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2012年10月18日 (木)

Project Eternity クリス・アヴェロン インタヴュー

 Obsidianのクリス・アヴェロン(注)とオーディオ担当のインタヴュー@RPGfan。
 やたらと( )が多用されているので、おそらく対面式ではなく、メールかなにかデジタル媒体でのやり取り。

 
(注) Chris Avellone

 Fallout 2の開発にも参加しているが、最も著名な作品はリード・デザイナーを勤めたPlanescape: Torment(1999年リリース)。
  Icewind Daleシリーズなどに参加し、Star Wars: Knights of the Old Republic II(2004年リリース)でリード・デザイナー。Neverwinter Nights 2(2006年リリース)などを経て、ObsidianでFallout: New Vegas(2010年リリース)に参加。

http://www.rpgfan.com/features/Project_Eternity_Interview/index.html

Q: Project EternityなどのRPGがKickstarterで成功を収めたことは、大手パブリッシャーの注目を集めるだろうか?

 
A(特に断らなければクリス): Kickstarterの出資額程度では従来型のパブリッシャーの注目を引くのは無理だろう。だがリリースした作品が百万本売れたとなると、話は違ってくるだろう。 

Q: Arcanumが今も自分のお気に入りゲームのひとつだが、プレイヤーの選択の幅が広いことがその理由だ。プレイヤーがなにか「特別」な存在となるような独創的な仕掛けは用意している?

A: キャラクター・クリエーションでプレイヤーに制約をはめるようなことはせず、お望みのキャラクターを創れるようにしたいと思っている。Icewind Daleのヒーローたち(のヴァラエティ)と、Planescape:Tormentの主人公(の際立った特徴)との違いでいえば、プレイヤーの選択をより自由な形で幅広く与える方向を志向している。プレイヤーは文化的な、あるいは出自・生い立ち(バックグラウンド)によるトレイツ(資質)を選ぶこともできるが、それすらも強制するようなことはしない。

Q: (RPGの)伝統的な世界に回帰しようとしているのは理解しているが、Project Eternityが「試金石」となりそうな、なんらかの新しい仕掛けは考えているか?

A: 過度のネタバレを避けて言うとしたら、ソウル(Soul)の転移によるスペル(呪文)メカニズムの中核的な部分と、この世界観の中でそれが(個人的に、社会的に、神学的に)どう受け止められているのか、そういった部分がプレイヤーに末永く印象を与えることになると思う。

 しかしそれと同時に、われわれの主要なゴール(目的・目標)のひとつはBaldur's Gate、Icewind Dale、そしてTormentのプレイ経験の楽しさを、それぞれのタイトルの長所を用いることによって再現することにある。プレイヤーを没頭させて離さないRPGを創るのと同時に、そうした過去の名作を覚えているプレイヤーたちがそれらの作品を久しぶりにプレイしたくなるように促すことも狙っている。今日のマーケットでこの種のゲームを見かけることは極めて稀であるか、あるいはまったくないので、われわれはたとえ巨額の予算がつかなくても、そうしたRPGがまだまだ成立するし、成功さえすることを示したい。

Q: 古典的RPG作品で、後世にきちんと伝わらなかった部分はあるか? このゲームではそうした問題にどのように取り組むつもりか?

 
A: 真にパーティー・ベーストのロールプレイング・ゲームを見かけることは難しくなってきているが、その理由には、コンソール機システムのインターフェイス(コントローラー)の制約がある(そして、ほとんどのRPGは投資効率を高めるためにコンソール版と同時にリリースされる)。

 PCというプラットフォーム(Mac、Linuxを含む)に特化し、そのマーケットにプレイヤーを絞り込むことで、伝統的なInfinityエンジンのゲームスタイル、すなわちパーティー体験に必要となるインターフェイスのサポートが十分に可能となるのだ。ゲーム世界の探索、パズルやチャレンジの解決、交戦時に特別なフォーメーションを用いるような戦術的なアプローチ、一瞬ごと、一手ごとの細かな操作など、パーティにいるそれぞれのキャラクターを全部操作(コントロール)したいと考える人がいるとしたら、このゲームでは可能になる。

Q: Project EternityはWasteland2の援助を受けたが、ゲーム開発で何か協力したり、エンジンなどを共有するつもりか?

