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2012年8月 6日 (月)

【ME3】LeviathanのDLCでまたエンディングが変わる?

 ME3のオリジナル・エンディングを変更しないという立場について、BioWareの共同創業者ムジカ博士が用いていた根拠は、開発チームの創り上げたコンテンツの「高度な芸術性」(Artistic Integrity)を毀損することはできないということ。

 あちらのゲームサイトでは失笑ネタになっていましたが、このアーティスティック・インティグリティ。まあ直訳好きな人は「芸術的品位」とか訳すんだろうが、それでは意味が曲がるんだよね。芸術家が突き詰めて出した「これしかない」答え、その全体的整合性、統合性を含意しているから。単純に「品位」とか「風格」ではない。

 さらに芸術的品位、あるいは「芸術家の」矜持(きょうじ)となってしまうと、果たしてBioWareのDev、開発者たちが芸術家か?という点に触れざるを得なくなる。

 ヴィデオゲームは(その一部は、か)、百歩譲って工芸製品でしょう。artisanというよりかは、craftsman。壺造りの世界。

 DA2もそうだったし、ME3も間違いなくそうだったが、概ね期待を損なう残念な結果になった(部分がある)と言われた原因は「納期」。

 資金とか時間に(外的な)制約を受ける時点で「芸術」じゃないと思う。
 システム開発に詳しい方は、「資金」も「時間」も同じじゃねえか、というだろう。そのとおり、タイム・イズ・マネー、同じものです。

 企業経営におけるプロジェクト(イニシャチヴ)や、ゲームなどシステム開発もそうだけど、そのリーダーをオーケストラの指揮者(conductor)に喩えることがよくある。
(DA2レガシーのCoryphaeusは、元は原始歌劇の合唱隊のリード・シンガーの意味であったが、実は指揮者に近い)

 この喩えが間違いである、というのが経営学者ミンツバーグ教授の説で、かのドラッガーも確か同じようにオーケストラは違うだろうという説だったと思う。それに私もくみする。

 では、何に喩えるべきかというと、すでに書いた「壺造り」。クラフツマンだ。

 壺は焼いてみるまでいったいどんな出来栄えなのかわからない。窯を開けてみたら見事におしゃかかもしれない。逆に信じられないようなすばらしい出来栄えかもしれない。
 もっといえば、経営プロジェクトにもゲーム開発にも、楽譜(スコア)、設計図などない。どうがんばってもラフなスケッチ(達成すべき目標の殴り書きメモ)くらいがあって、本質的には出たとこ勝負である。

 オーケストラの指揮だって、スコアどおり演奏させるなんて、そんなに決まりきったものではない、あんたが思ってるよりずっとずっと、ずーーーっと難しいんだぞ、という声があるだろう。
 もちろん、誰もオーケストラの指揮がミッキー・マウス、朝飯前だなんて言っていない。

 この場合は、アナロジーが成立しないと言っているのです。

 さらに危険なのは、オーケストラをアナロジーに使う人は、なにか最初から成功(完全性、無謬性)を期待しているように疑われること。クライマックス、大団円、すべて「解決」されるハッピーエンドの予定調和が成立しているかのように勘違いしていること。少なくともそう見えることだ。

 人生がそこまで簡単なら誰も苦労はしない。

 かつてはすべて「想定内」、今はなんでも「想定外」の某電力会社も、きっとオーケストラの指揮のアナロジーですべて考えていたのだろう。さもありなん。

 他方、世界で1000万台生産する国産自動車メーカーはいつまでもずっと「壺造り」のままだ。壺造りの精神、クラフツマンシップを忘れない限り、世界に君臨し続けるだろう。

 前置きが長くなった。

 Mass Effect 3のストーリーDLC、リヴァイアサンをプレイすると、ME3のエンディング自体に影響を及ぼすことがあるそうだ。

http://www.ign.com/articles/2012/08/03/leviathan-add-on-will-change-mass-effect-3s-ending

 リヴァイアサンDLCをプレイし、さらにエクステンデド・カットを織り込んだエンディングに行き着けば、いくつかのイースター・エッグ(裏コンテンツ、隠し趣向)、ちょっとした変化、リヴァイアサンDLCの内容についての言及などがあるようだ。

BioWare's willing to compromise if you buy the Leviathan add-on: Completing the downloadable content creates an additional rift in your ending. You can expect to see multiple Easter eggs, subtle changes, and references to its story when you reach the Extended Cut conclusion.

