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2012年9月 2日 (日)

【ME3】Leviathan (2)

 "Leviathan"(リヴァイアサン)、終了。

 日本人はいっこも海洋民族じゃない、日本も海洋国家ではない、という自説がまた補強されました。島嶼問題になんとなく気がつかないふりしている人が多いのも、海洋(オーシャン)についていまいち想像できないからなのだろう。ましてや、領土で敵対している他諸国も全部海洋国と違う。あれらの問題がぐだぐだ感満載なのは日本だけのせいだけじゃなくて、プレイヤー(参加国)が全部素人だからだと思う。

 もちろんわが日本民族は(そんな名称が付されるずっと前から)「海賊」としては超優秀な民族だったらしく、周辺海域では「倭寇」は海賊の代名詞だった。「倭寇」と呼ばれた海賊の全部が日本人ではなかったにも関わらず、その悪名を押し付けられたことからもわかりそう。
 でも、そういうレベルなら半島国も大陸国も、ロシアだって似たような海賊活動は盛んだったわけだから、それをもって海洋民族なんていえない。

 海洋国家セオリーの創始者マハンの説を引いてしまうと、なんだか日本は海洋国家に当てはまってしまうので引かない(出た、牽強付会)。ちなみに日本が海洋国家だと主張しているのは、マハンではなく受け売りの日本人たち。
 確かに、大日本帝国海軍はその「海洋国家」セオリーに準拠して、あるいは盲信して(準拠していた先進列強諸国の発想に盲従して)「海ゆかば」の世界に邁進していったのだろう。
 そして、やっぱりうまくいかなかった。第一次大戦後に各国国家予算逼迫の解消という名目ではじまった海軍軍縮会議(交渉)の場にアングロサクソン連合(米英)に引きずり出される程度には強大化したのは間違いない。しかしそれはその時点でアングロサクソンの海洋支配を阻止する勢力の最後の生き残りだったから、だけの意味しかなかったわけです。出る杭は打っておこうという意味。あきらかに日本を外交で叩く意図で開催された。
 なお仏伊も比較的大艦隊を有していたが、両国は地中海支配に注力せざるを得ないので勢力圏は極めて限定的であった。それ以外の国の海軍は事実上無きに等しかった。

 (実は現在でも事情はあんまし変わっていない。本邦納税者は気がついていない人が多いけど、日本はれっきとした大「海軍」国です。予算カットにさらされてきた女王陛下の海軍、ロイヤル・ネイヴィーに言わせれば、米日の後塵を拝している状況を打開したい、USネイヴィーに追いつくのは無理としてせめて海自くらいの海軍力には復帰したい、という思惑があるそうだ。世界のワン・ツーが太平洋に遊弋(ゆうよく)しているからワナビー・スーパーパワーの大陸国(海軍三流国)は気が気じゃない。もちろんUSネイヴィー以外の世界のすべての海軍を束にしてもナンバー・ワンに勝てないのはご承知のとおり)

 帝国日本海軍が滅んだのは、というか日本の海洋国家戦略が瓦解したのは、戦略ミスなんてレベルではなく、DNAレベルで海洋支配のお作法が身に染み付いていなかったのだろう。もちろん当時のUSも日本同様に海洋支配はへたくそ、ろくにできていなかったのだが、日本よりましであったはずだ。

 「四方を海に囲まれた島国(列島国)」だとか、「輸出入でしか国が立ち行かない貿易立国」だとか、「南の島に心のふるさとがある、ヤシノミに懐かしさを感じる」という集団幻想であるとか、「タコとかイカが好き、あとアワビも好き」とかでまるで条件が整ったように考える向きがあるが、まだそれだけじゃただの島国国家だ。南国びいきの幻想があるのかどうかは私にもよくわかんないけど(注)。

 それだけで海洋民族とは呼べないし、海洋民族でなければ海洋国家は築くことはできない。

 (注)詳しい方もおられるだろうが、あれこそまさに「共同幻想」の捏造じゃないだろうか。吉本隆明だったか誰か忘れたけど、南の島から流れ着いた椰子の実に懐かしみを感じる(ルーツを感じる)という集団幻想が日本人にはあるかのように皆を誘導する集団幻想。

