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2012年8月14日 (火)

Prometheus

 うわあ、これはどう観ればいいのだろう。

 そういえば、メレディス(Meredith)が登場していた。いや、まじで。シャーリーズ・セロン。
 いかにもDA2のメレディスを彷彿とさせるキャラで、ネーミングってやっぱ固定観念があるのかなー、と思いました。それ以上ネタバレはしない。

 困ったときはimdbのリストでお茶を濁す。

 Alien (1979) Ridley Scott, Sigourney Weaver

  Aliens (1986) James Cameron, Sigourney Weaver

 Alien³  (1992)  David Fincher, Sigourney Weaver

  Alien: Resurrection (1997) Jean-Pierre Jeunet, Sigourney Weaver / Winona Ryder

 Prometheus (2012) Ridley Scott, Noomi Rapace 

 なに、AVPシリーズ? 知らんがね。つか、そんなもの一緒にすんなよ。
 Cowboys & Aliensも関係ないからっ!(でも、Prometheusとライターが一緒なんだよな・・・)

 まあでも、このリストだけでは何も語っていないですねえ。

 では、これでどうだろうか。

 Ridley Scott; Blade Runner (1982),Black Rain (1989) Gladiator (2000)    Black Hawk Down (2001)  (あんまり作品が多いのでかなり途中飛ばしてます) 

 James Cameron; Terminator 2: Judgment Day (1991) Titanic (1997) Avatar (2009) 

 David Fincher; Se7en (1995)  Fight Club (1999) The Social Network (2010)       

 Jean-Pierre Jeunet; Le fabuleux destin d'Amélie Poulain (2001)  (すなわち「アメリ」。ほかの仏語の作品も評価が高いが個人的に観ていない)

 やっぱ、Alienシリーズはすごいシリーズだったんですね。四人とも大評価を受けたのが、このシリーズ以降の作品群である。ちなみにシリーズの三作目と四作目はあまり評判がよくなかった。どちらも独自色を強調して、趣向を変えすぎたせいかな。

 でも第一作目から実に30年以上、最終作から15年経過している。果たしてプリクエル(スコット監督はそうではないと否定しているが)をやる意味があったのか?

 今をときめく、ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、シャーリーズ・セロンとくれば、確かに客は集まるよね。本来シャーリーズ・セロンが主役だったようだが、いろいろあって映画版の配役に落ち着いたそうだ。
 ガイ・ピアースは、なぜああいう使い方なのか、映画を観ながらずっと悩んでいたが、どうやら若い時代の演技を要求されたからのようだ。

(以下、ねたばれあり)

 何か書こうとすると、次の三つの単語が思いつく。

 オマージュ。 

 自分の作品について「オマージュ」とは言わないだろう、それは確か。そうではなく、上述の四作品全部のシリーズに対するオマージュである。
 スコット監督は、シリーズとは舞台となる宇宙は共通だが「別物である」と言い切っている。だがあの世界で一番有名となったエイリアンが(そのままでは)登場しないこと自体、シリーズへのオマージュだろう。
 登場しない理由は、監督本人曰く「やつも、かなり絞りつくされた。十分いい仕事をしてきた」からだそうだ。いや、「単に手垢がついたから」でしょうね。

 わかりやすいオマージュ(あるいは皮肉か)としては、二作目キャメロン監督へのものがある。探索に出発する傭兵が武装を準備すると、主人公が「武器なんていらないのよ」と断るシーンだ。 

 さらに、アンドロイド(本作ではデヴィッド)の首が吹き飛び、それでもしゃべり続けるくだりは、一作目スコット監督自身がはじめたものだから(アンドロイドはアッシュ)、それだけではオマージュとは呼べないのだが、二作目でキャメロン監督が続け(アンドロイドはビショップ)。フィンチャー監督はビショップに関するプロットを引き継いでいる。それへの返答でもあるのだろう。
 ジュネ監督もアンドロイド(コール)を持ち込んでいるが、そこでの損傷シーンは比較的軽いものだった。まあ、理由はわかりますよね。
 (なお、四体のアンドロイドの名前を順番に並べると、Ash、Bishop、Call、David、だそうです。なるほどね)

 モンタージュ。

 モンタージュですね、技法的に。場面は、せっかちなまでに次々と切り替わっていく。
 ゆえに、ちっとも怖くないのだ。もしかしたら、あえて怖がらせるつもりもなかったのかもしれない。
 大して埋まっていなかった先行ロードショーの映画館。そこここでたしかに軽い悲鳴は上がっていた。いやいや。1979年版のロードショーのときは、そんなもんじゃなかった。正直かなりの人が座席でちびったと思うし、実際、全編ちゃんと眼を開けて観ていられなかった人だっていたはずだ(悪いが私もそうだ。いや、そうじゃなくて。誰がちびったって? ただし、ちょくちょく眼をそらしながら観ていたのは認めよう。まじ怖かったからね、つかガキだったから)。

 エイリアンとの決闘シーンにしても、たとえば一作目をずっと支配していた静的な恐怖、二作目でリプリーがひとりきりでラボの中に閉じ込められ、幼虫?と対峙するシーンの動的な恐怖、そのどちらもない。
 どうして入れたのかとっても不明なのが、ショウ博士(主人公)が幼虫と格闘する擬似出産(堕胎)シーン。あれの寓意はなんだったのだろうか。単純にアイデア勝負で(確かにすぐに思いつきそうではある)グロいシーンを見せたかったのだろうか? うーん。でもグロいだけでちっとも怖くはないんだ。女性が観ると怖いんだろうか。 

