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2012年5月 5日 (土)

パナソニシャープ

 いただいたコメントの話題でひとつ書き忘れた。

 この話題って、実はどっちかってと広い意味では自分の専門分野なんで、あまり迂闊なことは書けないんですが。ま、自分の矜持として、という意味だけですけど。

 それと、世の中に数多ある、わけわからんアマチュア投資マニアのブログみたいになると悲しいけど、まあ企業ネタなんて誰が書いても似たようなものになっちゃう。ちょっと風変わりなことを書いてみよう。

 ちょうど連休中なので、ふだんはよっぽどのことがないと買わない週刊誌、「週刊文春」のゴールデン・ウィーク特集号を買っていた。活字中毒者です。

 「家電大崩壊」という、いつものセンセーショナルなタグをつけた記事が載っていた。書き手は電機メーカー出身のフリー・ジャーナリスト、元朝日記者、井上久男氏。

 パナソニック、シャープ、ソニーとも五十歳代の社長に若返りました。さて、彼らは(全員男性だが)沈没船の総員脱出を指揮するだけなのでしょうか、それとも復活はするのでしょうか、という話題。  

 こういうブログの読者はテレビなんか興味ないのかもしれないし、私も基本興味ないが、「地デジ」などといういまだになぜ必要なのか意味がよくわからない代物とか、「エコポイント」なる奇怪な補助制度とか、「家電大崩壊」なんていってみたところで、単にそういう化けの皮が剥がれただけだよね。

 記事では業績がどうの、事業展開がどうのはあまり触れられていない。新社長三人と、更迭された前任の社長の人柄などが中心の記事だ。

 きっとビジネスをちょっとかじった人たちは「ハードデーター」のないくだらない記事だと切って捨てるんだろうな。甘い。
 ハードデーターなど公開されているものはいまどき小学生でも入手可能。非公開情報など手に入らないのだから(手に入れたら大変)、論じたって意味がない。 

 敢えて誤解を招くように一言でいってしまえば、業績回復など社長(責任者)で決まる。そう前提を置いてみましょう。奇異に聞こえるかもしれないが、実はこの記事で更迭された前任者たちのことを読んでいると、何が問題かなんとなくわかってくるから不思議なのだ。もちろんジャーナリストがそう読むように誘導しているかもしれないという注意は怠らないようにしておきましょう。淡々と事実だけ記載すると。 

・シャープの前社長(交代時期は四月)は、四十歳代で抜擢された社内では稀なブランド大学卒、研究所出身のエースであった。新社長は総会前のいまは取締役ですらない。家電メーカーでは最重要部門なはずだが目立たない購買出身技術者で、社内でも目立たず堅実さが取り柄だという。

・パナソニック(交代時期は六月総会)の現社長は(そして現会長も)社内で「ご本尊」と陰口をたたかれるテレビなどAVを担当する主流事業部出身であった。新社長も直前にはその事業部を担当しているが、赤字垂れ流しの部門を立て直すため、会長肝いりの不採算工場を対象に大リストラを断行している。

・ソニーの前CEO(交代時期は四月)は触れる必要もないかもしれないが、あのストリンガー氏である(現取締役会議長)。新社長はその通訳であったため抜擢された。理由はストリンガー氏の意図がきちんと伝わる英語力だそうだ。エンタメ部門は収支均衡を果たせなかったが、ずっとストちゃん肝いりだったので社長就任は既定路線。 

 競馬風に簡単に予想すれば、再起の可能性は、パナソニック◎、シャープ△、ソニー×でしょうね。

 パナソニックの新社長はもうその手腕の片鱗を示す結果を実現している。しかも最大の障害ともいえる現会長の逆鱗に触れることなく、会長のペット・プロジェクト(ふたつのテレビ工場)を大削減するなど社内政治をとりあえず乗り越えている。

 シャープの場合は国内液晶工場の過剰投資の失敗が直撃したわけで、実は銀行団の支援なくしては立ち行かない状態となっていた。ただしドメスティックな会社なので海外進出で立ち直る可能性はまだ大きい。一番大きいのは、あれだけ頼りにしていた液晶事業と訣別すると新社長が決断したこと。

 ソニーの場合はあまりに好材料に乏しい。たかだかゲーム・エンタメでどうにもならないのは誰が考えてもわかる。ソニーのゲームの復活を祈る気持ちはわかるけど、そのためにはまずソニーそのものが復活しないといけない。

 その材料は意外と乏しい。収益部門であるはずのケミカル(ソニケミ)売却は、結構待ったなしの状況に追い込まれていることの表れだと思う。「集中と選択」とか「ものづくり回帰」などという思考停止の発想で済むような事態ではとっくになくなっているのは間違いないでしょうが、結局技術力しか頼るものがないのが辛いところ。逆転満塁ホームランが必要。一本で済むかどうかしらないけど。 

 記事でも触れられているとおり、日本企業の最大の問題ともいえる過去の経営者が居座る「院政」をなんとかしないと、日本家電全部沈没は意外と遠くないかもしれません。
 そのとき日本に残るのは東芝一社かな? (日立はもはや家電メーカーじゃないと思ってるので)

 言いたかったことは、所詮人間なんてサルの仲間です、ということでした。組織(共同体)の命運はアルファ(昔でいうボス猿、今はオスかメスかでアルファ・メイル、アルファ・フィーメイルと呼ぶそうだ)で決まる。 

 そんな予想を立てて、これからの趨勢を見ていくことにします。

**********

 おまけ。

 ソニーの場合は、あの出井の時代にすでに終わったと考えてよろしいんじゃないでしょうか。もう死んでいるんです。ストちゃんはゾンビの親分なんです。

 出井はBusinessWeekが選ぶ2004年世界最悪の経営者七人のひとりに選ばれ、翌年にはそのお追従みたいに日経ビジネスが選んだ日本最悪の経営者一位(2005年)にも堂々選ばれている。 

 出井が何をやらかしたか、ご興味のある向きはいくらでも調べるよろしね。信じるかどうかは別にしてその手のネタはどこにでも書いてあるから。たとえば、今の半島国のサムソン大攻勢も出井が後押ししたようなものという話まである。 

 実業界のダメカン、バカハトですねえ。そういう社長の選び方をする会社だから、今回も期待できません。

 平井氏はちょうど任天堂の社長、岩田さんと年も近いから、ニンテンソニーとかどうすかね。と一瞬思ったけど、ないね。ないわ。

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