A: ブライアン・ファーゴ(Brian Fargo)とinXile は、すでにロジスティックスについてのアドヴァイスや(Kickstarterプロジェクトに関する)事後検証で協力してくれているし、さらにはWasteland2の製品自体をタイアップ・プロモーションのために提供してくれた。ブライアンはかつてInterplay時代にわれわれのほとんど全員を雇っていたのだが、今でも親交が続いていること、さらにわれわれを応援してくれていることにはとても勇気づけられるし、お互いのRPGに対する愛が同じくらい大きいことも表しているのだと思う。

Q: 音楽面での目標は何か? 作曲者は? サウンドトラックを手に入れるのは製品を購入した全員か、それともKickstarterに投資した者だけか?

A:(ここの回答はジャスティン・ベル(Justin Bell), オーディオの帝王(Audio Overlord))
 なによりも、このゲームの豊饒な物語と世界観を支えるために 音楽をエンハンスしていきたい。
 そのために、耳に残るような興味深いアンサンブルによって演奏される力強いテーマを用いるつもりだ。最終的には演奏するスコアのあらゆる部分を、Infinityエンジンゲームのサウンドトラックと同じように、長く記憶に留めてもらえるものにしたい。作曲者はまだ公表していないが、近い将来きっと明らかにする。最後の質問については、Kickstarterの募集期間が終了してからサウンドトラックをリリースしたいと思っていて、その方法についてはいろいろな選択肢を考えている。

Q: Obsidianに対する評価として、少しアンフェアかもしれないが、風呂敷はでかいけど、ゲームは最後までなかなか完成品と呼べない、というものがある。それはなぜか、Kickstarterというモデルがそういう問題に変化を与えるのか。

A: Eternityでは、RPGについてわれわれが好きな部分、特にInfinityエンジンスタイルのゲームにフォーカスしている。われわれがこれまで何度も繰り返し手掛けてきた分野でもあるし、それだけではなく、最新式のグラフィックカードやら、物理エンジン、大々的な声優陣などといったたくさんの装飾物を必要としないメカニズムにフォーカスしている。われわれはまずRPGありき(the RPG first)という考えにフォーカスしていて、そうしたゲーム体験を提供するためには直接関係のないリソースを多く用いる必要はないと感じているのだ。

Q: アイテム生成システムはどんな感じ? Diabloスタイルの「形容詞付加方式」ランダム生成システムか、それともユニークな武器を一から制作できるのか?

A: ここまでのデザインの取り組みは、ランダマイズではなく、手作り(ハンド・クラフティング)にフォーカスしている。例えば、Infinityエンジンゲームでも特別なアイテムを創造するのがとても楽しかった(個人的にはIcewind DaleやTormentでそれぞれの魔法アイテムに背景となる物語、ロア(伝承)を書き、基本能力に特殊なパワーを付け加えるのも楽しみの一部であった)。追加されるアイテム類の詳細は将来のアップデートで明らかにするつもりだ。

Q: ゲームエンジンは、古典的2Dスプライト、それとも3Dモデル? それを選択した理由は? もし2Dであるなら、古典的RPGに用いられていた640×480解像度と比べて、極めて高解像度のモニターを用いているかもしれないユーザーのためにスプライトパックを追加で作るのはどのくらい難しい? 

A: すでにリリースしたスクリーンショットでわかると思うが、われわれは絵画のように描写的な手作りの3D背景を用いることができるようにしたい。これはRPGゲームであるから、Icewind Daleのようなゲームのように、とても幻想的な(ファンタスティックな)眺望を持ち込みたいと思っているし、描写的3D背景を用いればそれが実現できると感じているからだ。Icewind Daleのダンジョンの多くは、美的な趣を生み出すためモデリングと絵画的タッチの両方を用いていた。モデルごと、シーンごとのポリゴンの数の多さを心配しつつ作ったら必ずしも常には実現できないかもしれない類のセンス・オヴ・ワンダーをこのゲームで再現したいと思っている。

Q: DLCがゲームリリース前にアナウンスされて、一部ゲーマーが憤りを表明することがある。Project Eternityはすでにエキスパンション・パックのリリースを発表したが、特にそういう批判は出ていない。なぜだと思う?