 (追加)少し考えたら、やっぱジーザスの母とされる聖母マリアのことなんだろうなあ。孕む(植え付けられる)のは破滅をもたらすアンチ・ジーザスなわけだけども。
 ショウ博士は父親が聖職者であり、自身も敬虔なクリスチャンである。それなのに人類の「創造主」の正体を探究するという彼女の目的は一見矛盾していて皮肉にも思える。本人のセリフからすると「人類の直接の創造主がいたとしても、さらにその創造主がいるわけだから」という発想で割り切っているようだ。

 コラージュ。

 モンタージュと混同しそうだが、こちらはバラバラのストーリーが、意図的なのかどうかわからないが、どうしようもないほどにつぎはぎされているという意味。今思い出そうとしても、バラバラ過ぎてなかなか整理できない。

 「人類の創造主を探す」がテーマ? なんかね。そういうのもういいかなって感じ。しかもそれ、主人公(と彼氏)だけが思っていることだから。ほかのクルーにはまったく共有されていない(それもあって、話のバラバラ感がすごい)。しかも途中で、そのテーマらしきものもどっかに行ってしまうくらい、薄っぺら。
 

 「創造主を探す」テーマとサイファイ・ホラーは相性悪いと思う。最初から怖がらせるつもりはなかったのかもしれない。であったとしても、あんな程度の仕込みと仕掛けでは、「創造主探し」のプロットはこの先どこにも行き場所がないと思う。

 一番残念なのが、Prometheus号のクルー17名をきちんとなぞっていないこと。確かネームド(名前で呼ばれるキャラ)は9名しかいない。残りの8名は傭兵だったりエンジニアだったり、名前がないクルーだ。扱いもそのとおりで雑。
 うーん、それはないよな。17名くらい追えると思う。キャメロン監督だって海兵隊一個分隊をおろそかにはしていなかった(たしかに途中でほとんどがあっさり死んでしまうけど、全員ネームドだ)。
 本作では、ネームドのクルーにしたって皆きちんと扱ってるとはとてもいえない。一作目、Nostromo号の乗員は7名。今だって、誰が誰か(そしてどうやって死んだか)鮮明にしっかり覚えているのに比べて、ちょっとひどい。

 そして、個々人のキャラクターの位置づけを見せる間もなく、いろいろな展開が非常に唐突に訪れてくる。だから、ここは感動しろ、ここは泣くところだ、というシーンでも、こちら側の心構えがとても間に合わない(笑)。 

 エンディングにしても、過去のシリーズのように余韻や(ローズマリーの赤ちゃん的)解釈の余地を残して終わるのではない。えっ、この話まだ続くの?と ちょっと驚かされてしまう、拍子抜けしてしまうものだった。
 "To be continued"かい! FFXIII-2か。

(imdbには、ちゃっかり"Prometheus 2"が載っていて、プロデューサーにリドリー・スコットの名前がある。よって製作発表はされているようだが、特に中身はまだ何もないみたい)

 しかし、いつまで撮り続けるんでしょうね、スコット監督。七十歳はとっくに過ぎてますけどね。まさか今更オスカーが欲しいなんてことはないでしょうし。 
 それとも原シリーズのように、続編は若手にバトンタッチしていく趣向を繰り返すつもりなんだろうか。

 なんか褒めるところないかなあ、と探したが、ヴィジュアル面、デザイン面だけであった。
 さすがに全体的な雰囲気は良い(じっくりちゃんとは見せてくれないけど)。3Dも気になるような違和感はない。Prometheus号船内のデザインのもっともらしさも良い。
 それから遺跡で発見する宇宙航行用の立体海図(宙図)も、見かけのデザインはとても優れている。

 クルーのひとりが遺跡探索に持ち込むオートマッピング・ロボット。ヴィデオゲームのオートマップのように勝手に飛び回って3Dマップを書いていく。思いつきは良くあるだろうが見せ方は上手だ。ただし、そのロボットを出すなら、もうちょっとじっくり遊んでもよかったんじゃないかなとは思う。本質的にはあまりプロットに関係なかったのだ。
 

 TIME誌のレヴューによれば、エイリアン・マイナス・ワン(Alien-1)、プリクエルじゃなく、プリ・メイク(未完成)だそうだ。
 1979年のAlienだって、上映当初は大した評価を受けていなかった。Blade Runnerにしたって「意味不明」という扱いを受けていた。まさかどちらもサイファイ/ホラーの不朽の名作と呼ばれるようになるなんて、思っていた人は少なかったんじゃないかな。

 残念ながらPrometheusは、いくら見直しても上映当初の評価のままだと思う。 

**********

 名セリフの少ない映画であったが、次のは皮肉たっぷりで、かなり気が利いていた。 

 Peter Weyland: There's nothing to learn.
 David: I understand, Mr. Weyland. Have a safe journey.

 ピーター :結局なにもなしだったな。
 デヴィッド :ですね、ウェイランドさん。それでは、道中お気をつけて。 

 (ピーターは直後に息を引き取る)  

 

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