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2012年9月21日 (金)

【DA3】戦慄のオールドスクール派

 BioWareコ・ファウンダーのドクターたちのデパーチャーについて、口さがない(ノン・アメリカンの)UKメディア(Metro)は私とまったく同じ発想にたっていますね。

"Although the natural assumption is that the two doctors (the pair met while  getting their medical degrees) had become frustrated at the corporate culture at  EA, they had nothing but praise for the publisher in their leaving messages."

 生き馬の目を抜いちゃう輩の目も抜いちゃおうとするカットスロート・アイランドな輩が徘徊蟠踞、跳梁跋扈する典型的な「アメリカン大企業」のEA。カナダの片田舎(失礼)、エドモントン出身の素直なおふたりは、その邪悪なコーポレート・カルチャーと折り合いがつかず、表面上はSWTORの「失敗」などの責任を取らされ、あっさり追い出されちゃったんだろうなあ。 

 期せずして、SWTORのいくつかのサーヴァーも近く電源が落とされるようです。

 おふたりともEAへの売却益を含め、お金はうなるほど持っているから悠々自適だろうけど、ムジカ氏の「もうゲームビジネスには手を染めない」という訣別の決意からそんな推測をしてしまいます。(ゼスチャック氏のほうはたぶん相棒に引きずられたんだろうかね。フェアウェル・ノートも未練たらたらであったが。それともゼスチャックが嫌気をさしてムジカ氏が付き合ったのか、わかりませんけどね)

 それとも関係するのが、Frostbite2エンジンの話だと思うのですよ。あらゆるプラットフォームをつなぐというEAの画期的な商品戦略(笑)、少なくともコンソール・マシンとPCの世界ではその実現の尖兵となるゲーム・エンジンである(Wii Uまでカヴァーしちゃった)。
 つまり、今後EAでヴィデオゲームを作るのであれば、当面このエンジンを用いることから逃れられない。
 さらに、Frostbite2エンジンを用いるということは、本格的マルチプレイ化の話にもつながる。

 ME3の開発者(オーディオ担当)によれば、ME3開発の時点ですでにDICEのBattlefield 3の開発者と協業は行われていて、例えば銃撃戦における音響のリアリティについてDICEが有している知見を取り込んでいると言っていました。 
 ME2とME3を続けて遊ぶと(そんな奇特な輩は私の他に余りいないだろうが)、私のPCにくっついてるごく普通のサウンド・デヴァイス(ステレオ・スピーカーです)でさえ、音響まわりの品質が違うことがわかります。というかME3のウェポニーは、そういう高度な音響設計を前提にして仕様が設定されていることがわかる。どちらかというと「どれも一緒」だったME2の武器に対して、ME3の多くの銃器類のサウンドには明らかな特徴がある。
(ME3はUnreal Engine 3を用いている)

 
 ME3のマルチプレイ化は、開発がだいぶ終盤に差し掛かったところでどたばたと決まったような印象があります。発売を半年延期したのもその影響があるでしょう。EAのCOOムーアが打ち出した「全プラットフォームを繋いじゃう計画」に即したものと考えるとタイミングも合っている。
 
 DA3にそのDICEのFrostbite2エンジンを持ち込むということは・・・。 

 被害者意識の強い(むしろ被害妄想とまで言えるレベルに到達した)オールドスクール派は、「DA3マルチプレイ化ゼッタイ反対! ダメなものはダメ! セダス大陸は某国固有の領土!(おいおい)」とわめきちらしているのではないでしょうか。
 BioWareフォーラムにDA3のコーナーができて、すでにものすごい数のスレッドが立っていますが、まだじっくり眺める時間がありません。でも「マルチプレイ絶対反対」のスレッドはきっとたくさんあると思う。

 オールドスクール派のどうしても譲れない「こだわり」はいくつもあるので、最近のどんな新作CRPGも「けしからん!」という評価を受けるのは避けられないのです。
 

 すでにゲイダーさん(リード・ライター)が、フォーラムで「ソロ・プレイのストーリー上のクリティカル・パスにマルチプレイが必須なんてことはしない」と断言していますから、ME3のように「マルチプレイをやりたくない人はやらなくて結構」というスタイルは踏襲するはず。

