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2012年8月14日 (火)

BioWareのDay One DLC

 BioWareのオンライン・プロデューサー、フェルナンド・メロウ(Fernando Melo)氏がGDCヨーロッパで、(DLC販売を含む)本編リリース以降の販売計画を持つことが非常に重要であると語っている。

http://www.ign.com/articles/2012/08/13/bioware-explains-day-one-downloadable-content

 一部の痛烈な批判にもかかわらず、本編同梱DLC(Day One DLC)は売り上げに大きく貢献している。DA:OやME2 、ME3の売り上げに関する詳細な数値は示されなかったが、本編の売り上げがリリース直後に激減することは示された。その後、DLCがリリースされるたびに、ファンが戻ってきて売り上げが伸び、さらに重要なことには過去にリリースされたDLCもそれにつられて売れるという事実だ。久々にゲームに戻ってきたプレイヤーが、そこでようやく過去に新コンテンツがリリースされていたことを発見したのだろう、とメロウ氏は考察している。 

 また、プレイヤーのDLC購買行動は、少数とはいえリリース後何ヶ月もの間続き、本編の価格はやがて大幅に値下げされるものの、DLC価格はほぼ変化がない。メロウ氏曰く、有料DLCは「リスクの観点から見れば、実に安全な製品である」。ゲーム本編の評判が良く、ストーリーコンテンツの有料DLCと組み合わされば、ウェポン・パックやその他マイナーな追加コンテンツよりずっとよく売れる。

 だがしかし、DLCがローンチの時点で準備されているなら、なぜ本編に加えない?
メロウ氏曰く、「インターネットで見聞きすることとは違って、ファンはより多くのコンテンツを望んでいる。しかも『今すぐくれ』と言う傾向がある。Day One DLCについて難しい問題は、プレイヤーごとに『今』が違うということだ。正しい時期もないし、正しい『今』もない。主観的で、プレイヤーひとりひとり固有なのだ」 

 BioWareは、適切なタイムフレームを解明するため、収集した統計データを分析してみた。「我々の場合、ゲームのクリア率を観ると、常に半分を下回っている。リストの中でもっともボリュームのあるDragon Age: Originsについては36%と低い。もっとも率が高いMass Effect 2でも56%だが、これはMass Effect 3のリリース直前にピークがあって、駆け込みクリアが多いことがわかっている。

 がむしゃらにクリアまで邁進するプレイヤーもいれば、自分のペースで進める者もいる。その両方を満足させる唯一の手段がDay One DLCだ。「そうすれば、それぞれの求める時期に提供可能だからだ。いつ入手するかはプレイヤーが選ぶ。我々が選ぶんじゃない。開発・販売元のリリース・スケジュールに従うのでもない。それはそこにあるから、望むならリリース初日に手に入れることができるし、それがいやなら、本編をクリアしてから入手することだってできる」 

 だが、それでもまだDLCが本編に含まれない理由の説明にはなっていない。メロウ氏が示した製造のタイムラインによれば、複数のDLCパックは本編完成以前に製造を開始していなければならないことがわかる。
 売り上げの数字は示されなかったが、とりわけDA:Oの場合は、本編がリリースされたその日にDLCを入手しているプレイヤーの比率は高い。ゲームストアでパッケージを購入したプレイヤーですら、オンライン・パスをアクティヴェイトして追加DLCを入手している者の比率は顕著に高いのだ。

 Day One DLCはBioWareにとっては健全なビジネス戦略であるが、プレイヤーの中には依然として苛立ちの源と受け取る者もいる。「ファンとコミュニケーションを欠かさない文化があれば、しだいに我々の説明をわかってくれるファンが増えてくれる。我々は嘘はついていないが、受け手にしてみれば、相手の言葉を逆手にとって嘘つき呼ばわりすることはいつでも可能で、それは致し方のないことだ。
 それを解消する手段は、5年後くらいにタイムジャンプすることしかないだろう。そこでは、もうすべてのゲーム・コンテンツがリリース初日からデジタル配信になっている。すべてのゲームが継続的サービスと化していて、まるで今のMMOのように、毎日何かしらの新コンテンツが登場しているはずだ。それは本編に含まれるものかもしれないし、プレミアム特典かもしれない」  

