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2012年6月29日 (金)

Mass Effect 3 Extended Cut 感想

 「感想」とか言っている瞬間に、それこそ私もメディアの騒ぎに乗せられやすい「B層」呼ばわりされるのは覚悟してはおるのですが。

 BioWare亡者として、出たものは全部入手し、試してみるという行動を貫いているだけなんですけどね。

 ようやくプレイできたExtended Cutについて簡単に感想を書きたいと思います。

 ただしネタバレになりますから、「続きを読む」の下。

 このExtended Cut(EC)の趣旨は、言ってしまえば次の二点に集約されるんでしょうか。

1.物語の継続性を担保した。洗脳セオリーを否定した。

 エンディングに至るまでの間、主人公シェパード以外の登場人物が取った行動をいくつか示すことによって、継続性が不足していた主人公視点以外の物語部分のつじつまを合わせた。

 「洗脳セオリー」とは、あのシタデル突入前後の出来事は実際に起きた出来事ではなく、シェパードの想像、あるいはリーパーズが押し付けた夢であったという説。その説が立脚するいくつかの「証拠」があったのですが、ECではそれがおおむね消し去られたという感じ。 

 追加部分で、ちょっと心に残ったのは、ここかなあ。

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「ジョーカー、これ以上は無理よ」 

 クルーシヴが起動して、ハケット提督が全軍退避を命じた直後のシーン。
 私のシェパードはアッシュ・ラヴを貫いちゃったんだよね。だから、まずこのアッシュのセリフを流すことができないんだよね。
 シェパードを救出する望みを最後の瞬間まで捨てようとしないジョーカーを説得するのは、やはりロマンス相手の役目なのでしょうか?
 

 そして、Mass Effect 2のあの冒頭シーンを想起すれば、このたった数秒のジョーカー登場シーンはとてつもなく重いですね。   

2.エンディングの違いを鮮明にした。新しいエンディングを追加した。

 エンディングのパターンが異なっても変化がなかった部分に、細かな違いを追加した。
 

 アフターマス(aftermath、「その後」)のナレーションを追加し、語り手もそれぞれのエンディングに対応させたキャラクター、赤(ハケット)、青(シェパード)、緑(EDI)に分けた。
 要所でシェパードが心の中に想起する人物は、オリジナルのように固定されておらず、これまでのプレイの内容に応じて(一周しかしていないので、そう予想するしかないのですが)変化する。

 また「新しい」エンディングが追加された。なお、「新しい」エンディングというのは語弊があって、これは「Null(ヌル)値」エンディングと呼ぶべきでしょう。

 シタデルで「シェパードが赤、青、緑、三つのどれも選ばなかった、選ぶことができなかった」場合のエンディングのように見えますが、実は「シェパードが元からいなかったら」、「シェパードがMass Effect三部作の長い物語のどこかでしくじって帰還できなかったら」不可避的に発生したエンディングということですかね。
(理屈上リアラ博士は生かしとかなきゃならん。傭兵の手から救っとかなきゃならんのだろうが、あれはMass Effect一作目でもクリティカル・パスだったから大丈夫だよね?) 

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 エンディングの違いを鮮明にしたっつうのはいいんだが、どのエンディングにもクローガンだけは画像、映像てんこもりってのはどうゆうこと? テューリアンなんてほとんどなかったよ?
 Dragon Age: Originsのアフターマスで、ドワーフ編の部分だけやたら長かったことに通じる気がする。 

 セリフで言えば、キャタリスト(スターチャイルド)のセリフが大幅に追加された。
 そして追加された部分では、この物語全体がシンギュラリティ(singularity、特異点)をテーマにしていることをハッキリと打ち出した。

 他の特異点と区別するためにテクノロジカル・シンギュラリティ(technological singularity、技術的特異点)とも呼ばれますが、人類の過去の技術開発の進展から未来の技術を予測することが不可能になる時点、限界がくる時点を示す用語です。その特異点は、人類が作り出した人工知性が、(その時点での)人類の知性を上回る時点であると考えられています。