※ ME3の全てのエンディングを観るためには本当にマルチプレイ(あるいはiOSソフト)が必要なかったのか。その点については疑問があるのですが、Extended Cut(EC)では発現条件が大幅に緩和されたので、それ(無料)をダウンロードで入手すれば問題はない。

 
 だから議論は、「DA3にはどのような形で、どの程度、マルチプレイが組み込まれるのか」になると思うのですが・・・。

 「マルチプレイをやりたくない人はやらなくて結構」というスタイルであるとの前提を置いても、「マルチプレイ絶対反対」という主張はなぜ行われるのか。

 オールドスクール派の「こだわり」のひとつに、ソロ・プレイ=ストーリー・ドリブン・キャンペーンという前提を置いているというものがあります。
 それに関連して考えられる主張のひとつはこんなのですね。

1.マルチプレイ化によって、開発リソースが分散されてしまうわけだから、ストーリーが薄まる、水増しされる、水っぽくなる(ウォーターダウン)、ダムダウンされる。

 この前半を、「コンソールマシンとのマルチプラットフォーム化によって、カジュアルに媚びてしまうわけだから」と書き直しても通用しますが、それはまた別の話。

 Bethesdaのトッド・ハワード氏は、Skyrimのマルチプレイ化という「ファンの要望」を締め出しました。その理由こそ「開発リソースが分断され、ソロプレイが満足に開発できなくなる」というものでした。Skyrimリリース後、The Elder ScrollsのMMOが発表されていますが、別の開発チーム構築が必要だったということでしょう。
 

 この開発リソースの問題は、ソロ・キャンペーンとマルチプレイの両立化を実現したME3のリリースによって「確かに開発現場に混乱を招いたような節はあるが、致命的な問題にはならなかった」ということができるかもしれない。これには「あの(出来損ないの)エンディングこそ、マルチプレイ化の被害者である」という反論があるのかな。

 私もリソース不足の弊害がまったく「なかった」とは言いません。ECで追加されたいくつかの「物語の穴埋め」シーンにはやっぱ最初からあったほうがよかったと思われるものがあるから。それとBioWare伝統の「物語のその後」、アフターマスの紙芝居は欲しいですよね。
 でもリソース不足はマルチプレイ化によるものだけではないと思う。リーパーズの物語をあそこまで風呂敷広げちゃったのだから、オチの付け方は非常に狭まりますしね・・・。

 
 それから「消費者」の立場の議論では、こんなのがあるかな。

 
2.ME3にユーザーが支払った60USDのうち、結構な部分がマルチプレイ・ポーションである。故にマルチプレイに興味のないユーザーは正当な対価以上の金額を支払わされている。つまり、いらないものの分まで買わされている。

 
 この議論は難しいですよね。まず60USDが正当な対価かどうかなんてわかりゃせんのだ。
 ソロ・キャンペーン部分で60USD支払うのが仮に「正当」なら、マルチプレイ・ポーションは余分に支払わないといけないはず。実際には、ME3のマルチプレイは今のところほぼ無料で遊べる(少なくとも入り口で締め出されない)ので、この論法だとBioWareからユーザーへの「ギヴアウェイ」(おみやげ)ということになる。

 正当な価格はそもそも60USDではない、ソロプレイ部分なら例えば40USDであるべきだ、となると議論は根底から破綻しますよね。第一その架空の金額は何に基づいてそうなのか?
 ゲームの価格はそのようには(コスト・マークアップ方式では)決められていない。

 ゲームのコンテンツは、60USDというAAAタイトルの場合の一般的な出口価格(いわゆる業界慣行)と、目標とする販売本数と、開発期間(すなわち開発コストの大部分を占める人件費)と、どのレベルのテクノロジーを駆使しなければならないか(AAAタイトルなのかそうではないのか)、そういった縛りから逆算しておのずと決められてしまう。
 その制約条件(縛り)の中で、「Co-opマルチプレイ」というフィーチャーの導入がME3の販売政策上「有益である」という判断が下されたのでしょう。あるいは将来展開に向けた「実験的試み」なのかもしれない。

※ ObsidianのProject Eternity、その最初の作品をひとりのリード・プログラマーが中心となって、ジェネリックな開発ツールのみ用いてほとんど書いてしまうのなら(おそらくそのつもりじゃないかな)、目標開発コストはKickstarterに提示したように1.1百万USD(うち0.1百万USDはKichstarterとAmazonの取り分なので、実質投資額は1百万USD)で済んでしまう。

