フォト
無料ブログはココログ

« BioWare@SDCC | トップページ | Valve、EAのSteam批判に反論する。 »

2012年7月11日 (水)

My Shepard has a first name.(抄訳)

 ここで紹介するPodcastはSpoilercast、すなわちMass Effect シリーズのネタバレてんこもりです。

 この記事もMass Effect 3、Extended Cut(EC)、シリーズ全体にわたるネタバレが出てくることでしょう。

 あなたがME3、あるいはME3:ECクリア前で、これからクリアするつもりなら読むのは避けたほうが無難。

*

*

*

*

*

 以前、置くだけであったGameSpotのPodcast。表題はこの記事表題のとおり、"My Shepard has a first name."。 

 下を読んでいただければわかるが、真意を直訳すると「私のシェパードにはちゃんとファースト・ネームがあるのにっ」って感じか。
 

http://www.gamespot.com/features/my-shepard-has-a-first-name-mass-effect-3-extended-edition-spoilercast-6384777/ 

 先の週末までには書くことまで決まっていたのですが、書かないでいたらもう一度聴き直さなくてはならなくなった。

 ケヴィン他、計4名のGameSpotエディターのMass Effect Extended Cutについての、お話である。

 実は、この記事でも触れましたが、オリジナルのエンディングが大騒動を呼んでいたころ、オリジナル・コンテンツについてもケヴィン他のエディターたちが同じようにPodcastで話をしていた。次は、このブログでそれに触れた記事(Podcastのリンクも記事内にある)。

 http://vanitie3.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/me3-6250.html

 さて、今回の冒頭は追加された4つ目のエンディングについての説明。

 経験された方はおわかりのとおり、スターチャイルドとの間のダイアログ(せりふ)の選択によって行き着くことができる。

 せりふで発現させず、その後三本道の選択の際にいきなりスターチャイルドに発砲することでも発現する(私はこっちだったかな)。

172
「好きにさらせ」 "So be it."

174
「元の木阿弥だな」 "The cycle continues."

 エディターの誰かが、上の画像のチャイルドのせりふはハーヴィンジャーの声であったと主張しているが、うーん。リーパーズって皆同じようなヴォイスチェンジャーを用いて喋ってたんじゃなかったっけ? ME1のソヴリンにしろ、ME3のタリの母星で撃沈したデストロイヤーにしろ?

 とはいえ重要な指摘は(5:20あたり)、「このエンディングが示すものは、過去のどのサイクルにも『シェパード』がいて、そのすべての『シェパード』たちが今まで銀河を救うことに失敗してきたということ」というものでしょう。卓見だと思う。

 私がこのエンディングを「Null値エンディング」と考えていることにも発想は近い。このサイクルのシェパード(つまりヒューマンの彼/彼女)がME1からME3までの間のどこかでしくじったら、やはりこのエンディングが発現するわけだ(そのことについてもエディターたちは後で触れている)。

 つまり一つ前のサイクル、プロシアンのサイクルにも「シェパード」がいた。もちろん、ME3のDLCで登場するプロシアンではない。彼の役割は種族絶滅に対する「報復」、「鎮魂」であるから。

 カッコつきの「シェパード」とは、(銀河の)救世主、セイヴィアー(savior)とでも呼ぶべき存在のこと。もちろん、今までは全部失敗しているので、would-be-savior(なるつもりセイヴィアー)かな。 

 そしてこの説は、それらの過去のすべての『シェパード』たちが、少しずつ、一歩ずつ、リーパーズを打倒する手段、銀河を破局のサイクルから救う手立てを積み上げてきた、と続く。

 私はそれについてはちょっと異論がある。欧米特有の「進歩思想」が見え隠れしているのが気になるのだ。当然、一歩も進めなかったサイクルもあっただろうし、あるいは仮に蓄積されたものがあったとしても、それらすべてが無に帰してしまったサイクルもあったかもしれませんよね。なにしろ敵はリーパーズだ。 

 直近のプロシアンのサイクル(で蓄積された知識)と、現下のヒューマンが出現したサイクル(の解読力、実行力)、このふたつのサイクルのワンツー・パンチで解決策を導き出したのかもしれないじゃないですか。現に今のサイクルのリーパーズとの戦いで活躍した種族たちは、プロシアンが見守り、育ててきた種族が多いわけですし。

187
 シャドウブロウカーのような優れた情報管理の才能の持ち主がいなければ、現サイクルで(あるいはそれまでに)蓄積された知見を次のサイクルに引き継げるとは限らない。

 さて、話題は変わって次の画像、追加されたエンディングに登場する新しいスターゲイザーのシーン。
 オリジナルのVO(声優)の手配がつかなかったので、スターゲイザーは女性に変わったんだろうな、と以前書きました。

194
 新しいスターゲイザーはアサリだと思って気にもしなかったのだが・・・。あっさり信じた私が浅はかだった(ああっ、親父ギャグだ!)。

 声優の手配説は、半分当たっていて、半分以上のことを見逃していた(足したら100%超えるじゃん!)

 オリジナルのスターゲイザーのVOはなんと、あのバズ・オルドリン(Buzz Aldrin)であったのだ!

