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2012年9月22日 (土)

【DA3】セダス無神論

 本心をお話しますと、DA3: Inquisitionと銘打つのであれば、このくらい重いテーマを拾いあげて、掘り下げてほしいものだと思っています。
 もちろんフォーラムなどではなくて、メインゲームの中で、である。

 アダルトRPGだからといって、ロマンス、4P、ホモ・セクシャル、アルコールばかり取り扱う必要はない。別に取り扱ってもいいけど。

 今回ばかりは、「宗教」をテーマの中心に据えていると思われるので(そうじゃなければ、なぜ"Inquisition"などという多シラブルの読みにくい表題にする?)、いっぺんやってみてはどうなんだろうと思っている。  

 フォーラムでのネタ。
 OPの主張は「DA3の主人公(PC)は無神論者として振舞うことができるようにしろ」というものである。

http://social.bioware.com/forum/1/topic/371/index/14199484&lf=8

 OPが触れているゲイダーさんのかつての発言というのはここ。

http://social.bioware.com/forum/1/topic/315/index/12890819&lf=8

 だいぶ前置きが長くなりそうなので、このスレッドそのものの内容については次の記事にまわします。し、心配しなくても書きます書きます。

**********

 DA:Oで一番最初にセダスの世界観に触れたとき、「一神教(monotheism)かよ」と驚いた記憶がある。しかも、メイカーは「不在の神」である。

 例えば、TRPGなどでも、DnDのほとんどのキャンペーン・セッティングでも、deities、pantheon(こっちは集合名詞かな)と呼ばれる多神教(polytheism)の「神々」を並べあげている。ファンタジー文学がギリシャ・ローマ時代のヒロイックな叙事詩を手本にして生まれたことにも関係があるのでしょう。

 注意しなければならないのは、一神教、多神教という分類そのものであって、ここではお気づきのとおり、セム族の啓示宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)との対比においての「多神教」について言っている。
 (上述の三宗教以外にも、ゾロアスター教のように一神教とみなされることがある宗教もあったようだ。とってもくどくなるからご興味がある場合は調べて)

 一神教優位の視点から、それ以外の「劣後の」宗教をまとめてペイガニズム(Paganism)という蔑称を用いることがある。異教徒、野蛮人、教化されていない者という語源だそうだ。大陸思想でいうところの毛外(けがい、かがい)の民かな。やがて異端、不信心者、あるいは無神論者をさすようになった。

 ハイ・ファンタジー分野の作品が、これまであまり一神教を用いてこなかった、という理由をいくつか考えてみると、まず、すでに書いたとおり、

(1)ギリシャ・ローマ神話など多神教文明にルーツを有するから。

 愛を司る神、戦を司る神という発想はあまりに馴染み深いですね。
 多くのファンタジー・セッティングが、いくばくかずつ影響を受けていますね。最近では映画「タイタンの戦い」(ギリシャ神話)、「マイティ・ソー」(北欧神話)
などが有名でしょうか。  
 ん? 「アクエリオン」? すまん、パチンコはしないのだ。
 「ペルソナ」シリーズなんかも日本神話を用いて同趣旨の設定をしてます。 

 
(2)究極の善悪の対立がなければ物語として面白くない、と考えられたから。

 別に一神教でも可能なはずなんですがね。
 うまいことやったのは映画「スターウォーズ」ですね。ルーカスによれば、ザ・フォースは「神」と呼ばれることもある存在・概念であり、もっと単純に言えば「生命力」、「生の躍動」(life force)のことだそうだ。

(3)生々しすぎるから。

 これが最大の理由じゃないんですかね。
 一部のサイファイでは、そういう批評性のある作品はあったかもしれないが、エンターテイメントの世界でリアルの宗教を批判的に描くことは避けられていたのではないかな。別にユダヤ資本の陰謀とかそういうことではなく、端的に白ける、つまらない、抹香くさい。
 仮にやったとして「薔薇の名前」ほどの素晴らしいレベルになるってケースは非常にまれだったでしょうし。あれは、なんであんなに面白いのかね? というかInquisitionは、あの世界と伍していく気なのかね?