 プレミアム特典について言えば、マイクロトランザクション(いわゆるアイテム課金制)モデルが固定価格DLCを駆逐しはじめれば、オンラインパスも不要になるだろうとメロウ氏は言う。「ゲームにマイクロトランザクションが導入されれば、そのゲームはF2P空間やソーシャル空間で運営していることになる。その場合、オンライン・パスのような門番、マイクロトランザクション空間への進入を制限するような仕組みは運営者に害をなすんだ」

 だからと言って、BioWareがシングル・プレイヤー・ゲームを捨ててF2Pに完全移行するという話ではない。メロウ氏はここで議論されたことすべてをBioWareが実行するわけではないと断っていた。だがそれでも、BioWareがそれらを議論していることは間違いないし、Mass Effect 3ではすでにマイクロトランザクション方向への動きを示している。

「マイクロトランザクションの基本線は、プレイヤーが好きなときに好きなように出費できるということだ。これはとても強力なコンセプトだ。売り切り買い切りDLCのような上限もない。DLCを5つリリースしたとしても、一番熱心なファンですら支払ってくれるのは最大50USDでしかない。マイクロトランザクションでコンジューマブル(消費アイテム)を売るとしたら、潜在的にはより安い単価でしか販売できないだろうが、より多くのプレイヤーに購入してもらうことができるのだ。また大抵の固定価格のアイテムに対して出費のハードルを下げることができる。 

 今後BioWareは、メロウ氏が示した種類のデーターの分析を継続するのみならず、ゲーム内でのプレイヤーの挙動も分析していく。例えばロマンスなど、プレイヤーがもっとものめりこんだ種類のコンテンツに目をむけ、フォロワーの人気・活用度を確かめ、それらをDLC開発の糧にする。BioWareは(上述のアイデアのうち)ゲームにどれを持ち込んで、どれを持ち込まないか未だ議論なかばであるが、今後本編からどのようにゲームを拡張していくかを決定する際には、メロウ氏によれば、究極的には「ファンの声を聴くに勝るものなし」である。

********** 

 今更BioWareにマイクロトランザクションのこと教わらなくていいよ、と思っちゃう。だって君らまだ素人じゃん。 

 最後のまとめ「ファンの声を聴く」もちょっと辟易しますね。特にMass Effect 3エンディング騒動の顛末を見てからは。

 大変悔しいけど、やっぱりSteam/Valveのニューウェルのほうが賢いんだよなあ・・・。BioWareに来ないかな(おいおい)。  

 ファンの声なんて、ようするに一番うるさい奴らの声だろ? Valveはそんな連中の声だけ聴いたりしないよ。つうかファンの挙動なんてそんなふうに聴かなくたってわかる。
 膨大なプレイ・データーを詳細に分析し、プレイヤーの行動モデルを頭が割れるほど考え、しかも日々新しいデーターを用いてそれを検証し、どしどし改良していけば、おのずと向かうべき方向の答えは出るはずなんだ。

 上はニューウェルの過去の発言を、私なりにまとめたもの。なんか、BioWareの発想は完璧に負けてますよねえ・・・。
 Valveに何周くらいラップされているのだろう。
 

 あ、ごめん(笑)。BioWareはまだ走り出してもいなかった。ああ、SWTORで走り出そうとしたけどトラブルが出て、今ピットにいます。

 メロウ氏のいうマイクロトランザクションの効用。間違ってはいないけど全部述べてもいない。

 BioWare/EAがF2Pへの移行になぜ逡巡しているか、考えればすぐわかります。

 いまどき200万本(ME)、300万本(DA)売れるタイトルなんてRPGに限らずそうそうない。 
 開発費が所与、一定として、同じタイトルをF2P化し、この収益をマイクロトランザクションのみで獲得しようとしたらまず無理だ。

 ざーっと計算しよう。本編の売り上げのみで60USD*200万本=1.2億USD。開発費はいくらなんでも1億USDしていないだろうから、80百万USDくらいに置いてみよう。

 80百万USDはマンパワーで言うと年10万USD/人(フリンジ・ベネフィト、オーヴァーヘッドなど込みこみで年1000万円)で800人・年。MEの開発者が300人くらいとして開発期間二年半。なんか、ほどほどいい感じではないか?

 120百万USD-80百万USD。全部BioWare/EAに入るわけではないが40百万USDの利益があるとしよう。40億円だ。

 これを、マイクロトランザクションで稼ぐ。プレイヤーが月平均5USD使うとしよう。それでもだいぶ甘いかな?