 若い子は知らんか? 僕らが生まれてくるずっとずっと前にはもう、アポロ11号が月に行ったんだってさ、って子たちは知らんか。

 バズ・オルドリンといえば、アポロ11号のルナ・モジュールのパイロットだ。ニール・アームストロング(Neil Alden Armstrong )船長に続いて月面に降り立った二人目の人類だ。

 本編を遊んでいるときには気がつかなかった。

 そのUSの国家的英雄、いや人類の英雄であるバズ・オルドリンをまたわざわざ呼びつけるわけにもいかない、という事情はあったであろう。

 だが、エディターのひとり(カーティスかな)は、もうひとつ4つ目のエンディングでカットシーンが変わった重大な理由だと思われることについて語っている。

 新しいスターゲイザーは、見たことのないエイリアンである。アサリではないようだ。

 
 つまり、この追加されたエンディングを選んだ場合、「次のサイクルにはもはや人類は存在していない」ことが暗示されている。

 そしてもちろんアサリもいないだろう。なぜなら、リーパーズによって(現サイクルの)すべての(一定以上の文明を築き上げた)オーガニックは破滅させられたか、改造されて取り込まれてしまったはずなのだから。

 次のサイクルにも、少なくともスターゲイザーのように言語を操るほどの知性を有するオーガニックが生まれるだろう。だがそれは私たちの知っているMass Effectの世界には登場していなかった種族に違いない。

 さて、残りの三つのエンディングについては、それぞれ贔屓するエディターが選んだ理由と、ECで追加された部分について、思いを語っている。

 ・緑、シンセシス(ケヴィン)、エンディング・ナレーション:EDI

 最も外交的な選択だと思われたから。BioWareも最高のエンディングと位置づけている(必要なレディネス・ポイントが高い)。皆がハッピーになると思われるから。 

 ただし、ケヴィンががっかりしたというのが次のシーン(12:00あたりから)。

401
 戦死者、殉職者リスト。私の場合、ミランダが特に悔やまれます・・・。レックスはとうの昔にあきらめたよ。そういえばケリーの名前がない。どうしちゃったのかな。シタデルで生き残ったことになってるのかな?

 アンダーソン提督ですら、デヴィッドというファーストネームが記されているのに、シェパードだけ、コマンダー・シェパード。肩書きだけ。

 作中では決してVOで呼ばれなかった(当たり前だ)ファースト・ネームをここで表示したらよかったのになあ、残念、ということです。

 DDのエンディングにおける史書のあの粋な趣向(ネタバレになるので書かない)に「やるじゃん!」と思ったばかりなので、特に同感、納得しちゃいますね。 

 ケヴィンの総括的な感想は、すべての追加コンテンツは隙間を埋めただけであり、オリジナルの「緑」と感動は何も変わらなかった、というもの。むしろオリジナル・エンディングの不足している部分、隙間は皆自分自身で埋めていたのである。

 別のエディター(カーティスかな?)は、ギャレスの粋なせりふについて語っている。

 ECでは、シタデル・シーンの直前、コンデュイットに突撃する際、ハーヴィンジャーが攻撃してきて、クルーが負傷してしまうシーンが描かれる。
 上空待機中のノルマンディを呼び出して(まあご都合主義的だけど)、負傷したふたりのクルーを乗せて脱出させますよね。

 (私の場合は大変不幸なことに、ここで出たのはプロシアンのせりふであった・・・) 

 その際、ひどく負傷したクルーがギャレスの場合、彼はこういうのだそうだ(15:30あたり)。

 "Hey, you are always the better shot、Shepard." 

 例の、シタデルでのシューティング競争で、シェパードが最後の的をわざとはずしてギャレスを勝たせた場合(私がそうだ)、 「気がついていたんだぜ」という意味になって、あまりにクールすぎる。また、シェパードが普通に勝っていたなら、「あんたにはいつも勝てなかったよな」と素直に受け止めればいいだけだ。

 ・青、コントロール(カーティス)、エンディング・ナレーション:シェパード

 イルーシヴ・マン贔屓、サーヴェラス支持であったから、イルーシヴ・マンが望んだエンディングを選んだ。

 実際に、オーガニックもシンセティックもそれぞれの本質(characteristics)を残したまま存続することになった。シェパードは肉体こそ失ったものの、人格・意識はそのまま保持され、究極のスペクター(亡霊)になった、あるいは、全能の神(the omnipotent god)のような存在となった。 
 非常にパワフルな存在となったわけで、実はこれがベスト・エンディングであろうという説。

 ・赤、デストロイ (トム) エンディング・ナレーション:ハケット

 深呼吸エンディングは以前どおり。オリジナルの三つのエンディングの中ではECで一番変化に乏しいのではないか。 

 この三部作シリーズそのものがリーパーズの「デストロイ」を目的としてきたわけで、それを選ばないなんてありえない。 

 コントロール?(青) 邪悪なイルーシヴ・マンの求めていたエンディングだよ?(しかもイルーシヴ・マンは目の前で頭を打ち抜いて自殺してる。どうしてその後コントロールなんて選べるんだ?)
 ロボットになる?(緑) 気持ち悪い。 

 だがデストロイ(赤)ではリーパーズのみならず、シンセティックであるゲスもEDIも道づれになる。全体善のために! 果たしてそれでいいのか? 