 DnDなどTRPGの世界では、逆にシャーマニズムやトーテミズムが醸し出す
オカルティズムの味わいが欲しかったのかもしれません。実際にDnDのセッションは悪魔崇拝の集会と誤解されたりしていたので、後ろめたい、疚しい(やましい)気持ちを抱きつつ、こっそり集まって遊ぶものだったようです。うらやましすぎる(笑)。 

 さて、お題は「無神論」。

 このネタはゲイダーさんがかなり真面目にレスしているので、DA3本編に間接的にしっかり関係あるんじゃないかな。

 

 

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コメント

私はこのタイトルを見たときに(´・ω・`)ショボーンという顔になりました(笑
ダークスポーンもブライトも関係ないチャントリー(というかdivineなのかしら?)の話になるのか、それともアーチディーモンも古代神だからそれも含めてなのかしらとかつらつら考えておりますが・・・。
私は本当のところの信仰や宗教の意味は理解できません(理屈としては理解できますが、納得というか共感ができない)。
クリスマスを祝い、初詣にいき、盆暮れにはお墓参りという無節操な日本人の生活そのものを送っているので、あんまり宗教感を前面に押し出した設定はやめてほしいなあと願っています・・・。

>ダークスポーンもブライトも
 DAシリーズにダークスポーンが(そしてウォーデンも)出てこないってことは考えにくいのですが、たしかにメインストーリーじゃないかもしれませんね。

 
>宗教感を前面に押し出した設定
 基本は「メイジ差別・解放」の話でしょうから、強烈な宗教論争があるわけじゃないと思う。
 次の記事でちらりと触れてますが、私が期待するのはメイカーの描き方についてもう少し深みのある話が出てくることなんですね。
 
 チャントリーが瓦解してメイカー信仰がなくなるわけではないのですから。むしろ教会がなくなった場合のセダスの信仰ってどうなるんだろう、とか。

 非常に面白いポスト、ありがとうございます。
 それで先週末ゲイダーさんが
 "初めてBan権使ったよ。BSNを読んだらこのざまだ"とかTwitterで話してたんですね。"職業的サディズムとバランスを取るために叩かれに行っているんだろうね"ってww

 そのアヴェリンの会話、一度もうちで紹介していませんでした(^^ゞ
確かに「あれ面白いこと言っとるな」とは思ったのですが、盲目的な信者では無いという程度のフラグ立てかなと放置した覚えが(はっきり言いなさい、面倒だったからって!)

 神の存在(あるいは不存在)について、ゲイダー代弁者たるフェンリスももちろん語ってます。
Fenis「熱心な信者だった事は一度も無い。俺たちを見捨てた誰かを信ずるのは難しいからな」
Seb「メイカーが君を奴隷にしたわけではないよ、フェンリス」

Fenris「俺は自力で自由になった。もしメイカーが何かしたとしたら、見ていただけだ。なぜ彼にそのことを感謝しなければならない?」
Seb「私達はみな自分自身で選択しているんだ、良い事も、悪い事も。それは私達が決めることで、メイカーがそうさせるわけではない」

 この自由意志を与えられたことによる人間の権利の話は、後でセバとエルシナのバンターにも出て来るので、以外と重要な話かも知れません。まちょっと余談。

 DA2世界に「無神論」者は居ませんね。狭義の意味での唯一神(この場合はメイカー)を信じない人々はいっぱい居るけど、超越者の存在を否定する者は居ない。なぜ居ないのか、というとライター衆にそういう人達を入れるつもりが無いから。それだけ。
 まあ想像ですが、科学技術は近世でも中世のフインキを色濃く残すDA世界に合わないためか、変に宗教色を出したくない(Inquistitionとやっといてそれは無いか)ためか、判りませんけれど。
 それだけのことなのに、「私は神を信じない」という選択肢をゲームに(!?)入れろと騒ぎ立てるというのは、ちょっと理解にクルシミマス。

>いやあ、日本人で本当によかったよねえ、とまた喜びをかみ締めてしまうような、
いやあもうしみじみ、そう思いますね。あちゃらの大統領候補は大変だ。経済に軍事だけでなく、銃の所持に同性愛に"Legitimate rape"、相当下世話なところまで意見を明確にしないといけない。他人の事が気になって仕方が無いんですね。