 販売価格は50USDで、開発期間は1年半(2014年4月リリース予定)。販売本数はもちろんわかりませんが、既にダウンロードするつもりのユーザー(Kickstarterの投資家)が4万人くらいいる。コスト見積もりが正しいならブレイクイーヴンを実現していることになり、Kickstarterの投資家以外のユーザーが購入した分は(ユーザー増加に伴って上昇するオーヴァーヘッド・コストを一部除いて)すべてObsidianの儲けになる。収穫逓増の法則。ま、あくまで見積もりが正しいという前提。世の中そううまくはいかないのが常だけどね。

 Kickstarterに集まった金額は現時点で1.7百万USDを超過していますが(締め切りまであと25日)、予定を超過して集まった投資金額はストレッチ・ゴールのスケジュールに従って開発にぶちこまれます。すでにMac版が追加され、プレイアブル種族がひとつ追加され、シナリオが拡充され、アドオンが企画され・・・。2.2百万USD(実質投資額2百万USD)を超えたらLinux版が追加? それはいらんのだけどなあ・・・)

 Project  Eternityについての次のTIME誌の記事は面白いかもしれない。

http://techland.time.com/2012/09/18/kickstarted-old-school-project-eternity-rpg-gets-funded-could-it-raise-10-million/

※ Project Eternityの話はここまでで終わり。 ※

 感覚的にはもちろん、ケーシーたちが相当の開発努力を投入したME3マルチプレイ部分をまったく見ないのは、なんとなく損だなあとは思いますよ。ただしこちら(ユーザー側)のオポチュニティ・コストの問題もあるからねえ。私の場合はマルチプレイに時間を費やすことは「ペイしない」と思ったわけです。

3.どんなマルチプレイにも必ず汗臭いガキが出没する。許せない。

 
 これもためにする議論で、言っている本人はマルチプレイをしないのだから汗臭いガキと出会うことはないわけだ。問題なし。
 類似したものに「どのようなマルチプレイも莫大な時間を投入できるハイ・プレイヤーには勝てない。自分はハイ・プレイヤーではない。だから勝てない。許せない」ってのもあるかな。

 結局自分はマルチプレイそのものが嫌いなのだから、DA3にマルチプレイが導入されるのは気に食わない、と言っているわけですね。

 でもマルチプレイは誰からも強制されないんですよね。またマルチプレイ空間にはなにも汗臭いガキやハイ・プレイヤーだけが出没するわけではない。というかそういうのは少数派ですよ。この手の議論にはやはり傲慢さが感じられる。

 
 発展系としては、「自分が心から愛しているDAやMEの高尚な世界を、わけわからん連中がマルチプレイで台無しにしている」というものがあるかな。
 これはわからんでもない。自分もかつて、DDOでD&Dの世界が一部メチャクチャな扱いを受けていると感じて憤慨したことは確かにあった。開発サイドがチョンボを仕様と言い切ったことに端を発するのだが。

 でも、これも結局上の議論と一緒で傲慢でもあるのだ。「わけのわかる奴」が必ずいるから、そういう人たちとつるんでいればよいだけの話。
 

4.マルチプレイ・ポーションの開発に時間がかかって、DA3のリリースが遅れる。

 
 明日をも知れないレミングスとしては、この意見にはアグリーしたい(笑)。

 つっても、BioWareくらいのスタジオであれば同時並行開発であることは間違いないし、すでに2013年末リリースと公表されているので、それが守られるなら何も言うことはないですが。

 気になる次世代コンソール・マシンは・・・、2012年末には出なくて(Windows 8に合わせるのは無理?)、2013年末に発売なのでしょうか。タイミング的にやばいか? 次世代コンソール向けに開発期間延長?