 ストーリーDLCはまあ嬉しいが、これ以上エンディングに触るのは「もうええちゅうねん」が率直な感想だ(IGNの記者も、同様なことを述べている)。

 もう窯から出してしまった壺をいじくってどうする。もう一度塗り薬かけて窯に放り込むのか?(そういう製法ももちろんあるが、それは元々そういう工程だからだ)

 どうしてもオーケストラに喩えるというなら、劇場の観客のiPhoneの呼び出し音がいつまでも鳴り止まず、演奏を台無しにされてやり直しを余儀なくされた指揮者が、その後いくらがんばっても、どうしようもないって感じだろうか。
 もはや観客には、あのiPhoneの呼び出し音しか聴こえなくなっているはずなのだ。

 ゲーム開発の世界で壺造りのアナロジーに一番どんぴしゃなのは、私の知る限り任天堂の宮本さんだ。「なんぼいじくりまわす気やろか」というくらい、いじくりまわすそうだから(京都弁翻訳ソフトによる)。

 もちろん、「ええいっ!」って出来損ないの壺を叩き割ることもあるんだよね。昔の、まだハードウェア中心の商売をしていた任天堂の開発倉庫には「ボツ」になった製品(半製品)が大量にしまわれていたのだという。今では開発サーバーに世に出なかったソフトウェア(のソースコードやらモジュール、パーツやら)が大量に格納されているのだろうか。

 ME3について言えば、あのエンディング騒動がなく、エクステンデド・カットもなく、ME3の直後にリヴァイアサンDLCがリリースされたのなら、どうだったのだろうか。 

 それを想像するのも、もう無理なんだよね。私の耳にはiPhoneの耳障りな呼び出し音がいつまでも鳴り響いているのだから。

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コメント

VaniさんのME3の想いを読んでると、何故か、今朝TVで見た銅メダルの室伏選手とダブってしまった。

室伏選手は不運だったんですよ。気の毒。
しかし、競技の結果だから、現実として受け止めようと努力されてると思います。

投擲1投目、他の競技の表彰式の歓声がわいたので間をとったところ、タイム・オーバーでファール。
2投目、直前の選手のハンマーが金網にひっかかり、はずすのにエライ時間がかかってしまった。投擲の結果、この時点で4位。
3投目で3位に浮上。

ここで2つのトラブルを無視して、その後の投擲に集中すればよかったんですけど、室伏選手も充分わかっているはずなのに、できなかったんですよね。
3投目の後、審判団に1投目ファールの説明を求め、時計計測のタイミングに抗議したようです。

室伏選手にしてみれば、最後のオリンピックだろうし、できれば金メダルが欲しかったでしょう。
また、普通に気持ちよく投擲して、それで結果が出ないならそれはそれで受け入れるつもりだったでしょう。
ところが、大事な1投目で納得のいかないファールで、ケチがついちゃった。
1投目はその日のバロメーターになり、2投目・3投目で勝負をかけ、その後は調整しながら記録を伸ばすのが、彼の競技パターンみたいなんですよ。
決勝まで進んでも6投しかないので、やはり1投目の重要性は高いです。

そんな訳で、4投目以降は頑張って投げてはいるけど、モチヴェーションが保てず、もう抜け殻のように私の目には映りました。
気を取り直して集中しない方が悪いっていう人いるかもしれませんが、あの時点での室伏選手には、有終の美を飾るとは言わないまでも、無事な競技で終わることのできない無念さが大きかったのではないかと思いました。