>むしろ教会がなくなった場合のセダスの信仰ってどうなるんだろう、とか。
教会が吹っ飛んだ訳ではありませんが、中世の終わりのリアル社会では「メイカーとの直取引」、教会の権威を認めずに個々人が聖書を読み神の声を聞きましょう、という改革運動が起きるので、その辺のアナロジーかな、とは思いました。

 個人的には、こういう話も有意義だと思っていたのでご賛同ありがとうございます。

> Twitter
 そうですか。スレッドのコメントからも、近年稀なほど怒り心頭に発してたことが伺えました。ウェイ・トゥー・ゴー、デヴィッド!(笑)

>アヴェリン
 いまどきのクリスチャニティのごく自然な発想でしょう。キリストの教義は本質的には頭だけでは理解できず、ただ信じるしかないようです、って宗教だから当たり前か(簡単に理解できるように解釈された宗派ももちろんあります)。
 とても素直で信者に優しいイスラームに比べて本質的難しさ・厳しさがまるっきり違うらしいが日本人はまったく逆だと誤解している。
 発生形態的に後(イスラーム)のほうが洗練され、整合しているのはすんなり理解できると思います。なにしろ浸透度(普及度)が違います。宗教は人気商売ですからね、そこはものすごく大事。

>フェンリス
 アヴェリンもだけど、メイカーの存在への問い(神との対話)を発しているのだから彼もれっきとした信者であるともいえます。エルフなのにメイカー信仰に染まるという悲哀(すら感じない悲哀)はまた別の話。

>中世
 ここが難しいところで、どうしても現代の書き手は現代的解釈を入れちゃいますよね。私はInquisitionで宗教テーマを掘り下げていいと思っていますが、「哲学的」な部分だけの話に限って言っていたようです。商業ゲームだから自ずと縛りがありますね。

>ちょっと理解にクルシミマス
 変な発想のゲーマー連中は大統領選キャンペーンに参加しないでこっちで騒いでいる気もしないでもない(笑)。

>改革運動
 近代の萌芽、マルティン・ルター、大量印刷技術(ベストセラー聖書!)、カソリック・プロテスタント宗教戦争(世界史だなあ・・・)。やがて啓蒙運動につながり、無神論的発想が生まれ、事実上「神学」絶対優位だった「学問」(哲学は神学者以外が取り扱ってはいけなかった)の世界も改革されていく。
 それらの出来事が起きる前夜の時代に、「無神論はないだろー」というのはごく当たり前の発想だし、現代思想のコンタミを許さない点でも私は支持しますね。
 

>「薔薇の名前」
すごいの引っ張ってきますね。でも鋭いなぁ。
私なんかは、タイトルを考えるだけで頭がショートしちゃいますよ~。

異端者、異端審問、宗教上の論争、哲学、不安な社会とすべて揃ってるもんなぁ。
それに、殺人、謎解き、秘密、タブーも加われば、怖いもの見たさや嫌なもの見たさもそそられる。
論争っていっても、平たくいえば「キリストが死んだ時、財布を持っていたか?」確かそんなことだったような。
教会が財産を持つことの正当性を主張できるかってことだったか。
時代としては、ブリューゲルより前ですが、テンプル騎士団や黒死病とか近いのかな。
テンプル騎士団も異端審問にかけられて、国王に資産を狙われたんだっけ。

映画も本も面白いですねぇ。
映画は地味で暗いのだけど、ところがどっこい雰囲気たっぷりで見所も多い。
俳優もいいとこ揃ってるし。
ア・カペラの聖歌(グレゴリアン・チャント)が印象的だった。
本の方は、構成がミソなのかなぁ。
Vaniさんのように1つのキーワードから、関連するいろんなことがすぐ思い浮かぶような人は楽しいだろうし、特に相性がいいかもしれない。

キリスト教の謎を扱った近年のサスペンスだと「ダヴィンチ・コード」がありますね。
聖杯・テンプル騎士団・記号・暗号。
これって、どうみても「薔薇の名前」の作者ウンベルト・エーコへのオマージュに見えてしまうんですが。

なかなかレスをアップする時間がなかったのですが。

 >「薔薇の名前」

 実はこの発想もある意味パクリです。当たり前ですがアイデア・発想というのは基本よそ様からの借り物ですから。 
(そうでなければ、あなたは生まれた途端に「天上天下唯我独尊」と叫んでいたことになる。釈迦牟尼か)