 
 日本語版については・・・。翻訳・アテレコ自体はコンカレントなローカリゼーションが期待できるなら(わかりませんが)そうは遅れないと思いますが、うーん、マルチプレイ・サーバーかあ。ハードルあがっちゃうね、スパイク・チュンさん。これはネックになりかねないな。うまいことやってほしいけど。

 
 どのようなマルチプレイがどの程度導入されるのか。それはまったく別の議論なのですが、Frostbite2エンジンを持ち込むことが明言されたので、iOSやらブラウザゲーやらとのタイアップというお茶濁し程度ではなく、ME3と同じくパッケージに同梱であることは間違いないと考えていいでしょう。

 素直に考えると、ダンジョン・オンリーの少人数パーティー探索もの(Co-op)かな?
 DDOなどの類似MMO/MOでも、そういう趣向が一番面白い(かつ、たぶんステージを量産するのも簡単)と思ったもので。 
 残念ながらストーリー性はあまり醸し出せないでしょうけど、凶悪な罠とか、複雑な迷路とか、面倒な仕掛けとか、そんな「オールドスクール派」も喜びそうな趣向てんこもりでしょうかね。 

 ま、「オールドスクール派」はそれにすらケチをつけるだろうが。だって「オールドスクール派」だから。
 
 

 

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コメント

>エドモントン出身の素直なおふたりは、その邪悪なコーポレート・カルチャーと折り合いがつかず~
そうだったら、何ともやりきれませんね。
心血注いだものとの訣別の決意って、言葉以上にせつないものがありますよ~。
フリン氏のお二人への贈る言葉も、じわじわきます。
Bioには、ゲーム作りに対する心意気を感じる部分が大きいので、それも受け継がれていくのを期待したい。

>SWTORのいくつかのサーヴァーも近く電源が落とされるようです
だから言ったじゃないのぉ~。てか、F2Pといい、見切り早~っ!
傷口が広がらないうちの早い対応は、プレイを続ける人にとってもいいことなのかもしれんが…。
何年も前から念入りにリサーチしてのスタートのに。
WoWの強さは別として、MMOの有り様がここ3年ほどでかなりのスピードで変わってきてるのかもなぁ。

>ダメなものはダメ! セダス大陸は某国固有の領土!
過剰に騒げば、自分の方にも痛みが少なからず返ってくることもあるんですよねぇ。
某大陸人民の暴動と同じレベルだったらマジ困る~。
「3」については、Vaniさんのように冷静に考えれば、損も害もないって分かることなんだけどねぇ…。
「4」は、普通にゲームを楽しむ人の期待感だからアリでしょう。
私は、「1」「4」かなぁ。「3」まではいかない。マイペースでプレイしたいだけです。

やっぱ鍵は、Frostbite2の動向と対応なんですなぁ。

 ようやくDA3のフォーラムを一通り覗きました。Frostbite2についてそれほど騒いでるわけではないし、マルチプレイについても実装されるのはもはや既成事実という受け止め方の人が多い。ソロ・キャンペーンを邪魔しなければ問題ないと。
 BSNもだいぶ上品な雰囲気に戻ってます。今のところは。

 
 共同創業者たちは、DA2エキスパンションの開発中止、ME3エンディングの無償リメイク、SWTORのサブスクライバー失速、このスリー・ストライクの責任を取ってステップダウンということでしょうね。
 おふたりとも確かまだ50前ですからね? いくら億万長者でもアーリー・リタイアメントにはちょっと早い。
 EAから追放されたゲーミングのアイコンといえば、やはりLB(ギャリオット氏)の名前が真っ先に浮かびます。ジョブズだって自分の創設したアップルから叩き出された。

 
 大企業官僚文化と、カリスマのクリエイティヴィティが折り合いつくはずないんですよね。それを「まるで折り合いがついているかのように」振舞う気持ち悪さに、おふたりは嫌気が差したのかもしれませんね。

 
>過剰に騒げば

 
 DA2でもME3でも勝手に騒いだ奴らは、だいたいプレイなんてしてないのがほとんどでしょう。オールドスクール派は私には理解不能な理由で怒っている(主人公にVOはいらない!とか)ので、決して理解はできないし、理解したくもないけど、彼らに怒る理由があることは理解できる。
 ですが、ただ騒いでたやつらは大企業や権威が許せないだけか、面白半分のバンドワゴンかどっちかだからね。

 DA3リリース時までにまた暴動は起きますけどね。これは避けられない。だってプレイしなくてもゲームが不出来だとわかる天才エスパーたちが騒いでるんだから!
  
 インターネットのおかげで、本当に文明は進歩したんですかねえ・・・。

 

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