 40百万USDを1年という期間で獲得するには、200万人が毎月5USD以上使ってくれないといけない。(5USD*12ヶ月、すなわちパッケージ売りと同じ60USDだから)

 1年という長期間が適当かどうかも不明だ。(特にF2Pプローンな、無料厨な)プレイヤーの心は移ろいやすい。半年で回収なら単純に倍の人数が必要。 三ヶ月で達成しなければならないなら、さらに倍。

 もちろん、40百万USDという分け前を分配するリテール・チェーンが不在になるなど、仲介者が減る部分もあるが、逆にオンラインではサーバー運営費も余分にかかるし、ソーシャルなどへの上納金も考えなくちゃならないかもしれない。そこにも差異がないと単純化しておく。そのほうがBioWareがF2Pに移行するのに有利な条件だと思うから。

 「プレイヤーが月平均5USD使う」ってところが、このモデルのとっても危ういところで、「平均的プレイヤーが月5USD使う」のでは決してないのだ。なぜなら、マイクロトランザクション空間には「平均的プレイヤー」など存在しないから。むしろ、商売の仕方として、「平均」を拒否しているから。

 F2Pに訪れた90%のプレイヤーは1セントも払わない(90%も甘いかもしれない、95%かもしれないが、ここは90%と置こう)。残りの10%のプレイヤーが「結果的に」月平均5USD使うということだ。だから母集団はとてつもなく大きくなければならない。支払ってくれる人が2百万人必要なので、母集団はその10倍、20百万人を誘引しなければ成立しない。 

 これは逡巡するだろー。こんなにBioWareに甘く計算してもかなり無理筋。
 これで逡巡しないのは、今すでに儲かっていないところ。200万本も売れっこないところだ。開発費も1億USDなんて、とてもスポンサーがつかず、お金かけられないところだ。 

 そういうモデルなら、最初から人手(マンパワー)もたいしたことはないし、開発期間も短い。というか「見かけ上」成立するにはそういうモデルに持っていくしかないと思う。 

 BioWareも、Bethesdaも、Blizzardも、既存タイトルが放っといても売れるから二の足を踏む。致し方のないことである。

(からくりは、メロウ氏も触れているとおり、ヴィデオゲームをクリアする人はいまどき半分もいないことだ。コンテンツを端から端まで嘗め回す人もずっと少ない。

 マイクロトランザクションでは自分の進んだところまで(望むところまで)しか課金を支払わないと考えれば、それとの比較において、フロントエンドで60USD出してパッケージを買ってクリアしないということは、サプライヤー側(パブリッシャー・開発者)に余剰が発生しているということだ。コンジューマー・サープラスならぬ、サプライヤー・サープラスが生まれている。しつこく繰り返すが「マイクロトランザクションとの比較において」という条件つきである。だって買ってしまった60USDはクリアしようがしまいがユーザーにはサンクコスト(埋没コスト)だから。転売できるなら転売額との差額がそう。

 そうそう、コンジューマー側の判断には転売(リセール)の観点も入れないといけないね。パッケージならリセールができる場合があるが、デジタルコンテンツを前提としたマイクロトランザクション制にはリファンドはないわけだ。でもUSのGameStopもクズみたいな値段でしか買い取らないそうだし、論点変わっちゃうのでここでは踏み込むのはやめておく。)

 だが、もう会員制AAAクラブはそこまでで終わりだろう。扉は後ろで閉められた。これから先、ビッグタイトルはなかなか出なくなる。マイクロトランザクションが比較優位で「成立」するケースがどんどん主流になるでしょうね。 
 というか、AAAタイトル以外がゲームをどうしても売りたければ、そういう方向に進むしか手がない。AAAタイトルだって、やがて後光が消え去れば同じ道をたどるんだ。

 ・・・そういうところにのこのこと。
 DQXが初週40万本だそうだ。不発弾。さもありなん。今度も誰も堀井さんのわがままを止められなかったのかな・・・。
 いたいけなお子ちゃまたちを、いきなりMMOというホッブス的空間(人間の原初的状態)に放りこんでいいのか、とか今更言わないけど。やっぱハイプレイヤーがすでに跋扈しているらしい。どこにも容赦なく現れ、あっという間にすべてしゃぶりつくす。リーパーズかっての!

 任天堂もマリナーズ売って、商売の原資稼ぐようになっちゃうのかな・・・。

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