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2012年11月21日 (水)

恋の十字砲火・・・。

 前回書き漏らしたけど、最近の「日常系」なるラノベなどのジャンルは、「繰り返しの物語」の発展系ですね。「非日常」を日常的に繰り返すものも含む。そう言ったら大抵のラノベが入ってしまうだろうか。

 今ネットの産経を見たら、あのH山が干されて選挙に出られない(公認されない)ことを指して、党の要人が「名誉ある勇退」などとのたまっていると書いてある。
 おいおい。ブレイブリー・デフォルト、「勇気をもって不出馬」かよ。名作の顔に泥を塗るなよ(って、ふたつのネタを結びつけてるのはお前だけだろう)。

 「ブレイブリー・デフォルト」、久々に意欲的な(作り手サイドがチャレンジングな)スクエニ・ゲームだなあ、というのが先の記事であった。
 正直なところ「任天堂でFF新作をやるわけにはいかんので、名前だけBDだけど中身FFやろ」と高をくくっていたのだが見事に裏切られた。FFの姿をした別物。
 スクウェアRPGの代名詞とも呼べる「クリスタル」をああいう扱いにするってのは「ありえへん」と思い込んでいたわけですけどね。まあそれを逆手に取られた。
 今気が付いたが、フライング・フェアリー(Flying Fairy)という副題がFFだな。なるほどそういう仕掛けまであったか。

 手放しで褒めているわけじゃない。オークワードなコンバット・システムなどのゲームプレイ、過剰なまでの繰り返し、意味不明な(場違いすぎる)、あるいはあまりにステロタイプで陳腐な敵側キャラクターなど色々文句はある。でも、そういう世界もよくも悪くも見かけ上FFの姿をさせるための仕掛けにはなってる(のかな?)。

 タイトルが英語的に正しいかどうか、どうにも気になっていたのだが、やっぱり「正しくない」ようだ。ゲームサイトのライターたちにはタイトルが「変だ」、「ばかばかしい」と言ってる人もいた。

"The ridiculously named Bravely Default: Flying Fairy …"

 ただし中身については、あちらのライターたちは「お前らだけで愉しんでんじゃねえ、英語版出せ、ごら」と皆一様に息巻いている。ざまみろ(笑)。

 やっぱそうだよねえ。ヴィデオゲーム、アニメ・コミックの「キテレツ和製英語」にもう慣れ親しんじゃってるから他のライターたちは「また日本人の考えたわけのわからない変なタイトル」だけど無視しているのかもしれない。何度言っても「ファイナル・ファンタジー」がアメリカのおもちゃ売り場の店員に通じなかった私自身の苦労も遠い昔の話である(発音が悪かったのかも)。

 
(追加: ああ、その後こんなこと書いてあるサイトも見つけた。誓って言うが、上の文章はこういうサイトを発見する前に書いたものだ。トラスト・ミー!
 「みょうちくりんな題名についてはさくっと無視しようぜ」という意味。

"Let's try to ignore the fact that it's called Bravely Default: Flying Fairy."

追加終わり)

 そういえば意味不明英語の代名詞と呼ばれたタバコの「マイルドセブン」。色々な意味合いで改名されるんだってね。「メビウス」。"Mobius"では英語読み「モビアス」なんで造語で"Mevius"。なんだか隠された意味も色々書いてあるが、それ自体日本人お得意の、他のどこにも通じない自己満足。センスもどうなんすかね? そもそも「メヴィウス」と読んでいただけるのかどうかも疑問だし、もとのモビアスともすっかり関係なくなっちゃたよ? ま、他人事なんでどうでもいいけどさ。
 望月先生の「ワイルド7」まで同じレベルでキテレツとか言わないように。あれは黒澤映画「七人の侍」をパク・・・、そのオマージュである映画「荒野の七人」"The magnificent seven"からの発想。でも、先生が「荒野の・・・」という意味合いも含めて名づけたとしたらそこまでは通じないかもね。英語的に正しくても「意味がよくわからん」というケースだってあるのですね。