 リヴァイアサンDLCについては下で結構けなしていますが、そこで描かれる海洋惑星のヴィジュアルはとても優れています。なんで白人(もとい)あちらの人が作るとこんなにすばらしい出来になるのか、日本人が作ると見事にいっつもしょぼくれているのはなぜか、とても不思議でしょうがない。ちなみに日本人が作った海洋ものの最高傑作を小説でもコミック、映画でもいいから作品あげてみてください。私はなんと何も思いつかなかったのだ! (「サブマリン707」じゃないだろう、いくらなんでも)
 ヴィデオ・ゲームにはなにかありそうだが。

 例えば、スター・ウォーズ、エピソード2の海洋惑星シーン、エピソード1の深海シーンなどいずれも圧巻であったが、そこらへんが今回リヴァイアサンDLCのヴィジュアルと連関しているわけです(もちろんかけている予算はスター・ウォーズのほうが圧倒的に高そう)。

 それらに限らず、あちらの海洋ロマンは小説でも映画でも、圧倒的にすばらしい。うそだと思ったら、ちょっと前の傑作、ラッセル・クロウ主演の映画"Master and Commander: The Far Side of the World "でも観たらいい。英仏単艦どおしの追撃戦、ごくごくマイナーな戦いがどうしてあんなに面白くなるのか不思議でしょうがない。
 それよりも何よりも、どうしてナポレオニック・ウォーの英仏艦船が南米マゼラン海峡あたりをうろついてお互いに狩りあっているのか、その時点でロマンだ。
 ジャック・スパロウ、「カリビアン」シリーズだって馬鹿にしてはいけない。たしかにちょっと(かなり)奇想天外過ぎるけど、海洋ロマンのエッセンスは正しく継承されているのだ。

 また「リヴァイアサン」には、本編にまったく関係ないものの、海洋惑星に墜落した難破宇宙船のクルーたちのその後の運命が事細かにわかる仕掛けも用意されている。
 航海には遭難、難破がつき物で、おそらくそれらの災難から生き残った者たちが語り伝えたおぞましい物語というものも、あちらには数限りなく残されているのだろう。 

 海の「リアリティ」に関するあちらの人たちとの感度の違いは、そういう部分にも影響を受けているのかもしれない。    
 
 日本ではせいぜい「海は死にますか」、おっとそれ違うか、「群青」とかあんな程度。「海」をひとつも感じさせないのは、わざとやってるのかと思うくらいだ。

 日本人が得意なのはせいぜい、海岸っぺり。多数のRPGなどのゲームが海岸・浜辺の風景から始まりますよね(最近ではドラゴンズ・ドグマ、FFXIII-2が記憶に新しい)。すなわちサーファー・レベルだ。
 もちろん「事件」がやってくるのは海の向こうから、というのは島国には自然な発想でありますが、実は例えばドイツのRPGでもとても多いんですね。私はそのこと自体が日本人も当然ドイツ人も「海洋民族」ではない証明だと思っている。

 日本人はやっぱ「森の民」なんでしょう(もちろんドイツ人もそうだろう)。ジブリがずるいのは(受けるのは)、そこら辺をよく知っているからなんだろう。

 (以下、軽いねたばれと若干の画像あり)

 リヴァイアサンは、残念ながらイチオシノDLCというわけではない。 

 シタデル銀河でも屈指の謎(エニグマ)の解決編であったME2のDLC"Lair of the Shadow Broker"ほどの高評価は得ていないし、コンバット関係の新規さではME3のデイワンDLC"From Ashes"(のリリース当時の感動)にもかなり負けています。

 実際コンバットに期待してしまうと、新規性はゼロ評価になってしまい、がっかりするでしょう。
 いつも参照するゲームサイトのスコアもIGN7.5、GameSpotのケヴィンはなんと6.0と手厳しい(どちらもX360版の評価)。
 ケヴィンは新しいストーリー要素についての紹介に説明口調が続いたのが気に食わなかったようだ。それから、両者とも前半の調査・探偵活動の冗漫さを指摘している。調査ものの好きな私にとっても、たしかにちょっとくどかったかな・・・。