 それでいいのだ、そうだ。  

 最後に各人の総括的意見。

 アーロン: BioWareに感謝し、満足している。オリジナルで不足している部分は自分の想像力で穴は埋めていたものの、追加された部分を実際に見るのは有意義であった。いくつかのシーンはすばらしい。

 カーティス: EC開発は時間の無駄ではなかったか。BioWareは他のことをやるべきだった。マス・リレー網が本当に吹き飛んでしまって、銀河がゆっくり死んでいくわけではない、と示されたのはよかったが。

 トム: (ユーザーに口出しを許すという)危険な前例を作ることになってしまった。あるゲームのすべてを万人が好むわけはない。エンディングがひどいとしても、それはそれとして次に進むべきだ。気に食わない者、怒り出す者がいたって、それは仕方がないと割り切るべきだろう。 

 ケヴィン: 三ヶ月待って、結局がっかりした。追加されたものがあっても、それは話を「なぞってわかりやすくする」(illuminate)だけであった。世の賢いプレイヤーならオリジナル・エンディングから、ほとんどの意味を汲み取っていたはずであろう。
 個人的にも一回目の感動になんら付け足されたものはない。 

 私自身も、個人的に二三の追加シーンは粋だな、と思った(とすでに書きましたよね)。

 でも基本的には「時間の無駄」説にくみしたいな。
 無料DLCだからブツブツ言ってもはじまらないけどさ。 

 げに恐ろしきはEAの納期なり、ってことですよねー。
 あと仕様変更もあったよね-。マルチプレイ導入。

350
「ジョーカー・・・、もうそろそろ出さないと納期が・・・」

050
「あいたたた、奴め、やってくれたわ」 

 素敵なシーンも、文脈を無視すると、どうとでも訳せちゃうね・・・。

« BioWare@SDCC | トップページ | Valve、EAのSteam批判に反論する。 »

Mass Effect 3」カテゴリの記事

ゲーム」カテゴリの記事

コメント

本編を遊んでいるときには気がつかなかった(バズ・オルドリン)<

あるある。う~む、Bio作品ってこういう粋なトコありますなぁ。
MEのチャーリー・シーンのお父さんもですが、DAOとかでも有名演技派俳優さん使ってますよね。(フレメス、ハウとか)
さり気なく、ってとこがいいかも。

各人の総括的意見<

エディターそれぞれでもこれだけ違うんだもの、プレイヤーそれぞれにイイ顔しようってのが無理でしょ…。
(きれいに意見が分かれてデキ過ぎではあるが)

げに恐ろしきはEAの納期なり、ってことですよねー<

ま、EAに限った話じゃないかと。
(ガッカリの種類は違うけど)Skyrimだってあの販売時期をはずしたくなかったから、あんな状態で出してるんじゃないかしら。
作品としては素晴らしいけど、製品としては並以下だし、ある意味ME3よりはるかに性質が悪いと思いますよ。
売れれば何でもOKなんだなぁ、やっぱ。ヤダヤダ。

>バズ・オルドリン

 の声を判れ、は無理ですよね。肉声を聴いているとしても(北米の人と違って)こっちは一、二回だから。
 日本で言えばヴィデオゲームかアニメの声優に毛利さんが登場するようなもんで・・・、っても宇宙に出たのは他人の船だけどね。

>チャーリー・シーンのお父さん

 すみません、こっちは「マーチン」の息子がチャーリーでしかないんすよね。最近言動のめちゃくちゃさの程度が半端ないチャーリーは嫌いじゃないけど?

>きれいに意見が分かれてデキ過ぎ
 
 全員GameSpotのフルタイム・エディター、ぶっちゃけエリートオタクですからね。

>ま、EAに限った話じゃないかと

 んー、Skyrimはバグ批判でしょうか。まあ・・・、Bethesdaはわりとそういう面(テストが苦手)ある。苦手っちゅうか、QAにも限度がありますから、あの世界はある時点を越えたところで手に負えなくなるんでしょうね。
 スクエニもコナミもカプコンも、もちろん任天堂も、EAと同じように期間収益の良し悪しに翻弄されるようになって久しい。納期問題の本質はそこですね。

 そう考えると、個人的に結構バカにはしてたけど、無数のゲーマーの小額直接出資プロジェクト(crowd-funded)って、案外成立するかもしれませんね。もちろん誰だって投資リターンは求めるだろうけど、四半期決算のようなせっかちなインターヴァルではないだろう。しかもゲーマーの少額出資者の場合「ゲームが完成すれば御の字」ってのもあるわけだから。
 Wasteland 2がKickstarter(crowd-funded projectの専用サイト)で開発資金を集めたというので、話題になっている程度だけれども。
 すでにEAはちゃっかり眼をつけている。

 
 
  

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1586985/46291009

この記事へのトラックバック一覧です: My Shepard has a first name.(抄訳):

« BioWare@SDCC | トップページ | Valve、EAのSteam批判に反論する。 »

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30