 「ブレイブリー・デフォルト」というタイトルに関連して前回書き漏らしたネタがある。

 絶版となったサンリオ文庫で出ていた「暗闇のスキャナー」(サンリオ文庫にはよくあった「訳がキテレツ意味不明」という迷作もののひとつに数えられてしまったもの。その後、創元でも別訳で出ていた)というフィリップ・K・ディックの名作の最新訳は「スキャナー・ダークリー」という原文のカタカナ読みになっていた。
 (形式的にサイファイ小説ではあるが、もっぱらドラッグ文学の名作として扱われている。キアヌ・リーヴス主演で映画にもなったが観ている方はまずいないだろうか。あの映画のアニメ技法は実は映画「ドラゴンエイジ」が用いていたものと一緒なはずだから、日本でも一部好事家には受けていたのかもしれない・・・)

 "A Scanner Darkly"という題名をそのままカタカナにしたのは公開される映画の題名がそうだったから。そもそもDarklyは「暗闇の」というよりは「うすぼんやりして」、「おぼろに、曖昧として」という意味だし、だいたい副詞だし(ということが訳者浅倉さんの解説に書いてあったかもしれない。私の記憶も朦朧(もうろう)としている)。でも「朧げなスキャナー」じゃあインパクトがないしね。

 作品を読んだり映画を観た方には「おぼろ」とか「ぼんやり」の指し示すものが何重にも出てくるのはたちまちおわかりになるだろう。作中に登場する、出会った相手が後からどのような人物であったか思い出せないように着用者の容姿や人格まで変容させる、あの不思議な変装用迷彩(スクランブル・スーツ)もそんな表現で言い表すことができるもののひとつだ。

 「スキャナー・ダークリー」のタイトルについて当時なんとなく腑に落ちなかったがそのままにしていた。今回「副詞+名詞」は変じゃないのか、許されるのかしらと思っていた"Bravely Default"からの連想で、今回Wikipedia(en)でディックの作品のほうを覗いてみた。

 やはりというか聖書の一節にあるのだそうだ。コリント書。(このこと自体がちゃんと本の解説に書いてあったらごめんなさいね、って誰に謝ってるんだろう)

(追加:ようやく「スキャナーダークリー」を自宅から発掘して訳者あとがきを読み直した。故浅倉さん、小説本文にあるくだりから推理して、ちゃんと書いておりました。もう謝っても伝わらないけど、改めて合掌)

 "Through a glass, darkly"

 非常に多くの文学作品に用いられている、クリスチャン世界においては有名な一節だそうである。

 よって、小説の題名"A Scanner Darkly"は、この一節を知っていれば、glassがscannerに置き換わっていることがわかるし、ほかが省略されているだけで、なんら問題がない。

"For now we see through a glass, darkly; but then face to face: now I know in part; but then shall I know even as also I am known."

 
「今われらは鏡をもて見るごとく見るところ朧なり。然れど、かの時には顏を對せて相見ん。今わが知るところ全からず、然れど、かの時には我が知られたる如く全く知るべし。」(大正訳)

 
 わざわざ文語訳なのは、そのほうが品詞なども含めしっかり訳されているんじゃないかと思ったから(でもごらんのとおりかなりの超訳も含まれていた)。

 darklyは「(見るところ)朧(おぼろ)なり」となっていますね。「朧(なり)」は形容動詞であるそうなのでどちらかというと形容詞の役割、あるいは名詞に「なり」が付いただけという説とか色々あるらしいけど、「朧に見える」、「朧に浮かぶ」、「朧に霞む」など動詞にもつくし、形容詞、あるいはほかの形容動詞を修飾もできるから副詞の一種ではありますね。本当の副詞として用いるには「朧朧(おぼろおぼろ)」があるそうな。

 glassは上では「鏡」となっていますし、それが主流の解釈だそうですが、英訳をするときに「石を磨いて窓に用いたもの」あるいは「レンズ」のようなものかもしれないという論争はあったようです。
 うまく曖昧さを残した英訳はスペキュラ(反射鏡、スペキュラムの複数)を用いたものであるという。モーゼ以外の預言者にとって、神は九つのスペキュラ(反射鏡)を通して見えるかのように「おぼろ」で「ぼんやり」としか見えなかった。ただひとりモーゼのみが一つだけのスペキュラムを通したかのように眩しい神の姿を目にすることができたという伝説がその根拠だそうだ。
 
 って、そっちのネタを広げてどうする!(でも調べてたらメチャクチャ面白いんだもの)

 「ブレイブリー・デフォルト」はいわば「勇敢なり、その不履行」?(やっぱ苦しいなあ) 

 そういえば、H山の頭の中こそ、「おぼろ」で「ぼんやり」なり。
(世相ネタ書くとアクセス減るんだよなあ・・・)
 

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