 「技術的特異点」と呼び習わしたのは物理学者にしてサイファイ作家のヴァーナー・ヴィンジらですが、サイファイ的にはなんら斬新でも画期的でもない、むしろ手垢がついたテーマです。例えば映画「ターミネーター」シリーズを想起すればわかる。 

 真っ先に感じたのは、Mass Effect 3のファンたちの「サイファイ・リテラシー」はそんなに低かったのか? あるいはBioWareはファンの意識はそれほど低いとみなしていたのか? というものでした。

 あそこまでくどく意味をなぞらないと理解されない(と考えている)のであれば、オリジナルのエンディングを見て騒ぎ立てていたのは、悪い意味で(知的水準があれなという意味で)「B層」のファンでしかないではないのか。

 キャタリストのセリフにしたって、個人的には中身がビックリするようなものではなく、「そうだよな、そうしかないよな」という、オリジナルのセリフのくどい説明に過ぎなかったのです。 

 が・・・。

 今回Null値エンディングが追加され、キャタリストのセリフでリーパーズの素性と意図がしつこく説明されたことにより、今まで気がつかなかった(シンギュラリティ問題よか、ずっと新鮮で画期的な)趣きが出てきました。

 おおっと、この話はあまりにおいしいので、次の記事にしよう(笑)。

 ま、お涙ちょうだいシーンも、考えさせるシーンもいくつか増えたし、オリジナルのエンディングからはビタ一インチも動いていないし(万が一にもこれを動かしたら、BioWareのムジカ博士のことをただじゃおかないと思っていた)、2GBのコンテンツを無料でもらっといて、またしても文句言っている「B層」連中のことを無視すれば、これはこれでええんちゃうの?

 あの騒ぎさえなければ、今頃には元から予定されていたストーリーDLCが出ていたはずだ。そっちのリリース時期なんかも発表してくれたらよかったんですが。まだ影も形もないんだろうかね?  

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 オリジナルの声優の都合がつかなかったんだろうなあ、とか思っちゃうし・・・。

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 当然なんだけど、ここも三つのエンディングでそれぞれビミョーに違うんだよね。
 うーん。中身のほうじゃなくて、そんな開発スタッフの労力を考えると涙ちょちょぎれますな。

 

 

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コメント

 先日ようやくゼノブレイドをクリアしました。Mass Effectのストーリーと非常に似通った部分があって興味深かったです。

 「社長が訊く」によると、ゼノブレイドのストーリーも、任天堂の意見によって、わかりやすく修正された部分が結構あるみたいですね。ゲームのシナリオに関する話なんで面白いですよ。http://www.nintendo.co.jp/wii/interview/sx4j/vol2/index.html

 「社長が訊く」って、岩田氏? こんな企画をずっと続けていることにまず衝撃を受けました。正直これは知りませんでした。
 しかもこの企画、プレイヤーに向けているものじゃないですね・・・。作り手と、そしてなんと任天堂の社員(バイヤーなど関係者含む)に向けたものですね。それから潜在的にそこを目指す人たち(特にリクルート方面)への発信というのも重要なのかな。

 うーん。やるな任天堂(笑)。

 中身は確かに面白いですね。BioWareのRPG製作の苦労話なんかととてもよく似ている面もあります。
 ただし、テーマは「旅立ち」とか「ちっぽけな存在の少年が神と向き合う」とか言ってるし、やっぱりデザイナーは言語レベルの表現になると陳腐なんだなあ。以前も書いたけどそれでまったく問題ない、ゲームは文章だけで表現するわけじゃないから。(例えば冒頭のジオラマを言語だけでは表現できませんよね・・・。できないからジオラマを必要としたんでしょう)

 デザイナーとライターの間の「キャッチボール」の話が特に面白かった。文中にもちらっと登場する任天堂の宮本茂氏のボールは、捕れるキャッチャーがなかなかいない、って話にも通じてますね。

 でもWiiまで手は広げられないんですよね・・・。せめてWindowsタブレットに移植・・・、ないだろうなあ。

 
 

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