 舞台は何箇所かに切り替わるのですが、何度も繰り返し訪れる場所があることもあって、とても惜しいことに銀河を股にかける感には乏しい。

 ただし、物語自体は(ネタバレになるので何も書きませんが)、へえ、なるほどねえ、と思わせるものであった。やって損はありませんよ。

995
 ハスク・ヘッドの発想は、映画「エイリアン」、「プロメテウス」へのオマージュなのか。

1103
 これはなかなかお気に入りのシーン。海洋惑星以外にも行くんですよね。

1457
 バミューダー海域ならぬ、宇宙船の墓場。難破船のクルーたちの悲惨な運命が淡々と描かれている。
 惑星名Despoinaにもギリシャ神話に由来する隠し意味があるようだが、 ネタバレになりそうなので割愛。

1491
 この風浪(うねり?)と難破船に打ち寄せる波の表現。グラボメーカーをほめるべきなのかどうなのか。

1517
 完全な偶然ですが同行クルーふたりのおべべも、このブルーのモノトーンチックな画像にどんぴしゃの青がかったものを選んでいたのです。なんかラッキーな気分。

1586
 たまたま難破船に搭載されていたダイヴィング用アトラスという超ご都合主義のマシンに乗って海中へ。

1592
 こちらピー・ワンゼロ号、応答願います。(古すぎて誰からも応答なし)

1609
 まあ、深海を自在に動きまわれるわけじゃない。あくまで雰囲気を堪能。

 Extended Cutなど出さず、このDLCを8月の暑さ真っ盛りの時期に出してもらえれば、少なくとも清涼の趣きだけは味わうことができたのに。残念すぎる。

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コメント

 マスエフェクトDLCから日本の海洋国家の言われへの雑感の半端なさに驚いてます(笑)。面白すぎる。


 海洋ロマンを描くのが白人上手い上手いって話はやっぱ俗流に考えてしまうと海を越えていく植民地主義のスタンスのなせる技で、そこを軸にしちゃえば未知への開拓ロマンのものってのはアメリカ映画をざっくりと振り返ってもあまりにも多く、そしてこれまた日本では思い当たらない。

 そういう開拓(≒侵略)精神&現代世界のコンテクストを構築しちゃう精神と歴史をやっぱエンタメ関連にて結実したのが海洋ロマンであったり、やや話ずれるかもですがミリタリーシューターの精神と繋がるのではないか?という風にも感じます(極めて乱暴な雑感ですが)。

 ただ現代でのそれは例外なく行き詰ってて、リアリティのディテールの薄めの方面(ファンタジー、歴史時代劇方面)で開拓侵略ロマンの美的な精神と歴史がバーンと花開いてるんじゃねえかな、と。

 アサクリ3も舞台アメリカ海戦ドーンだしああ確かに上手いよなあとおもいますし、日米のRPGのゲームデザイン以上のコンテクスト的違いなどうっすら考えてますが、なににも増してその精神と歴史がでかいと改めて思いますね。

 

 「海洋」にこだわらずとも、「フロンティア」の分野で考えると確かに彼我の間に絶望的なスケールの差がありますね。 
 本文に書き忘れちゃったのですが、ME2「シャドウブロウカー」の司令船が隠れている電気嵐の惑星のヴィジュアルも「やられたなあ・・・」と思いましたし。陳腐な言い方だとセンス・オヴ・ワンダーってやつ。

 あちらの人(この定義も雑だけど)には「フロンティアの精神・経験が染み付いているから」なんでしょうが、では「なぜ、連中はフロンティアの拡大に邁進したがるのか、日本人は余りしたがらないのか」という話なんですね。こんなところでとても書ききれるテーマではないのでしょうが、俗説では狩猟民族だからとか?(かなりいい加減だと思いますが)
 キリスト教絡みもあるんでしょうね。

 「スター・トレック」の受け取り方も全然違いますね。
 
 シューター(FPS)は、日本では生まれなかったし、発展もしなかったでしょうね(そしていくら売れそうだからって、これからも余り手を出さないほうがいいと思う、「バイナリー・ドメイン」とかチャレンジングだと思ったけど)。やはり「MGS」は出るべくして日本から出たんじゃないかと(そしてあちらにも、しっかりパクられている(笑))。
 DNAレベルの欠落までは言いませんが(なにしろ、かつては世界一の鉄砲保有国だったのですからそれは違います)、文脈(コンテクスト)というか、お作法というか、何かがずれてる気がします(MGSでも実は少し感じるのです)。

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