 
 ウィザーズ・オヴ・ザ・コースト(WotC)がDnDキャンペーンワールドの設定を募集し、一般応募からエベロン・セッティングが生まれました(2004年)。
 エベロンは、MMO/MOのDDO(2006年から)をプレイした人には馴染み深いだろうけど、残念ながらフォーガットン・レルムの圧倒的な人気に伍すまでにはならなかったので、DnD4版では出版が継続されていない。
 だから細部はご存知なくても結構です(CRPGになったのは3.5版を参考にしたDDOだけかな?)。

 
 そのプレイヤーズ・ハンドブックの確か序文に「名前」が載っていたのでここで持ち出したのです。
 メタ的には(販売戦略的には)、ハイ・ファンタジー、ハクスラ(チャンバラ)のイメージがとても強かったDnDワールドに、世の豊穣なフィクションの香りを取り込もうという試みであった。
 とくに、「パルプフィクション」、「伝奇ミステリー」、「探偵もの」、「ハードボイルド」、「スチームパンク」などを中心に据えようというな趣向を打ち出したのです。

 
 その、お手本として「薔薇の名前」、「カサブランカ」、「マルタの鷹」、「ジョボーダンの獣」、「スリーピーホロー」、「ハムナプトラ」、「フロムヘル」、「パイレーツ・オヴ・カリビアン」、「レイダーズ」といった映画作品が列挙されていた。傾向がお分かりになるかな。
 また、基本クラスにスチーム・パンク系のアーティフィサー(なんすかね、機械工芸製品取扱主任者?)を持ち込み(DDOにもお目見えしたかな)、プレステジ・クラスにも、(記憶あいまいだけど)インスペクター(捜査官、探偵)などを作った。


 映画「薔薇の名前」についていえば、いただいたコメントで列挙されたとおり、上でいうスチームパンク以外の多くの要素が含まれています(スチームパンクさえあったかもしれない)。
 小説「薔薇の名前」も一部「シャーロック・ホームズ」へのオマージュであるという説がある(バスカヴィルのウィリアム!)。
 エベロンの試みと同じように、博覧強記な著者が世の様々なフィクションの香りを取り込もうとしていたのですね。
 そしてDA2ではないが「枠物語」ですね。正しくは二重の枠物語。確か「フランケンシュタイン博士の怪物」もそうだったかな? オマージュ?
 
 ご指摘の論争は「清貧論争」ですね。でもこれは物語りの本筋とは関係のない、特にそれ自体に意味は無いけど(なんとでも置き換え可能)、物語を前に進めるための仕掛け、小道具、餌、ガソリン。ヒッチコックのいうところの、なんつったかなあ、調査中・・・。マクガフィンか! あ、作中登場するアリストテレスの「詩篇」もそれだ。 

 おっと、記事一個儲け。マクガフィンでいってみましょう。

 「ダ・ヴィンチ・コート」はコメントに一旦書いて消しました。やっぱ「薔薇の名前」とならべるのはどうなんでしょうか。
 結局のところ、諸星大二郎だもんなあ(しつこいな)。

>ダヴィンチ・コード
ごめんごめん、私の書き方が悪かったです。
イメージしてたのは、「薔薇の名前」じゃなく「フーコーの振り子」の方だったんです。
てか、蛇足でしたね。ホホホ…。

 あ、そっち(「フーコー」)は読んでいないです。
(「ダ・ヴィンチ」もトム・ハンクスで知ってるだけで読んではいないです。流行ものはできるだけ避ける天邪鬼なもんで(笑)。しかも映画も、あれ面白かったかい?)。

 おー、面白そうなあらすじですねえ・・・。テンプラーですか。読んじゃおうかなあ。

 積んである・やりかけのゲーム10本以上(増加中)、観たいDVD/BD10本以上、読みたい本20冊くらい(どんどん増加中)。
 読めるのか・・・。時間があるのか。

 あぁ、エーコは、面白そうな本が多いなあ。「物語における読者」、「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」、「完全言語の探求」・・・。
 メイカー、我に時間を与えたまえ!

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