2008年のオリンピックが終わった後、上位選手のドーピングで繰上げ金メダルになりましたが、彼にとっては何の意味もないはずですし。

今大会、銅メダルでも、彼の実績は立派なもんです。
選手は本当に大変ですよね…。
見てる方は、「感動をありがとう!」とか言いながら、1週間で忘れても何も責められないし。ふひ。

 オリンピックはどうしても観ちゃいますねえ。目いっぱい没頭している人をバカにしつつも自分も没頭してみせる。大澤先生いわく、「アイロニカルな没入」。

 
 室伏選手に関する熱い話、それ以上付け加えることもないでしょうから、正面から受け止めるのはやめて(ハンマーだけに)、オーケストラの発想しかなかった某電力会社が、やむにやまれず壺造りの世界に没入していった様でもご紹介しましょう。
 
 http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/index.htm
 
 読売新聞が例の電力会社のビデオの内容(発言)を抜粋しているらしい。最近こんなに面白い新聞記事がほかにあったか、と思うくらい。
 
 「すごいやばい」、「なんか知恵ないの?」、「賭けだな」、「ベントすぐやれ」、「やってます」
 (爆発で建屋の天井パネルが開き、結果的に内部の水素が逃げると)「おぉ、ラッキー」
 明らかにやってることは壺造りです。

 
 こちらは産経。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120806/dst12080622000021-n1.htm
 
 出色なのは、「自衛隊の火力で屋根のパネル吹き飛ばしてもらおうぜ」のくだり。「んー、それ考えたんだけど大事なものたくさん下につまってんだよね」、「でもどの道全部吹き飛ぶぜ?」

 オーケストラの指揮で事足りると考えていたこの企業は、ついにここにきて、必死に泥を捏ね回す壺造りの世界を実体験したんですね。
 この企業は真のリーダーシップも、マネジメントも、この事態を受けて「初めて」実践したのだと思う。
 
 ほんとに面白いので、ぜひ読まれればいいと思う。不謹慎だが、やってること「ガンダム」ごとき創作の比じゃないぜ。
 

>室伏選手に関する熱い話

は・恥ずかしい。ま、TV・新聞じゃ、結果と作り笑いのウィニング・ランの画像が主でしょうし。
トップ・アスリートだから、時間が経つにつれ、タイム・オーバーも集中しきれないのも自分の責任・力量のうちなんだと思い直していくんでしょうね。
印象的だったのが、「アジアの鉄人」であった室伏選手のお父さんの表情。
さすがというか、4投目くらいで、息子に何が起こってるか、どういう結果になるか、全て悟ってらおられたような感じでした。

>某電力会社が、やむにやまれず壺造りの世界に没入していった様

これもスゴイなぁ。泥臭く、生ナマしい。
この程度のトコに、ココもアソコも、誰も彼も、何で言いなりなのかしら…。
この某電力会社の公開動画も、部分編集・録画禁止だったので、新聞社の意地のようなもの感じますなぁ。
新聞社も、3.11直後、電力会社と政府に負けず、醜態をさらしてましたからねぇ。
そのことで、読者へ謝罪のようなもの出したのは、産経だけでしたっけ。

ザ・メタボなおっさん連中が居酒屋で「金(きん)がない、金が」と吹聴しているのこそ恥ずかしい。てめえの金こそ(略)。
ま、納税者である限りにおいて発言権はあるんですが。私たちの金で行っているわけだから。

二番じゃいけないんですか? 銅じゃダメなんですか?

新聞もオワコン近いよね。ベタ誉めか、こきおろしか、どっちかしかない。それも大衆迎合的に決まる。みのもんたと変わらない。かの戦争はじめたのは朝日新聞ですが、それとメンタリティ一緒だもの。
テレビも、トップアスリートの成績を伝える女子アナが、どいつもこいつもプロと言えないくらい稚拙すぎるのがミスマッチ。

今回では、水泳みたいなメジャー種目で活躍してるのって、すごいことだと思う。たいした税金使わず30とかメダル取るなんて、誰が見たってスポーツ大国ですよ。フェンシング、アーチェリーだってぜんぜんいけてるし、あとはマジックスペルさえ揃えば完璧、ってDDの三大クラスかっつの。


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