A: わからん。ただ、われわれ自身、より迅速に楽しい冒険コンテンツを創ることができるからDLCづくりに取り組むことはとても楽しいし、そういった情熱はコミュニティー全体に理解されているのだと思う。現在のマーケットでDLCの話題が出たときは「収益を生み出すため」と受け止められるのがふつうになってきたのかもしれないが、そうではなくて「興味深い新コンテンツを創り出す」という意味あいのものだ。

 New VegasのDLCづくりはとても楽しかったし、それと同様のことがEternityでもできるのは素敵だ。(さらに、エキスパンション・パックはわれわれがこよなく懐かしがっている取組みなのだが、残念なことにどれだけプレイヤーが望んでいても、昨今のパブリッシャーがなかなかOKしないのだ)

**********

 BioWareのデヴィッド・ゲイダーさんにしろ、上のクリス・アヴェロン氏にしろ、シナリオ・ライター出身の人の文章はなかなか込み入っていて一苦労です。特にビッグワード(小難しい単語)を用いているわけでは一切ないのですが。

 Steamのニューウェル氏の場合は、ほとんどの引用が会話からなので「頭の回転に口がついていっていない」、途中で話題がガラガラ変わり、最後には、「な、わかるだろ?」的なまとめ方になることといい、「言葉でわからない、伝わらないもどかしさ」の表現に苦労するのですが。

 中身について言えば、いくつか感想がありますね。

・果たして百万本売れるかどうかは神のみぞ知る(Kickstarterの出資者は7万人)。プラットフォームがPC/Mac/Linux限定ですからThe Witcher シリーズの50万本までもいかないかな?

・インタヴュアーも何度か聞き直してますが、「新奇なところは特にない」。これはInfinityエンジンゲームのリダックス(Redux)、ルネッサンス(Renaissance)であるのでしょう。伝統再帰、古典復興。

・ハクスラゲーのルートは、Diablo方式がデファクト・スタンダードで、MMOにもかなり広まってますね。私は実は苦手なのだ。Baldur's Gate、Icewind Dale、Neverwinter Nights方式は好き。Dragon Age方式では無数に無駄なものを拾うのだが、ユニーク以外で役に立つものは結局ほとんどないと感じる難点があります。DLCなしのバニラで遊んだことがないからそう感じるのかもしれない。
 クリスも述べているように、私もプレイヤーとしてユニークアイテムの説明書き、もっともらしいうんちく、長い能書きが大好きです。その部分はDragon Ageのユニーク・アイテムでも踏襲していた。

・DLC、エキスパンション・パックについては、もろにMass Effect 3などのデイワンDLC、Dragon Age 2のエキスパンション・パックの話題を指しているのでしょう。
 デイワンDLCのほうは、本体リリースにすでに組み込まれている(完成して実装している)コンテンツのアンロックに別料金がかかるという仕組みが批判されていて、それはMass Effect 3に限らず広く行われている手法。 

 また先日は、DA2のエキスパンション・パックが制作中止になった。本編の半額(20から30USD)で売るくらいなら、むしろそっくりそのままDA3というフルタイトルにしちゃってフルプライス60USDで売れ、そのほうが儲かるからというEAの指図があったのだろうか。
(エキスパンション・パックは本体と同程度の価格をつけられない、また新作フルタイトルほど本数が売れないのもふつうである。開発期間が倍(たとえばエキスパンションの1年からフルタイトル2年)になっても、両者の売上本数見込みの差がある線を上回っていればペイする寸法)

 クリスたちが懐かしがっているようなエキスパンション・パックの成功例を探すと。Infinityエンジンでは、BG2のエキスパンション"Throne of Bhaal”(BioWare)はともかく、ほかはなんか結構しょぼかった気がするんですけど・・・。

 私から見て成功例といえば(Infinityエンジンではなく、Auroraエンジンになるが)やはりNeverwinter Nights(BioWare)のふたつのエキスパンション・パック。あのふたつは分量の面も追加されたコンテンツの面からも、まあ文句なしでしょう。

 Obsidianが関与したもので探すと、辛うじてNeverwinter Nights 2のエキスパンション・パック、"Mask of the Betrayer”が合格ラインかな(けったいで余計なアイデアまで盛り込んだという批判は多いが)。
 ただその後続作品である、お茶濁しとしか呼べない"Storm of Zehir"でエキスパンション・パック方式に汚点をつけたのもObsidianであったのだが。

 実はクリスが言っている、ソウルを使った印象に残るスペルシステム。"Mask of the Betrayer"で用いた、スピリット・イーターと同じような仕組みではないのか、と疑ってるのですけどね。それが上で言う「けったいで余計なアイデア」ではあったのですが。

  
 
 
 

 

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